USEN-NEXT GROUPの「超!全力採用」|動画を活用した採用戦略とは? |HR NOTE

USEN-NEXT GROUPの「超!全力採用」|動画を活用した採用戦略とは? |HR NOTE

USEN-NEXT GROUPの「超!全力採用」|動画を活用した採用戦略とは?

  • 採用
  • 新卒採用手法

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

株式会社ZENKIGEN主催の「テクノロジーを駆使した採用」をテーマに次世代のHRについて話し合うイベント「NEXT HRカンファレンス」。

ソフトバンク株式会社・株式会社USEN-NEXT HOLDINGS・株式会社サイバーエージェントの3社の人事が登壇し、自社の採用の取り組みについてご紹介。その中で今回は、USEN-NEXT HOLDINGSの住谷猛氏の登壇した内容を記事にまとめました。

USEN-NEXT HOLDINGSでは、「超!全力採用」という採用を実施しています。超全力採用は6つの採用手法に分かれていて、3つのコンセプトで形成されています。

【人物紹介】住谷 猛|株式会社 USEN-NEXT HOLDINGS 執行役員 コーポレート統括部長 兼 広報部長

1987年早稲田大学法学部卒業。新卒で入社した証券会社で、 1年目から人事部に配属されたことをきっかけに、人事部門でキャリアを築く。1999年、人事部長として大阪有線放送社(現:USEN-NEXT HOLDINGS)に入社。人事・総務部門担当役員、法人営業部門担当役員等を経て、2017年12月、USEN-NEXT HOLDINGS発足時より現職。人事、広報、 総務など間接部門を管掌。働き方改革の一環として新人事プロジェクト『Work Style Innovation(WSI)』を始動し、 既成概念にとらわれず、社員が生き生きと働ける施策を展開する。また、USEN-NEXT GROUP1期生の新卒採用においては、「超・全力採用!」を掲げ、 従来の新卒採用のあたりまえにとらわれない革新的な採用活動を実 施している。

1. USEN-NEXT GROUPの新卒採用について

住谷:USEN-NEXT GROUPは、昨年、ホールディングスと16の事業会社が統合しました。統合してから初の新卒1期生を募集するにあたり、「超!全力採用」と銘打って採用活動を始めました。

「超!全力採用」とは、字のごとく、私たちUSEN-NEXT GROUPが学生に超全力で向かい合っていくものです。そして学生も「超全力で私たちの取り組みに向かい合ってください」という想いを込めた取り組みです。

そして、この「超!全力採用」を始めるときに、「何を訴求すれば学生にUSEN-NEXT GROUPを選んでもらえるか」を、かなり長い時間議論をしました。

議論の結果、新卒採用に関して「革新的かつ先進的な取り組みをおこない、我々のイノベイティブな部分や挑戦心あふれる部分を感じてもらおう」となりました。

それでは、ここから「超!全力採用」の6つの取り組みをご紹介します。

「超!全力採用」

  • マルティプル・エントリー
  • トライアウトリベンジ
  • “全力”スカウトキャラバン
  • リファラルスキップ
  • SMART PR
  • LIVEビデオインタビュー

01|マルティプル・エントリー

住谷:USEN-NEXT GROUPにはホールディングスと16の事業会社があります。これらの会社の中から学生は志望する企業と職種を自由に選択し、エントリーすることが可能です。

USEN-NEXT GROUPもグループ全体の仕事内容が多角化してきたので、「入社後にはこの仕事をしていただきます」ということを、一概に言えなくなってきています。

であれば、学生の「こんなことがやりたい!」「あんなことがやりたい!」ということを尊重しようとなり、コースを好きに選べる受験方法になっています。

02|トライアウトリベンジ

住谷:USEN-NEXT GROUPでは、5段階の選考フローで新卒採用を実施しています。最初にエントリーシートもいただきますが、そこでは選考をしていません。

つまり、「面接を希望してくれれば、すべての学生とお会いする」のが私どものポリシーです。

その中で、残念ながら不合格となってしまった方は、「トライアウトリベンジ」ができます。トライアウトリベンジとは、一度落ちてしまったけど、コースを変えて再受験ができる仕組みです。これは「何回でも受けてください」というメッセージです。

実際にこの夏、入社予定者が200名いますが、200名のうちの約2割の40名弱がこのトライアウトリベンジで合格し、内定を承諾してくれています。

つまり、面接官の目は確かじゃないということです。面接官には人事部はもちろんのこと、現場の方々にも協力していただいております。

そのため、どれだけ学生さんのいいところを引き出せるかという面接官の技量には、どうしても差があります。ある人は不合格でも、違う人が面接をすれば合格というケースもあります。

それは、私たちからすると機会損失になります。それが、トライアウトリベンジを使って再度面接に来てくれるようになると、そこから我々は学生に対して再度アプローチできるため、より正しく見極めることができます。これは非常にやってよかったなと思っています。

03|“全力”スカウトキャラバン

住谷:就職活動中の学生は、いろいろなハンデを負っていると感じています。特に地方の学生は“距離”と“時間”のハンデを負っています。

たとえば、地方学生たちは何回も東京に来ることが難しいので、東京に2週間ホテルを借りている学生もいます。2週間の滞在費と往復の交通費でかなりのお金がかかってしまいます。

そのようなハンデを解消したいと思い、始めたのが「“全力”スカウトキャラバン」です。地方の大学にご協力をいただきまして、10名くらいの単位で学生を集めています。そこに私どもUSEN-NEXT GROUPの人事部のメンバーが、私を含め3人くらいで乗り込みます。

