日本交通の子会社が優秀なエンジニアを1年で23名採用できた理由とその方法とは? |HR NOTE

日本交通の子会社が優秀なエンジニアを1年で23名採用できた理由とその方法とは? |HR NOTE

日本交通の子会社が優秀なエンジニアを1年で23名採用できた理由とその方法とは?

  • 採用
  • エンジニア採用手法

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

「全ての人事部門のリーダーもテクノロジーリーダーとして、ITに関して理解を深めていこう」という想いで立ち上がったイベント『人事 to ITカイギ』。

テーマは「脱レガシー!次世代の人事・労務・採用」。

今回は、日本交通の子会社、JapanTaxi株式会社の人事である小川氏が取り組む、エンジニア採用に関してご紹介します。タクシー関連の事業だと、あまりITとは関係ないと思われがちですが、JapanTaxiは全国タクシーアプリはじめ、さまざまなプロダクトを生み出しています。さらにタクシーにAIやIoTの仕組みを導入しようとしており、最先端のテクノロジーを駆使してタクシー業界を変革しようとしています

ただ、タクシー業界はまだまだレガシーなイメージが強いのではないでしょうか。そんな中、JapanTaxiはどのように優秀なエンジニアを採用しているのか。本記事ではその内容やノウハウをまとめています。

小川さん

小川 成子(おがわ しげこ) | JapanTaxi株式会社 人事マネージャー

ゲーム業界を中心に採用・労務・制度設計・人材開発・システム導入と幅広く人事を担当。※趣味が高じてゲームプログラマ実務経験あり。人事責任者としてベンチャーのIPO、年間100名規模の採用、制度設計を経験後、仮想現実をつくる世界から生活に根付いたリアルな世界を求めてJapanTaxiへ入社。「移動で人を幸せに」する組織づくりに取り組み中。

老舗タクシー子会社が優秀なエンジニアを採用する理由と、その採用ノウハウとは?

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最高のタクシー体験をつくるために、イチからものづくりのエンジニアの採用に取り組む

小川氏:弊社は日本交通というタクシー会社の子会社です。日本交通自体は90年の歴史のある日本最大手の老舗の会社です。

弊社代表の川鍋は「タクシー王子」の通り名で多くのメディアで取り上げてもらっているアイデアマンなのですが、「タクシーを呼ぶのであれば、スマートフォンを活用しよう」と5年前に言い出し、そこからものづくりのエンジニア採用に大きく動きはじめました。

Japan Taxi自体はもともと、主に保守運営をしている会社です。日本交通グループで利用する業務システムを運用しています。

運用保守のエンジニア」と「最高のタクシー体験をITでつくるエンジニア」というのは、完全に種類が別になります。当然、社内にはそのような人材がいないため、イチからものをつくるエンジニアを採用する必要がありました。

優秀なエンジニアを惹きつける3つの条件

小川氏:私の感覚では、エンジニアは以下の3つがそろっていると魅力に感じてくれる傾向があります。

  • 新しいサービス・プロダクトがある
  • 高い技術力がある
  • 候補者に「こういう理由であなたが必要です」と伝えることができる

まず、新しいサービス・プロダクトと高い技術力に関してですが、このような取り組みをしています。

  • 全国タクシーアプリの提供
    3か国語に対応しており、Googleマップ、Yahoo地図、LINEタクシーなどと連携してタクシーを呼ぶことができます。
  • 車内広告タブレット『Tokyo Prime』の展開
    性別・エリアでのターゲティング機能が搭載されており、その方に合った広告を配信することができます。
  • スマートフォン決済システム
    QRコードを読むと、それだけで決済完了できます。Apple Pay、Origami Pay、中国の方向けにAlipay・We Chat Payを導入しています。『Japan Taxi Wallet』という自社のペイメントもつくりました。
  • タクシーの車載システムの開発
    ドラレコやメーターの開発から、携帯の電池がない場合に充電もできるようにもなっています。

 

