「秘訣はスクラム採用」Azit、YOUTRUSTの2社に聞く、リファラル・副業採用をうまくやるコツ |HR NOTE

「秘訣はスクラム採用」Azit、YOUTRUSTの2社に聞く、リファラル・副業採用をうまくやるコツ |HR NOTE

「秘訣はスクラム採用」Azit、YOUTRUSTの2社に聞く、リファラル・副業採用をうまくやるコツ

  • 採用
  • 中途採用手法

※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

今回は、モビリティプラットフォーム『CREW(クルー)』を運営する株式会社Azitと、副業・転職のリファラル採用プラットフォーム『YOUTRUST』を提供する株式会社YOUTRUSTの2社に、「リファラル・副業採用をうまくやるための秘訣」についてインタビュー。

リファラル採用の浸透に苦労している会社が多い中、Azitでは7割の社員がリファラル経由での採用となっており、さらに「友人の友人にまでアプローチできる」YOUTRUSTを活用してリファラルを加速させているとのこと。

本記事では、長年人事領域に携わっているAzitの中畑さん、YOUTRUSTの岩崎さんの2名に、リファラル・副業採用のノウハウや、YOUTRUSTが注目されている理由についてお伺いしました

【人物紹介】中畑 亜美 | 株式会社Azit ピーポー・オペレーションズグループ

新卒でインターネット広告代理店「アドウェイズ」に入社。1年目より人事配属となり、人事部立ち上げから5年半新卒採用に従事。その後インターネット企業「Speee」、フリマアプリラクマ(旧フリル)を運営していた「Fablic」を経て、2018年7月より「Azit」に入社、採用から労務まで人事として担当。

【人物紹介】岩崎 由夏 | 株式会社YOUTRUST 代表取締役

大阪大学理学部卒業後、2012年に株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社。1年目より新卒、中途の採用を担当。2016年子会社ペロリに出向し採用、経営企画を担当。2017年12月副業・転職のリファラル採用プラットフォーム「YOUTRUST」を運営する株式会社YOUTRUSTを設立。

1年で20名以上を採用。人事2名で採用をまわすAzitの組織

-まずはAzitさんについて簡単にご紹介をお願いします。

Azitは、モビリティプラットフォーム『CREW(クルー)』を運営している会社です。クルマに乗って移動したい人とマイカーに人を乗せたいドライバーをつなげるアプリを提供しています。


-現在は何名の従業員がいらっしゃるのでしょうか?

全従業員だと80名ぐらいですね。正社員30名、アルバイトの方々が50名程度です。

もともとは3名で立ち上げた会社だったのですが、2018年から一気に増えました。2017年も5名程度の組織で、私が2018年の7月入社だったのですが、8番目の社員です。

 

-正社員だけでも1年間で20名以上採用されたのですね。どのように採用したのですか?

一番はリファラル採用です。正社員のうち7割くらいがリファラル経由ですね。

もちろん、人材紹介、Wantedlyをはじめとしたスカウト媒体、今回のYOUTRUSTのような新しい媒体にチャレンジするなど、採用チャネルは幅広く展開しています。


-7割がリファラルとはすごいですね!ちなみに採用に携わっている人事の方は何名いらっしゃるのですか?

採用に携わっている人事は私を含め2名いて、Tech側、Biz側と職種で分かれています。

私はTech側の採用担当で、エンジニア・デザイナー・プロダクトマネージャーを中心に採用しています。

ちなみに私たちは採用だけでなくエンプロイー・エクスペリエンス(Employee Experience)も兼務しています。私がTech採用と人事企画、もう一人の人事がBiz採用とカルチャー浸透の設計〜実行などですね。

2人でさまざまな課題を抱えながらも解決に向けて動いている状況です。

中畑さんとやりとりをしている中でいつも思うのですが、積極的に採用活動をされているうえに、人事企画までやるってかなりハードですよね。

Azitのリファラルがうまくいく秘訣は「スクラム採用」にあり

-Azitさんのリファラル採用は何でそんなにうまくいっているのですか?

