27歳フリーターが、即戦力を求める大手外食企業に就職できた理由 |HR NOTE

27歳フリーターが、即戦力を求める大手外食企業に就職できた理由 |HR NOTE

27歳フリーターが、即戦力を求める大手外食企業に就職できた理由

  • 採用
  • 中途採用手法

640_金子様
※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

こんにちは!HR NOTE編集長 根本です。

先日リクルートキャリア主催の『GOOD AGENT AWARD 2016』に参加させていただきました。年に1度開催される転職エージェント業界最大の式典で、一社、一人に対して深く向き合ったサービスを提供したエージェントに賞がおくられます。

97にもおよぶエージェントによる転職支援の事例がエントリーされており、その中から5組のエージェントが金賞を、3組のエージェントが特別賞を受賞されていました。

今回は、その中より、株式会社R4CAREERの金子氏の事例を紹介します。金子氏は、就業ブランクのある27歳求職者と即戦力を求めているが採用に苦戦されている大手外食チェーンとのマッチングを実現しました。なぜそのようなマッチングが実現したのか、本記事で金子氏の登壇内容をまとめさせていただきました。

金子様

27歳で就業経験わずか1年3カ月。一部上場の外食企業に入社できた理由

【概要】

東海地区は、外食・サービス企業は東証一部上場でも採用に苦戦するエリア。その例に漏れず、クライアントも名古屋での新店オープンにあたり人員配属の目処が立たなかった。採用したのは地元の若者。彼は人柄こそよいが、1年3ヶ月しか就業経験がなく、働く理由は“お金”というタイプ。しかし面談を通し、お金以外の働く意義や内なる熱意・喜びに気づいてもらえた。「この企業で働きたい!」という意欲の高まりが企業に伝わり、迎え入れられた。

名古屋での出店に向けて即戦力を採用したいが苦戦していた

金子氏:今回の案件のお話ですが、求職者はフリーターの方で、就業経験が製造業で1年3ヶ月だけありました。一方でクライアント様は、東京本社の上場している外食産業の企業です。外食産業は採用においては人気がある業種というわけではなく、出店は多数するもののそこでの採用に苦戦している状況でした。

クライアント様から最初に話を伺ったときに3点お話がありました。

1つ目は地元名古屋の人を採用したいという話でした。名古屋は実は商売が全国で一番難しいと言われるエリアです。どれぐらい難しいかというと、ほかのエリアから来たときに「出身はどこ?」みたいな話で、名古屋以外だと「それだと話にならないな」という話もいまだにあったりするようなエリアです。ですので、飲食業でも一緒で、それだけでお客様と距離が近くなれる部分もあるため、地元の人を採用したいというのが、クライアント様のおっしゃっていたことでした。

2つ目は、採用基準が東京と同等という部分です。名古屋での採用において、母集団形成に苦戦することも予想されましたが、それでもやはり採用の基準は下げられなくて、東京と一緒の条件で採用をおこなっていくことになります。

3つ目は、飲食業の経験者を希望しているとのことでした。今回の企業様は名古屋に進出して2年目でしたが、まだ初出店に近いような状況で、就業環境が未整備な部分があり、教育まで手が回らないという実態がありました。ですので、まずは経験者を採用していきたいというオーダーでした。

しかしそうした結果的、採用ができていないという課題がありました。採用ができないため、人事異動をして他県の従業員を配置するか、新卒を名古屋に配属するという状況になっていました。

フリーターであった求職者。深掘りしていくことでポテンシャルのある人材だということがわかる

金子氏:求職者様に話を戻すと、27歳で大学を卒業したときにフリーターでした。その後に、このあと先ほど申し上げた製造職を1年3ヵ月、契約社員として働いていました。そのあと残念ながら長く続けることができなくて、フリーターに戻っていたという状況です。最初お会いする前は、「どのようにこの方のよいところを見つけ出せるかな」と考えていました。その中で、彼のよいところを見つけられれば逆にチャンスじゃないかと私は思いました。実際に話を伺うと、5つのよいところがありました。

1つ目:顧客対応力

彼は学生時代、飲食業でアルバイトをしていまして、そこでお客様の対応をしており、顧客対応の力がありました。

2つ目:人を楽しませることが好き

過去の話を聞いていくと、彼はバンド活動をやっていたのですが、自分が楽しみたいということではなくて、人を楽しませるということを大事にしている方でした。

3つ目:実はお金ではなく、仕事にやりがいを求めていた

これが一番大事なんですが、彼に最初お会いしたときに、「何のために働いていますか」という話をしたら、最初は「お金のためです」とシンプルに答えました。ただ、よくよく聞いていくと、製造の仕事で、モノを作るだけの仕事をしていたのでやりがいが感じられなかったとのことでした。つまり、彼は実は仕事に対してはやりがいを求めていたんです。

