7,000人のスタッフに対してリファラル採用を1ヶ月運用してわかったこと |HR NOTE

7,000人のスタッフに対してリファラル採用を1ヶ月運用してわかったこと |HR NOTE

7,000人のスタッフに対してリファラル採用を1ヶ月運用してわかったこと

  • 採用
  • アルバイト・パート採用手法

小山さん640
※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

先日、リファラル採用を活性化するクラウドサービス「Refcome」が開催する『リファラル採用勉強会』に参加してきました。実際にリファラル採用に取り組まれた方々のノウハウを共有し合うイベントとして多くの人事担当者で賑わっていました!イベントのメインは、株式会社HARES西村 創一朗氏、株式会社チェッカーサポート小山 剛史氏、株式会社ホットリンク濱野 智成氏によるトークセッションになります。

  • リファラル採用で何からはじめたら良いかわからない。
  • 思ったよりも大変そうで、なかなか進まない。
  • 始めたものの社内の社員が協力的ではなかった。
  • 最初は盛り上がったが、一時的な取り組みで終わってしまった。

という課題や悩みをお持ちの方やリファラル採用に興味がある方にとっては非常に参考となるセッションだったように感じました。

その中で小山氏は、7,000名近くいるスタッフに対してリファラル採用をおこなっており、本格導入してから1ヶ月で51名がリファラル採用での入社が決定したとのことでした。

特に、どのように各部署を巻き込んでリファラル採用を推進していくのかに関してお話をさせており、本記事では小山氏がどのようにリファラル採用を開始し現在に至っているのか、そのノウハウや経緯をご紹介します。

スタッフ7,000人に対してリファラル採用を1ヶ月運用して得られた成果とは

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【人物紹介小山 剛史 株式会社チェッカーサポート 採用コンサルタント
レジアウトソーシングをおこなう株式会社チェッカーサポートの採用部門責任者として業務に携わる傍ら、アルバイト採用に悩む企業のコンサルティングもおこなっている。チェッカーサポートでは、リファラル支援ツール「Refcome(リフカム)」を活用して全国7,000名規模のスタッフにリファラル採用施策も実施している。

アルバイト採用でさまざまな施策を実施するも、その先の効果が見えなかった

小山氏:チェッカーサポートは、百貨店やスーパーマーケットさんのレジ部門をアウトソーシングして運営するということを専門におこなっている会社です。日本全国250店舗ほど現在運営させていただいています。現在、正社員が200名程度、パートアルバイトが6,600名程度の規模です。その中で私は、新卒、中途、アルバイトと多くの採用に携わっています。

今、アルバイト採用では、さまざまな問題が起きています。これは正社員採用でも同じようなことが言えるのですが、負のスパイラルがぐるぐる回っている状況だと感じています。たとえば、アルバイトの募集をするときに、リクルート、ディップ、インテリジェンスなどいろいろ求人広告を掲載すると思います。しかし現在は掲載社数が昨対比130%程度とのことで、求人広告での獲得競争が激化します。そうすると各企業の応募数や面接数は低下します。

数が低下すると、まずは採用条件を落としてでも、目標の採用数を充足させようとなり、質より量だと採用条件の低下を起こします。質が低い人材が大量に入社すると企業の生産力が落ち、職場環境は悪化します。そうすると退職者が増加して、結果さらに人不足になるという、堂々巡りになってしまっています。今、何も考えずに採用をしていると、このスパイラルに普通に入ってしまいます。

負のスパイラル

ここに関しては色々な打ち手があると思います。しかし、「どこから手をつけていいかわからないな」という状態になることもあります。
当社は、データを大切にしていまして、アルバイト応募からの面接の設定率、面接参加率、内定率などを毎月算出しています。毎月、このデータをもとに弊社のスーパーバイザー50名に1時間ほど話をして現状認識をしています。そうした中でさまざまな施策をおこなっているのですが、なかなか効果がでないんですね。現状維持しかできていない状況でした。

その中でリファラル採用もおこなっていたのですが、ものすごくアナログなやり方をしていました。名刺サイズの友達紹介カードというのをつくって、「紹介したい方がいたらこのカード渡して面接に来てね。そのカード持ってきたら紹介費が発生するよ」というアナログなやり方でした。もちろん失敗しました。可視化ができないので、何が悪いのか全く分からないんですね。カードを1万枚刷って、1万枚配りました。でも、その先がどうなっているのか全く見えないんですね。

リファラル採用の導入、運用に向けて周囲をうまく巻き込む方法とは?

小山氏:そこで、リファラル支援ツールのRefcome(リフカム)と出会うことになります。前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。正社員・パートアルバイト7,000人に対してRefcomeを1ヶ月運用した結果をご紹介します。

リフカム

2016年10月26日にRefcomeの機能詳細を知りまして、「可視化ができるのですごくいいな、これはいけそうだな」と思いました。すぐにRefcomeの管理画面もらって管理画面を使い倒して、その日中に役員のアポをとりつけました。そこでプレゼンをした後、役員決済をゲットしました。これは勢いだけですね(笑)。

その次にやったことは各関連部署に根回しの活動をしました。「リファラルやるぞー」って(笑)。
引き続きインセンティブが発生するため、まずはリーガルチェックを求めて法務に行きました。法務には役員がいるのですが、インセンティブ付与のロジックを一緒に構築してもらいました。次にインセンティブの支払いに関して経理の部門に行き、さらに実際処理をおこなう事務部門にも行くなど、色々な関連部署に出向いて根回しをしました。