全社員に「採用は大事だ」「仲間は自分たちで連れてくる」ということをメッセージとして強く出していて、役員がまずそれにコミットをしていることがあげられます。

そこから現場の社員にも協力を要請していくのですが「気持ちはあるけどやり方がわからない」という声があるので、「この時間でやり切ろう」と、一緒に時間をつくってやっていきます。

そこで「この人どう?」と情報交換しながら、自分が思い描いている人材にアプローチしてもらっています。

やはり、人事が打ったスカウト文章よりも現場の社員が打ったスカウト文章のほうが返信率が高いんですよね。自分の事業部が抱えてる良いところ、悪いところをきちんと伝えられるので。

Azitの採用において、人事はあくまでもアシスタントの役割で、主役は現場です。

スカウトを打った本人に最初の面談に入ってもらいますし、ミートアップなどのイベントをやる際も現場主導でおこなってもらいます。

基本的に「人事だけで採用をやる」というより「全社でやる」ということを意識しています。


-なるほど。全社で採用に取り組むことでリファラルが活性化しているのですね。

現場主体で、現場の人脈を活用して良い人を連れてくることを、私たちは「スクラム採用」って呼んでいて、Azitさんはそれを実現している企業なんですよね。


-「スクラム」とは、ラグビーなどで良く聞くあのスクラムですか。

そうです。みんなで組んでやっていくので、「スクラム採用」です。

全社をあげて採用していくことはかなり重要なことで、人事だけで採用をしても、自社の求める人材が採用できない時代に突入していると思います。

スクラム採用、本当に重要ですよね。

そういった意味では、Azitでは求人票も事業部のメンバーでつくるようにしています。マーケはマーケの求人票を自分たちでつくる。エンジニアもどんな人が欲しいのかを考えて自分たちで求人票をつくります。

人事の役割は壁打ち相手です。「こういう表現にしましょう」などと、サポートしながら求人をつくっています。

あくまでも現場が主導で、採用のプロである人事が責任を持ってサポートしてつくりあげるみたいなイメージですよね。

そんな感じです。さらに、組織図も事業部主体でつくってもらうんですよ。

最終的に全体設計は代表がやりますが、たとえば「プロダクトチームの組織図は、半年後にどうなっているのが理想なのか?」ということを投げて、事業部ごとに考えてもらうんです。

その理想のために「じゃあこのポジションが必要だね」「この職種足りないよね」と、そのために必要な人員を出してもらい、「その人を採用するためにどういう訴求をすれば良い?」と、実際に求人票作成までやってもらっています。

どのポジションが必要なのか、どんな人材を求めているのか、どのように声をかければいいのか。そういったことをまずは自分たちでイメージしてもらう。

それがあってはじめて採用手法の話になってきます。

「友人の友人」まで気軽に口説ける、YOUTRUSTとは?

「友人の友人」までの副業・転職意欲が見れるYOUTRUST

 

-Azitの採用ではYOUTRUSTも活用しているとのことですが、そもそも導入のきっかけは何だったのですか?

Azitはベンチャー企業なので、採用競合が多い媒体だと競り負けてしまうケースが多々あるんです。そもそも情報が埋もれて認知されないことも多いです。

また、YOUTRUSTのような新しい媒体に登録している好奇心が強い求職者とAzitは相性が良い傾向があるんです。

なので、「採用競合が少ない」「アンテナ高い求職者がいる」という点から、新しい媒体があったらちょこちょこ活用するようにしているんです。

その中でYOUTRUSTさんは機能がシンプルですごくわかりやすく、使いやすかったんです。

YOUTRUSTは「友人の友人」までという信頼できるコミュニティの中で、副業・転職をしたい人と企業がつながるリファラル採用プラットフォームです。

中畑さんがおっしゃるように、YOUTRUSTの機能はシンプルです。

どのようなサービスかというと、YOUTRUSTの登録ユーザーでかつFacebook上で自分とつながっている「友人」か「友人の友人」がいた際に、その人の転職意欲や副業意欲が閲覧でき、スカウトメッセージを送ることができます。

 

ユーザーは自分の転職、副業意向を4段階から選択して表示しています。

採用側はこのステータスを見ながらアプローチしていくわけです。

「A社のエンジニアの○○さん、副業で手伝ってくれそう」とか、「B社のマーケ担当の●●さん転職検討中だ」など、友人もしくは友人の友人の転職・副業意欲がわかるのでアプローチしやすくなります。

さらに、彼らの意欲が変わった時にはリアルタイムでメールで通知がくるようになっています。ですので、タイミングを逃さず声をかけることができるのです。


-さまざまなタグも選択できるのですね。これは自分のスキルをアピールしている感じでしょうか?

