事業ごと転職先に紹介!?|人材紹介領域を超えたミッションの実現に向けて奮闘した3週間 |HR NOTE

事業ごと転職先に紹介!?|人材紹介領域を超えたミッションの実現に向けて奮闘した3週間 |HR NOTE

事業ごと転職先に紹介!?|人材紹介領域を超えたミッションの実現に向けて奮闘した3週間

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こんにちは!HR NOTE編集長 根本です。

先日リクルートキャリア主催の『GOOD AGENT AWARD 2016』に参加させていただきました。
「一人ひとりがイキイキと働く社会を実現するために、一社、一人に対して深く向き合ったサービスを提供している人材紹介のエージェントを称えたい」という想いのもと、年に1度開催される転職エージェント業界最大の式典です。

その中で、個人の転職支援のみならず「事業をまるごと移管」することに成功した、株式会社アールストーン 小須賀氏の事例が紹介されました。小須賀氏は3週間という短い期間で、転職先へ事業そのものをまるごと移管するという、今までにない難易度の高いマッチングを実現。その功績が称えられ、金賞を受賞されていました。

今回、どのように小須賀氏が「事業移管というエージェントの枠を超えたミッションを成功に導いたのか」その内容を記事にまとめました。

コスガ様_プロフィール

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近年、急速に進むDXに対応するため、各企業でIT人材不足を解決することが不可欠となっています。しかし、IT人材を採用することは年々難しくなっているため、自社社員にIT教育をおこなう「リスキリング」に注目が集まっています。

中には、

  • リスキリングの重要性は理解しているが、具体的な取り組み方が分からない
  • 実業務が忙しく、リスキリングは後回しになっている

というような方も多いのではないでしょうか?

本セッションでは、「リスキリング」の基本的な考え方から、各企業の先進的な事例まで、専門家・行政・企業のそれぞれの視点から具体的なノウハウをご紹介します。

セッション視聴後、すぐに実践できる内容となっているので是非お申し込みください!

事業をまるごと転職先へ移管、37歳取締役の決断

【概要】

事業継続が困難となった企業で取締役を務めていた37歳男性。個人で事業継続するために出資先探しの一方、転職も検討。そこで、彼の希望である「事業をまるごと移管できる先を」という、人材紹介領域を超えたミッションに挑んだ。成長意欲があり、自由度のあるベンチャー企業に交渉。「絶対に継続したいサービスを抱えた求職者」と「売上の柱となる新規事業を創出できる人材を求める企業」のマッチングを実現した

「これ、人材会社に相談する内容じゃないですよね?」Uさんとの出会い

小須賀氏:今回のマッチングの登場人物である、相談者Uさんの紹介をさせていただきます。37歳、社員数名のベンチャー企業の取締役の方でした。ゲームやwebサービスの新規事業の立ち上げ、運営、メディアの編集など、経営もおこないながらプレイングマネージャーとして活躍されていらっしゃいました。
Uさんが運営していたサービスは大きな知名度はないものの、コンテンツの質の高さで、たくさんのユーザー数を抱えるサービスでした。Uさんと初めてお会いしたときにはその人となりから、ほんとに見たままのクリエイターだなという感じの方でした。

そんなUさんの相談内容は大変深刻なものでした。会社の資金繰りがうまくいかず、今月いっぱいで会社をたたむことが決定してしまったということです。来月から職がなくなり、生活が不安定になるだけでなく、ご家族の中に病気の方がいらっしゃってその医療費も払えなくなってしまう。さらには家族だけではなく、一緒にやってきたスタッフも路頭に迷わせてしまうかもしれない、大事に育ててきたサービスも止まってしまう。

あまりに深刻な悩みでしたので、私も一緒にオロオロしてしまい、固まってしまいました。そんな固まっている私を見て、Uさんが一言。「相談場所、ここで合っていますか?これ、人材会社に相談する内容じゃないですよね」と、逆にUさんのほうから遠慮されるような形でおっしゃっていたことを鮮明に覚えています。

Uさんの譲れない3つの軸。事業移管を受け入れてくれる企業はどこか?

小須賀氏:Uさんは個人で事業を経営しようとがんばっており、出資先を探していました。その模索のひとつとして転職サイトに登録されていたようで、その経歴を見てたまたま私がスカウトメールを送ったことがきっかけでした。相談を聞きながら、何がどうすれば解決になるのか、Uさんも私も最初は分からずに、1つずつ整理していきました。その上で出てきたUさんの譲れない軸がこちらです。

  • 1つ目:運営してきたサービスの継続。
  • 2つ目:取締役のときと同等の年収を確保したい。
  • 3つ目:一緒に働いていたスタッフの雇用。

今回に関しては、「優先順位がつけられず、すべて叶えたい」というのがUさんの希望でした。さらにこれを3週間で決着させなくてはいけないというスピードも求められる案件でした。早速ここからUさんの希望に合う企業探しを始めました。当然のことながら社内に事例がないので、全メンバーのリソースとノウハウを借りながら、なんとかUさんの希望に合うところを探そうと決めました。

その上でわかりやすく、企業をプロットしました。

図1

縦軸が企業の経営スタイル。経営が着実性があるものなのか、結構思い切りよく投資をするほうなのか。横軸が事業戦略です。単一事業に優位性を持っている会社なのか、多角的にサービスを運営する企業なのか。今回のUさんの場合、多角的に事業を運営していって、投資に積極的な企業であれば、事業移管の話を聞いてくれるかもしれないと思いました。