ここからいろいろなデータを取っています。タクシーは、位置情報や交通の情報、お客様の情報など、多くのデータが取れます。

それらをデータマイニングして、AIにも役立てています。たとえばAI配車といって、どこに行けばタクシーを求めているお客様がいるのかなど、もともとのデータと今のリアルタイムデータを反映させて分かるシステムを開発しています。

AI労務管理もあります。これはブレーキングやスピードなどにより、そのタクシーの運転手がどういった体調なのかを測れるシステムです。これで体調管理やガソリンの減りなどもコントロールできます。

次に、「こういう理由であなたが必要です」ということをどう候補者に伝えるのか。これはとにかく現場のエンジニアと話してもらう、役員全員と話してもらう、オファー面談をする、必要があれば一緒にメンバー・役員を連れて会食をする。そしてその場で、「どうしてあなたと一緒に働きたいのか」を全力でお話しします。

この3つに加えてさらに、経営者が「弊社にくれば面白いことができる」ということを大きな声で訴えています。社員への想いも常に発信しており、「この世に徳を残そう、人間性を磨こう、家族を大事にしよう」と言い続けています。

その結果、1年間でエンジニアが23名入社しました。平均年齢は32歳に引き下がり、クリエイティブスキルを持った挑戦したい人材が集まってくるようになりました。

採用の「通過率」「決定率」を高めるために取り組んだこと

小川氏:ここからは、私個人が取り組んだことをご紹介していきます。

弊社での採用の歩留まりを分析すると、母集団は多く集まっていましたが、通過率や決定率が低いことがわかりました。内定を出しても辞退される、書類通過者が面接にこない、面接の結果不合格といったことが多くありました。

そこから、細かい数値の分析と現場の肌感を徹底にヒアリングしていきました。そして、概ねこの4つが問題だと考えました。

  • 企業のビジョンにマッチしていない
  • 優秀な人がいるのに他社に採られてしまう
  • 求人の内容が魅力的でない
  • 選考スピードが遅くて結果辞退になってしまう

これを解決するためにやったことは、まずは採用管理システムの導入です。今までExcelで管理していた工数の削減が目的です。

さらに、求人票の内容も簡単に更新できます。募集要件は割りと短期で変わることがあり、手間と時間がかかるのですが、ここをタイムリーにかつ魅力的に打ち出すようにしました。

また、履歴が全て残るため、どこでどのような問題があるのかがすぐに分かります。面接官同士の所感のやり取りも含めて一元的に管理できるようになり、非常に採用効率が上がりました。

さらにWantedlyのフィードを活用し、会社の雰囲気を伝えていくようにしました。誰が働いているのか、どういう雰囲気なのか、会社のリアルな情報をアップしていきます。

自社ブログ的な活用ができるため、これを半年間、週2回ぐらいコツコツとやっていたところ、会社のフォロワーが2倍以上になりました。継続は力なりです。

ここで重要なのは、社外のみならず社員にも会社の魅力を伝えるということです。自社に所属している意義ややりがいなど、友人に自慢したい会社にならないと採用力もあがってこないと思います。

他にエンジニア向けの勉強会も開催しました。技術面からもアプローチしています。自社だけでやることもありますし、他社様と一緒に勉強会をすることもあります。

これらを実施した結果、決定率、内定承諾率も上がってきています。書類通過した方はほぼ面接にきてくれるようになりました。

最後のお話になるのですが、私は、自分の言葉で伝えるということを大事にしています。経営と現場の間に立ってうまく両者をつないでいくことが人事の役割だと思っています。

経営者の考えていること、やりたいことを現場に伝える。現場の困っていること、思っていることを経営陣に伝える。ただ伝えるだけでなく、しっかりと自分で理解して、自分の言葉で伝えることが大事だと考えています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

エンジニアからの認知がない企業でも、プロダクトの魅力や「あなたに来て欲しいんです」という熱意を伝えることで、優秀なエンジニアの採用ができるのではないかと感じました。

それ以外にも、採用管理システムを導入し、選考プロセスのテコ入れをおこなったり、Wantedlyを活用した採用広報活動をしたり。

もちろん採用戦略の土台がしっかりできていることが前提ですが、新しい取り組みを積極的におこなうことで、採用成功につながっていくのではないでしょうか。

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