そうです。何ができるかをタグで記載できるようになっています。このタグは自分で好きなものを好きなだけつくることができます。

 

ときどき、おもしろいことをタグをつけている人いますよね。

いますね。「餃子つくれます」とか。

肉が食べたいです」とか。本当にインスタのハッシュタグみたいになってますよね。


-気軽な交流もできそうですね(笑)。

このようにプロフィールを見て気になる人がいたら「お気に入り」に登録して、リスト化しておきます。そして、その人の意欲が変わった瞬間に通知がくるので、そしたら本格的にアプローチしていくと。

YOUTRUSTは、自分の友人にアプローチしていくので、自分のアカウントで本人がやる必要があります。他人に「これまかせた」って丸投げして代行できない設計になっています。

どちらかというと企業力よりも個々の採用力が重要視されるので、「私たちでも会えるかもしれない、勝てるかもしれない」と感じて、使いはじめました。

「1人会って1人採用できる世界」をYOUTRUSTで実現したい

-岩崎さんは、どういった背景から「YOUTRUSTをつくろう」と思ったのですか?

私は、前職のDeNAでずっと人事をやっていたのですが、そこで数えきれないくらいのスカウトメールを打ってたんです。ただ、返信率が高くなかったりして、どれだけ送っても返信がくるのは少しなんですよね。

100人にスカウトメールを送って、採用につながるのは1人なんてこともあります。

スカウトを打つ側、多くの企業から興味のないスカウトをもらう側、お互いがしんどいなとずっと思ってたんです。

そこから「1人会って1人採用できる世界」を実現したくて、YOUTRUSTをつくろうと思いました。


-「友人の友人」までの転職・副業意欲が見えてアプローチできるというのはリファラル採用に近いですよね。

そうですね。私は「お互いに失敗が少ない」といった点から、リファラル採用が大好きなんです。

求職者の方が、誰も知り合いがいない会社に行くことは勇気がいることですよね。一方で、社内で誰もつながりがない方を正社員で採用することも勇気が必要だと思っています。

それで、日本の法律上「うちの会社に合わなかったので辞めてください」とできないじゃないですか。そうしたときに、共通の知人がいてリファレンスが取れることはすごく良いですよね。

それでリファラル採用をもっと加速したいと思ったんです。ただ一方で、リファラル採用をしたいと思っても、誰が転職活動をしているかなんて、ぱっと見てわからないじゃないですか。

であれば、自分の転職意欲や副業意欲があるのかないのかを見せることができたらおもしろい、むしろ私だったら見せたいなと思って、今のYOUTRUSTが出来上がったんです。

 

-YOUTRUSTがあれば気軽にリファラル採用ができそうだなって思いました。

また、YOUTRUSTは転職だけでなく、副業の採用にも積極的に活用いただいています。

優秀な人ほど、小遣い稼ぎではなく中長期のキャリア形成を目的とした副業を望まれているケースが多いのではないでしょうか。

エンジニアさんが特に当てはまると思いますが、転職市場を見ると、優秀な人ほどあまり転職市場に出てこないじゃないですか。

一方副業だと受け入れている会社が少ないので、優秀な人を採用しやすい。

そうした中で、副業をフックに仕事を手伝ってもらって意気投合し、その延長としてフルタイムの採用につながればお互いがすごくハッピーだと思っています。


-たしかに、副業採用いいですよね。馴染みやすいし。

そうですよね。いわゆる転職でのミスマッチがすごく減ると思います。

どの企業でも採用ってすごく重要なものだと思いますが、特にスタートアップほど採用が失敗できないじゃないですか。

10人、20人、30人のフェーズで合わない人を一人でも採用すると、空気がガラッと変わってしまい、組織崩壊につながりかねません。

そういった意味ではスタートアップのほうが採用に慎重だと思うのですが、そうしたときにYOUTRUSTを活用してほしいですね。

ちなみに当社のもう一人の採用担当は、最初の半年間は副業としてジョインしてもらって、そこから転職してきていますよ。

「副業していたらおもしろくなって転職しちゃった」。そういうキャリアパスがどんどん増えていけば良いですよね。

Azit流、YOUTRUST活用方法

-AzitさんではYOUTRUSTをどのように活用しているのですか?

まず、役員2名、人事2名、マネージャー3名の計7名に「リクルーターアカウント」を発行してもらっています。

リクルーターアカウントとは、「友人の友人」まで閲覧できるアカウントです。通常アカウントでは自分の友人までしか見れません。

たとえば、SNS上で友人の友人に対してメッセージを送ったとしても反応ってほぼないですよね。

そこがYOUTRUSTだと、転職・副業意欲が見えるし、そもそもみなさん声をかけられることを前提に登録しているので、気軽にメッセージを送ることができます。

まずは、「転職を検討している」「すぐに手伝える」というステータスの人をばーっと探して、おもしろそうな方がいれば、結構グイグイと「会いたいです」ってメッセージを送ります。