その時に意識的にやっていたのが、「どうすればいいかな」「なんかアイディアないかな」と相談することです。各部署にアイディアマンがいて、「こうした方がいいんじゃないの」とアドバイスをくれます。これが狙いで、「なるほどそれには気づかなかった」と運用、制度設計に巻き込んでいきます。他人事から自分事化してもらうために、「リファラルやりたいんだけどどうすればいいかな」と相談して巻き込むために、関連部署に言って回ったんですね。

次に実際に紹介をしてもらう現場ですね、弊社にはスーパーバイザーが50人ぐらいいるのですが、その方々をやる気になってもらうために、関連部署と同じように相談をもちかけ、一緒に考えていきました。彼らにプレゼンする時に「インセンティブどうしようかな」「どうすれば紹介してくれるかな」「いくらにしようか」ということを全部投げました。「このくらいかな」「いやうちはいくらがいいよ」「それじゃないと利益でないよ」など、色々な意見がでましたが、全部自分事化してもらいました。

リファラル採用のさらなる推進に向けて見えてきたさまざまなデータとは

小山氏:そして、ようやく2017年1月4日に運用開始となりました。ですので、約2か月で中の制度設計をつくりました。もちろん中には様々な失敗があるのですが、難しく考えると止まってしまうので走りながら何とかこぎつけました。

リーガルチェック、支払い方法、各部門での協力依頼などをおこない、あとは社内リテラシーの向上ですね。社内の情報発信も1回や2回だけではありません。「リファラル採用はこんな意味があります」「他社はこうやっています」ということを社内グループウェアで、何回も何回もリマインドしました。20回以上はやったのではないでしょうか。そうして少しずつ、社内でリファラル採用の期待値も上がって認知も上がるというような状態になりました。

そして、結果がどうかってことなんですけど、2月2日時点でリファラル経由でアルバイトが51名入社してくれました。最初はスロースタートだったのですが、少しずつ少しずつ運用がまわりはじめています。7,000名中の51名なので、個人的には少し物足りないのですが、運用して1ヶ月なので、今後の経過に期待したいですね。

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どういう層が協力してくれたのか、エンゲージメントが高い年齢を出してみました。そうすると、16歳から19歳の方々の動きが最も速かったことがわかりました。次が20歳から24歳、最後に25歳以上となりました。若い層のほうが協力してくれています。今後はどんどん若い層での成功例を増やしていけば社内認知も上がるのではないかと思っています。

次に求人サイトとの比較ですが、非常にいい結果が出ています。弊社は一般の求人サイトからの採用率は20%なんですね。これがリファラルでいくと90%を超えます。単純に4.5倍です。また、一般の求人サイトから入社された方は残念ながら4人に1人が研修中に辞めてしまうんですね。ですがリファラル採用では、今のところは誰も辞めずに4人中4人がそのまま残ってくれています。

あとは目に見えないコストですね。リファラル経由での採用率が高いということは、選考フローでの無駄を削減できることにつながります、
たとえば、応募時の受付対応、面接設定のアポイントのやりとり、面接する物理的な時間、採用に関する書類の準備など、さまざまな工数が削減できるため、もっともっとスリムな採用も実現できるのではないかと、非常に期待しています。

今後、チェッカーサポートがどのようなことをやろうかと考えているのは、徹底的な可視化をしようと思っています。具体的には、さきほど申し上げたような定量的なデータもそうなんですけども、人がやることなので実際に話を聞きに行き、データとして残していきたいと思っています。

「なぜあなたは友達を紹介してくれたのですか」「なぜあなたは紹介してくれないんですか」とヒアリングすると、「インセンティブが魅力だった」「自分のバイト先が好きで人が足りなくて社員が困っているのがかわいそうだった、助けてやりたい」「高校時代の野球部の友達がいっぱいいて、LINEのグループで声をかけたらいっぱいヒットしてきた」など、さまざまなきっかけがあるですが、このような声もすべて可視化していきたいです。

紹介してくれた方とはポジティブな面談ができると思うのですが、まだ紹介してくれていない方との面談では話にくいこともあるのでないかと。それも含めて話を聞きに行こうと思っています。

制度設計してWEBだけで発信ではなくて、具体的に話を聞く、OneToOneで話をする。それでこちらの熱も伝わりますし、向こうの熱もわかるんですよね。それがリファラル採用の推進では大切だと思っています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

周囲を巻き込むために、あえて相談する体で関係部署に話をして一緒に考えながらつくりあげていく、そんな小山さんのスタンスは非常に参考になるものだったのではないでしょうか。

採用において徹底した可視化を目指している小山さんですが、データを採用に活かすことで現状の把握や注力すべきポイントが鮮明になり、効率的かつ戦略的に採用ができるため、今後どのような成果が生まれてくるのか個人的には非常に興味深くお伺いさせていただきました。

イベント概要|主催

  • イベント名:リファラル採用勉強会 Vol.01
  • 日時:2017/02/02(木)19:30~
  • 場所:東京都渋谷区道玄坂2-10-7
  • 主催:株式会社Combinator 代表取締役 清水巧
  • リファラル採用を活性化させるツール「Refcome(リフカム)

※次回のリファラル採用勉強会に興味のある方は、こちらにご登録いただければ、開催時にお知らせを受け取れます。

 

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\期間限定でアーカイブ配信中!/
今、知っておきたいテーマについて豪華ゲストが詳しく解説!

▼アーカイブ配信視聴はこちらの特設サイトから▼
https://hrnote.jp/dx-action-summit-2023-archive/

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