4つ目:主体的に動くことができる

仕事をする上でもただ単にモノを作っているというだけではありませんでした。自分で生産性を上げる工夫をしていました。具体的には先輩社員の動きを見て、自分でそれを真似て、実際にトライしてみて検証して、その上でモノをどうたくさんつくっていくかというところを自分で創意工夫をしながらPDCAを回していくということを主体的にやれている方でした。

5つ目:強い危機感を持っていた

これも大事なんですが、最後に社会経験を積めてない今に対して、彼は焦っていました。ここからなんとか挽回したいんだと強く思っていました。

最初お会いする前は、就業経験が少ないフリーターという部分であまりよい印象はなかったのですが、実は働くモチベーションはお金ではなくて、やりがいを求めていた方でした。自分で自主的に考えながら主体的に動ける素質があって、かつこの現状を打破したいと強く思っていて、それが反骨精神になって自分で動ける原動力のある可能性を秘めている、要はポテンシャルのある人材だということがわかりました。

企業の採用の現状を踏まえ、ポテンシャル採用を提案

金子氏:一方、クライアント様のヒアリングの続きです。東海地区の採用に苦戦されているということはお伺いしていた上で、名古屋での外食産業の採用の難しさをあらためて認識いただきました。それを踏まえて、オープン日も決まっていたため、採用しなければいけないというのが前提であったので、未経験者でもポテンシャルがあれば採用するということで合意をいただきました。

次にここが一番大事なのですが、「未経験者の人でもどういう人だったら採用しますか」というところを突き詰めて話をしました。その中で企業様が大事にしているところは2つでした。1つは理念への共感です。もう1つは就業意欲が高いかどうかです。就業意欲が高ければ伸びしろがあり、期待できるとのことでした。

そこで、「応募しましょうよ、とりあえず面接しましょうよ」という話をするのではなく、求職者と企業、双方の意欲が高い状態で面接の場を設けるということが採用への近道だと考えました。

求職者と企業のマッチングに向けて相互理解を深めるために妥協はしない

金子氏:具体的には、求職者様に対しては、まず理念の話をさせていただきました。理念を実際に実現してきたからこそ、この企業様が成長・拡大してきたとうことを、企業の沿革をみながら一緒に説明してきました。そういう話をしていくと彼も「確かにしっかりと実行していますね」ということを理解してもらい、この企業様のファンになっていただきました。

もう1つは就業意欲です。もともと危機感は強く持っていらっしゃった方なので、そこに対して「成長企業であるがゆえに上にいけるチャンスもあるし、さらに成長企業だから大変だとは思うが、その中で泥臭くいろんなことを経験することによって、今までのマイナス分をしっかりカバーすることができるんだ」と伝えました。彼もその話を聞いて「是非、チャレンジしたいです」と強く言ってくれました。

企業様に対しては、誠実に彼のよいところ、悪いところをお伝えしました。ただレジュメだけで判断されてしまうと、マイナスの印象を与えがちですが、そうではなくポテンシャルが非常に高いということをまず伝えさせていただきました。その上で「彼は理念の話をしたときに、『こういう会社で働きたい』って言ってくれたんです」ということを強く伝えました。あわせて「これまでのキャリアは素晴らしいものではないが、だからこそこれから頑張りたいんだと強く思っています。人柄もよく、その強い想いは御社でもきっと活かすことができます」というところを強く推薦させていただきました。

結果としては内定をいただいて入社というところに無事至ることができました。もともと企業様は、地元が名古屋の人を好んでいまして、スペックは妥協したくない、経験者を採用したいということをお話されていました。ただ実際にご推薦した方は岐阜の出身の方で、フリーター歴は長く業界未経験者という方でございました。今回の案件は、求職者様と企業様の現状と深く向き合い、その上でお互いの納得のいくマッチングを生み出せたと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。

理由があってフリーターとなっている方でも、働く意欲やポテンシャルが高い方は多くいるということを示してくれた事例ではないでしょうか。日本ではフリーターが増加傾向ですが、今後の労働力不足を補うためにフリーターの方々の採用も視野に入れていく必要があると思います。その上で、表面上だけで判断するのではなく、しっかりとその方の内面まで向き合うような、ポテンシャル採用の割合も高まってくるように感じます。

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