その次に、おもしろそうな方でも「相談から」というステータスであれば、「半年後とかにつながればいいな」という温度感で、「まずは情報交換とかいかがですか?」みたいなコミュニケーションをとりにいきます。

「うちの会社は今こういうことに困っています」「お互いの悩みを話し合いませんか」という感じでお誘いして、まず会う接点をつくっていきます。

そこからは、「今度イベントやるのできてください」という感じで定期的につながっておく。それで半年後くらいに動きがあればすぐにメッセージを送る、というイメージですね。

まずはAzitを知ってもらうということを大切にしています。


-なるほど、登録者のステータスによってアプローチ方法を変えていくと。

そうですね。これが一般的な媒体だと転職意欲がわからないままスカウトを打つので、温度感がずれてしまうことが結構あります。

その点YOUTRUSTは、どの温度感で送れば良いのかが見えるのでメッセージをつくりやすくて、返信率が高いんです。

今中畑さんはYOUTRUST上でスカウトの返信率が約6割ですね。


-返信率6割ってものすごく高くないですか?

そうですね、正直他の媒体はもっと低いです。

返信率6割は、YOUTRUSTの平均値よりも高いですね。

あと、YOUTRUSTだと会える確率も高いんです。「あなたのことは知らないけど、この人の友だちなんですね」みたいな感じになるので、会ってくれやすいんです。

知らない会社でも、共通の友人がいるだけで興味を持っていただけるのは良いですね。


-たしかに、心理的なハードルが下がりますね。

あとは、「友人の友人まで見れる」というのが絶妙だと思います。可能性が広がるんです。

これって、社員全員のSNSを開いて、その人の友だちを探してアプローチする手間が省けるんです。

さらに、SNSだとプライベートな内容の投稿が多いので、「この人は何をしている人なんだろう?」と深く調べないとわからないのですが、YOUTRUSTは欲しい情報がタグによってわかるので探しやすいですね。

目指すは日本を代表するビジネスSNSへ

-最後になりますが、中畑さんがYOUTRUSTに今後期待するものはありますか?

YOUTRUSTさん、将来的に「日本のLinkedIn」になってほしいんですよね。

最近だと「twitter転職」なんてワードも出てきていますが、日本はビジネスに特化したSNSがまだまだ少ないと思うんですよね。

YOUTRUSTは、もともと転職・副業に興味ある人たちが集まるプラットフォームで、ビジネス上のコミュニケーションも気軽にとれるし、最近だとフィードの機能もついたじゃないですか。

そこで登録者の方々が自社の求人をアップしていたり、「自分これできますよ」と自らPRしている人がいたり、さまざまな情報がフィードが流れるようになっていて、すごくおもしろいんですよね。

たしかに基本は求人情報が多く流れていますが、たまに「引っ越しをしたいけど引っ越し資金がなくて3ヶ月手伝わせてください」とか「何か副業やってみたいのでこういう案件募集してます」とかありますね。

ガチガチの転職媒体でなく、SNS要素があってそこで人柄も見えながらマッチングにつなげていく。私はそのような媒体をあまり見たことがなくて。

ありがとうございます。私たちとしては、Azitさんのような活用いただいている企業様にさらに貢献していきたいので、そのためにまずは使ってくださる方を増やすというのは大切ですね。

今は全くといって良いほどマーケティングをしていません。それでも嬉しいことにSNSからの口コミでどんどん増え続けていますが、今後はさらに認知を拡大できれば嬉しいです。

登録ユーザーという話でいえば、Azitでは役員陣も採用にコミットしてくれていますが、彼らの「友人」や「友人の友人」って、私たちには絶対にないデータベースなんですよね。

そこに対して、本人が自分で声をかけることが重要ですけど、それを気軽にできるのがYOUTRUSTですよね。

 

-岩崎さんはYOUTRUSTでの今後の展望などありますか?

仕事がプロジェクト化して、会社がコミュニティ化していくと言われている中で、一緒に働く相手を自分で好きに選べる時代になってきたと思っています。

会社が選んだ人と「明日からよろしくね」ではなくて、「自分がこの人と働きたいと思ったから声をかけて来てもらいました」みたいな。

自分の好きな人たちと好きなことができる世界観が好きで、その世界の実現のために貢献できるプラットフォームにしていきたいですね。

YOUTRUSTを見て「今あの人動けるんだ」とか、誰が手伝ってくれそうなのかが把握でき、そこから仕事につながる世界が当たり前になれば、機会損失もなくなるし、効率よく仕事をプロジェクト化して働くことができるのではないかと思っています。

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