「事業部の痛みを知っている人が人事にいてほしい」#人事9人が本気で語り合う『強い採用チーム』論 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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「事業部の痛みを知っている人が人事にいてほしい」#人事9人が本気で語り合う『強い採用チーム』論

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

企業の採用担当や経営者が、少人数でのディスカッションを通して全員にとって学びや発見のある場をつくっていくイベント「Recruiting Disscution Series」。

今回は特別ゲストにサイバーエージェントの曽山 哲人氏を迎え、人事領域で活躍されている方々、計9名で「強い採用チームをつくるには何が必要か」をテーマに実施。

人事の方のみならず、採用に携わる方にとって興味をもっていただけるような非常におもしろい内容が盛りだくさんです![人物紹介]

【特別ゲスト】

  • 株式会社サイバーエージェント 曽山哲人 氏

【ゲスト】

  • 株式会社R09(アールナイン) 長井 亮 氏
  • 株式会社ネクストスケープ 橋本 祐造 氏
  • Retty株式会社 奥田 健太 氏
  • Syn.ホールディングス株式会社 大月 英照 氏
  • 株式会社ネットマーケティング 宇田川 奈津紀 氏
  • 株式会社HARES 西村 創一朗 氏

【イベントオーナー】

  • 株式会社カリーグズ 福田 航太氏
  • 株式会社MOLTS 寺倉 そめひこ氏

ディスカッション|強い採用チームをつくるために何が必要か

福田さん皆さんにはそれぞれ一言で表現していただきたく、お手元の画用紙に書いて発表をしていただきます。 それを見て、気になることあれば深掘りしていきましょう。

そめひこさん

企業の採用を成功させるにはという視点で書いていただければ嬉しいです。

福田さん皆さん書けました・・・?じゃあ、せーのでバーンといきましょうか。せーの。

図3

福田さん
結構おもしろいフレーズが出ていますね。それでは、まずはそめひこさんの一言からお伺いしていきましょうか。

メルカリのバリュー「Go Bold」がもたらすブランディング効果

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西村さんGoBoldってメルカリさんですよね?

そめひこさんそうです。これ結構すごいと思っているのですが、Go Boldを見たり聞いたりして「メルカリだ」って多くの人が言うわけです。

以前メルカリの人と他社の人、何人かで飲んでたときに、盛り上がったらみんな「Go Bold!」って言っていて。自社のバリューやミッションを明確に知ってる人自体を知っている人もあまりいないのに、メルカリのバリューは周囲の人たちをはじめとして、多くの人が知っているし、口にする

これは他社の人も巻き込む広報活動になっていて、この状態をつくれる会社は強いなと思っています。何故なら、強い採用組織は人事が凄いのではなく、メンバーも含めて全員で戦っていける状態であることが大事だと思っていて。外部から「Go Bold!」って言われたらやっぱり嬉しいし愛社精神が強くなり、引き込む力って他社に比べて強まっていくよなと。

もちろんフェーズもありますし、メルカリさんの中では様々な取り組みがあることは十分承知しています。またここに集まったみなさまは的確なことを言われると思うのですが、「周囲も巻き込む状態を作り上げることが強い採用チームのつくり方」という意味を込めて、GoBoldにしております。

福田さんサイバーエージェントも「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げていて、世の中に浸透していますよね。

経営者やメディアに出るような人たちが、ビジョンやバリューを外部に頻繁に発してると、社員もそれをどこかしら誇りに思い、そういう行動を取ろうって思うようになるのは肌感覚的にはすごく分かりますね。

曽山さん働く人たちに刺さる言葉かどうかが大事だと思います。記憶に残らないと結局社員も覚えないし、浸透しません。人事制度の名前などをつけるときも社員の中で流行るか、刺さるかを考えます。

社員が自慢してくれるようになれば成功なので、それで外部の方も話題にしてくれればなお良いという感じです。社員が自慢してもらえるような単語、キーワードにするというのは、意識してますね

自分で考えることもありますし、あとは各事業部に相談してネーミングを一緒に考えてもらうことが多いかもしれませんね。

奥田さん弊社は社内の制度作成などで、「自分たちが作った側にまわる」という意識をどれだけ持たせられるかを考えています。

弊社は160人くらいの規模なのですが、社員50人くらいまでは合宿を必ず半年に一回やって、ビジョンは変わらないんですけど、その下のレイヤーにある行動規範をみんなで議論して変えていくんですよね。

そうすると、みんな自分で決めたものだから、使おうとか守ろうとか発信していこうというスタンスになってくれます。これからの課題は、150人くらいの規模になると、全員で作るという形で当事者意識を醸成することができなくなるので、別のやり方を試行錯誤しています。

福田さん 自分もそのプロセスに関わると、腹落ち感が大きく変わってきますよね。

1

「川の流れのように」情報共有できる仕組みが採用成功につながる

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宇田川さん

「川の流れのように」、美空ひばりさんが頭に思い浮かびました。

長井さん先日、あるサービスを使おうと思って、ネットで申し込みをしたときに、「ウチのサイトは何で知りましたか?」という記載があり、「ネット検索」と回答して、その数分後に電話かかってきまして予約受付をしました。「素早い対応だな、素晴らしいな」と思ったんですね。