まず、1時間会社説明会をやらせていただき、そのあと私が面接をさせていただいて一発選考をやります。お互いにとって最良のマッチングとなれば、その場で握手して終了です。

これで地方の学生は選考で東京に行かなくても、最終選考まで受けられます。我々も非常に優秀な地方の学生さんと出会える機会がつくれたと考えております。

この“全力”スカウトキャラバンで約10名内定承諾者が出ております。

04|リファラルスキップ

住谷:最近、中途採用でリファラル採用というのが非常によく取り上げられていますが、リファラルスキップとは、「友達2人と一緒に会社説明会に参加してくれたら、1次選考はスキップできます」という制度です。実はこれ、私の思いつきなんです(笑)。

リファラルスキップの効果ですが、たとえばある会社説明会では、100人程度の学生が参加を申し込んでくれていました。

その中の15%の15人が、リファラルスキップの影響で友達を2人連れてきてくれたので、30人増えました。結果、もともとの100人が130人になって、3割動員が増えたということで効果が出ました。

2. USEN-NEXT GROUPの動画を活用した採用手法

05|SMART PR

住谷:私たちは「SMART PR」という動画を活用した採用も実施しています。

これはエントリーシートに加えて、「90秒の動画で自己PRを投稿してください」という趣旨のものです。90秒の動画であれば、学生も簡単に撮影できるので、負担も軽いと思います。動画のテーマは「あなたの全力を表現してください」というものです。

学生が送ってくれる動画には、「インパクト勝負の動画」もあれば、「歌ものの動画」も多いですね。滝に打たれながら自己PRしている学生もいました。

我々にとってはエントリーシートだけでなく、動画を送ってくれると、学生がどんなキャラクターなのか、そのプロフィールも入手できます。

動画投稿は、まだ他社でやっているところが少ないので、学生は違和感を感じてしまうかもしれません。

しかし、こういう新しい取り組みに積極的にチャレンジしてくれる学生が応募してくれるということは

、私たちにとって大事なことだと思っています。

06|LIVEビデオインタビュー

住谷:「LIVEビデオインタビュー」とは、ビデオチャットで面接をおこなうことです。

最終選考まで5段階の選考がありますが、全てビデオチャットで受けられるというルールにしてあります。

実際に5つの選考を全部LIVEビデオインタビューで受けた学生はまだおりませんが、2回3回と複数回受けていただいて、合格した学生は多数いらっしゃいます。

これも、機会創出につながります。たとえば、「大阪の面接はこの日程でないとできない」というようなハンデは、LIVEビデオインタビューで解消できます。

機会創出ができるということが非常に大きなメリットです。学生にとってはその選考が自宅にいて受けられる。我々にとっては地方に出向かなくても面接がおこなえます。

また、LIVEビデオインタビューには副次的な効果があって、面接官のトレーニングにもつながっていると思っています。

面接は、面接官と学生が個室に入ってしまうので、そこはある意味ブラックボックスなんですね。一応マニュアルをつくって、「こういう質問を聞いてください」「こういう質問は聞いてはだめですよ」とトレーニングはしていますが、実際にどのような面接がおこなわれているかは見えないんですね。

私はずっと前から「面接を動画で記録したい」と思っていたんです。けれども、当然学生の合意が必要になりますし、カメラで撮られていると緊張しちゃうので、それができなかったんです。

LIVEビデオインタビューにおいては、学生は希望してビデオチャットで面接を受けるので、当然記録が残ることはご理解いただいています。

我々はそこに残された記録を活用して、面接官をトレーニングすることができます。

たとえば、「この質問はどういう意図で質問したの?」「この学生さんの回答に対して、あなたはどういう風に感じて、何を評価したの?」というトレーニングができるんですね。

今シーズンが終わったら、動画を活用して面接官のトレーニングをやっていこうと考えております。

※「面接録画」が気になった方はこちら! 【関連記事】Web面接録画の活用方法とは|面接の振り返りだけではなく、面接官育成にも

3. 「超!全力採用」の意図

住谷:「超!全力採用」は何を意図して、何を考えてやったかと申しますと、3つのコンセプトがあります。

1つ目は「Fair」。当然面接なので、我々は合否をつけますが、学生にも私たちを選んでもらわなきゃいけません。「この会社に入りたい」と決めてもらわなきゃいけない。そういう意味でフェアであるべきだと考えています。会社と学生がフェアであることを前提に、制度・仕組みルールをつくっています。

2つ目は「Convenient」。便利であるということです。先程の“全力”スカウトキャラバンもそうですし、LIVEビデオインタビューもそうです。学生さんにとって就職活動がもっとテクノロジーを使って便利になることが大切だと考えています。

3つ目は「Innovative」。「採用に関して革新的な取り組みをやっている会社です」と、学生にアピールをしています。最初にお話した通り、新卒採用に関して革新的かつ先進的な取り組みをおこなうことで、我々のイノベイティブな部分や挑戦心あふれる部分を感じていただくことが重要だと考えています。

以上の3つのコンセプトで組み立てたのが「超!全力採用」で、USEN-NEXT GROUPの1期生を迎える選考としては、非常に有用だったと考えております。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

USEN-NEXT GROUPの「超!全力採用」は、学生に寄り添った採用手法であると同時に、新しいテクノロジーを積極的に活用している印象でした。

地方のハンデを解決するために動画面接を導入したり、SMART PRのように文字情報以外の情報も考慮したりする取り組みはまだまだ一般的な採用手法ではありません。そのような新しい取り組みに学生が積極的ということも、企業にとっては重要かもしれません。

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