期間は3週間。受け入れ先候補のA社にプレゼンを実施

小須賀氏:その中で浮かび上がってきたのが、A社です。A社はモバイルゲームというサービスを柱に事業を展開するベンチャー企業で、この数年でwebサービスを次々に生み出しており、1000%以上の成長を誇っています。その成長の背景には、話を聞いてから5分で数千万の投資を決定する、業績不振でも成長を確信して数億円の投資を行うなど、判断スピードが早くでチャレンジングな企業です。

A社では、まさに新規サービスをグロースできるクリエイティブ人材の採用が急務でした。ここであればUさんの話を聞いてもらえると思い、A社に対し、通常の推薦ではなく、事業移管であることを前提に企業計画のプレゼンを聞いていただきたいとアプローチをしました。すると、A社から一度話を聞いてみたいと話をいただいてすぐに面談を設定しました。

期間はわずか3週間。まずは事業軸のアプローチをしました。事業部長、役員、代表と、ステークホルダーになる方々に対して企業計画書を提出し、プレゼンを実施。反応は上々で、ありがたいことに、Uさんの運営していたサービスをご存知の方もいらっしゃって、話はうまく進んでいきました。その後、Uさん自身の年収の交渉、スタッフの面接対策を経て、内定を獲得していく、このようなことをおこなっていきました。

その結果、3回のプレゼンを経て、ついに事業移管を前提とした内定をいただけることになりました。もちろんサービスの継続は前提に、取締役の時と同等の年収を確保、一緒に働いていたスタッフの雇用も決まりました。内定を伝えた瞬間、Uさんは「来月から全部がなくなってしまうかもしれないと本当に不安だった」と、非常に安心しておりまして、私も心底安心したのを覚えております。

ところが、入社承諾を前に、Uさんから1通のメールが届きました。そこにはUさんの迷いや複雑な思いが長文であふれるように書かれていました。

「個人の自由を貫きたいと思うのであれば内定を辞退してください」腹を割ってUさんと向き合い、決断をサポート

小須賀氏:経営者として個人で自由に好きなサービスを作っている人生が本当に楽しかったこと、また少しのつまずきで会社や組織に依存しなくてはいけなくなってしまう悔しさ、内定が出たことは嬉しいけど急に目の前から会社がなくなってしまうことが決定してしまい、悲しみから立ち直れず、まだ心の整理ができていないとのことでした。恐らく次を探さなきゃという気持ちで、こういった思いを閉じ込めながらやってきたのだなというのを感じました。そして、さらにUさんから本音が出ました。「会社員になることへの抵抗があります。もし、今この瞬間ほかから出資の話が来たら、やはり個人でやる道を選んでしまうかもしれない」とおっしゃっていました。

それを聞いて、私は「正気ですか?スタッフや家族はどうするんですか?」と思いましたが、ただそれと同時に、Uさんが会社員になるのを迷われているところと、A社だったらやっていけるかもしれないという間で揺れ動いているのがすごく伝わってきました。私はUさんの迷いは理解しつつも、当初の転職軸として定めていた、スタッフや家族やサービスを守りたいという覚悟が、内定が出た瞬間に揺らいでいるというところを感じました。

そしてこのスピード決定ですべての希望条件を叶えてくれたA社に対しても中途半端な気持ちで入社いただくわけにはいかないと思い、最後にこのマッチングがなくなる覚悟でUさんにお伝えしました。

もしも今、ほかから出資の話が来て、そちらを選んでしまうくらいの迷いがあるなら、この内定を辞退してください。
「サービスやスタッフを守りたいと決めたら、個人でもサラリーマンでも関係ないと思います。それでも個人の自由を貫きたいと思うのであれば入社すべきではないと思います。」

まさに今回のUさんの件のように、会社やサービスがどうなるかというのは誰にも分かりません。入社後にサービスの継続が万が一困難になったときに、それでも一緒に戦える仲間としてA社を考えられないのであれば、この内定を承諾すべきではないと思いました。来週からすべてがなくなってしまうかもしれないという状況の中で、Uさんが覚悟を決められない間に、すべてがなくなってしまい後悔するということだけはエージェントとして絶対に避けたいと思ったのですが、覚悟を決めていただくためにも腹を割って話さなくてはいけないと思い、Uさんのことを考えれば考えるほど、真正面からぶつかろうと思い、このように伝えました。

それを聞いてUさんは、「腹をくくりました」と、内定承諾書にサインをしました。今思い返せばこの怒濤の3週間、Uさんの葛藤は私の想像を超えるものだったと思います。長年育ててきた会社、サービスがいきなり目の前からなくなってしまい、それでも家族やスタッフを守らなくてはいけない、でも自分の自由を捨てられない。そんな揺れ動く気持ちの中、覚悟を決めてくれたUさんの今後を心から応援したいと思います。

転職エージェントの仕事を通じて、その人が自分の人生を一歩前に踏み出すために私たちができることという視点で考えれば、決まったフローや固定概念にとらわれず、あらゆる形でサポートができるのだと思いました。転職という行為は、人が前を向いて生きるための選択肢の1つでありますし、転職活動のあり方も今後変わっていくと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。

事業ごと転職先を探すという前例のない支援に挑戦し、マッチングを実現した小須賀氏。あらゆる採用手法が注目されてきている昨今、人材紹介のあり方も今後は変わってくるかもしれません。人事の方もエージェントとともに、その変化に応じて柔軟に対応していくことが求められてくるのではないでしょうか。

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