ただ、最後にその電話の人から「ウチのサイト何で知りましたか」って。さっきネットで入力したのに電話でまた聞かれました。

後日、直接サービスを受けて、その担当の方が最後に言われたのは「ウチのサイト何で知りましたか」って。3回聞かれたんですね。

サービス内容は非常に良かったのですが、3回聞かれたことに対して不安と残念な想いになってしまい、継続してそのサービスを使わなかったことがあったんです。

弊社では、採用アウトソーシングなどのサービスを提供しているのですが、それと近いことが他社様でも起きています。例えば面接でも、一次面接、二次面接、最終面接と、全く同じことを聞いてしまうことがあります。

求職者からしたら「え?また聞くの?情報共有されてないのかな?」という感覚になるのではないかと思っています。そう考えたときに、逆にうまくこの辺の流れがスムーズに連携できると、感動を与えることができるんじゃないかと思うんですね。

特に今、売り手市場になっていて、採用難易度が上がっている中で、毎回同じことを聞く会社と、しっかり求職者と向き合って話をしてくれる会社とでは、差がつくのではないでしょうか。

情報連携が非情に重要で、そこを上手くつなぐことが採用成功の確率を高めることになるので、「川の流れのように」と書かせていただきました。

大月さん情報伝達。簡単ですけど意外とできている会社は少ないように思いますね。

そこができていると、会社の雰囲気が良い、風通しがいい、情報伝達が速い、あと同じ回答が出てくると「社員の方々の方向性が同じなんだ」など、面接の回答でもよく見えますね。

2

人事は事業部の「身内」となれているか

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そめひこさん事業側が「こういう人が欲しい」と言ったことがきちんと人事に伝達しないケースってありませんか。セクショナリズムや、その事業部の考え方を人事があまり理解できていないときにみなさんはどうしていますか。

大月さんちょっとこれ出してもいいですか。人事は好奇心と想像力が必要だと思っています。自分が経験していない職種やビジネスモデルに対して、エージェントに伝え、求職者と会話をすることがあるので、ある程度理解できていないと厳しいです。

それにはまず「こういう職種にはこういうことが必要ではないか」など、想像力と好奇心を持って現場にヒアリングをすべきだと思います。そういうことをしないと、おそらく本人たちもつまんなくなっちゃうと思いますし、現場側との距離も縮まらないですよね。

曽山さん事業部の痛みを知ってる人のほうがいいですよね。中途で採用担当として入社した人でも良いのですが、現場に寄り添える人じゃないと厳しいので、現場の痛みが分かる人でないと採用は厳しいと思います。

弊社は事業部の中にも採用担当がいて、中途社員はその人を中心に採用活動をしています。担当役員と事業部内の人事で決めていいよと。

ですので、全社人事が入らない、もう「痛みの中」でやってるので、危機感もそうですし、事業への理解があるので、マッチング率が高いですよね。逆に新卒は全社で採用してから配属になります。

そめひこさん営業のエースや、事業をつくってきた人たちを人事にすることがいいと思うんですけど、それが会社的にできませんとなったときに、その事業の感覚をどう伝えていけばいいんだろうか、すごく悩むところで、難しいなと感じています。

曽山さん僕の場合は、事業経験が少ない人事メンバーで採用しなければいけないとなった際は、「とにかく現場社員とランチに行ってきて」と言っています。

そうすれば話してるだけで、事業部ではどんな仕事をしているか、どれだけ辛い経験をしているかなど、理解することができて、思い入れも出てくるということはあると思います。「身内感」ってすごく大事ですね。

図3

まずは現場と仲良くなること。そこからロジックをもとに一緒のベクトルに合わせていく

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西村さん結局、今の人事部と現場にある溝をどう埋めるかがすごく大事だと思っています。ただ、結果よくありがちなのが、現場は青い鳥を求めたがることがあるなと。

エンジニア採用をやっていて、マーケットとしてエンジニアが全然採れないのに、「PHP3年以上じゃないとちょっと無理です」「即戦力じゃないと育てる余裕無いんだよ」みたいな。バチバチするじゃないですか。

なので僕はちゃんと現場に今の採用マーケットを理解してもらって、採用ターゲットを変える、忙しい中でも採用・育成にリソースを割いてもらうというように攻めていく必要があると思います。

ただ、僕は順序としては仲良くなることが最初です。まずは仲良くなって、「こいつだったらしょうがないな」「こいつの言うことならとりあえず聞いとくか」みたいな関係性をつくるところが、最初に必要だと思っています。

リレーションが築けてそこからはロジックで、正しい方向に一緒に導いていく、この順序じゃないと採用チームってつくれないなと思いますね。

宇田川さん人事と事業部の関係性でいくと、私が最初ネットマーケティングに入って感じた事は人事と現場の距離感でした。遠いなって感じました。なので、私が入社したときも「どうせいままでと変わらないだろう」なって思われていたと思うんです。

そこで私が何をしたかというと、まずCTOを捕まえて「事業のこと教えてくれ、教えてくれ」って。デザイナーさんのところに行って「これどうですか、私この人スカウトしたんですけど違いますか?なんで違うんですか?どうしてですか?」という感じでいろんな部署に行って聞きまくったんですね。

そうしていくうちに、「こっちが求めてるのはこれです」「こういうの勉強して欲しいです」という感じで仲間に入れてくれましたね。

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