【就労ビザについて行政書士が解説!】外国人のビザの種類などを場面別に聞いてみた

監修 行政書士 細田 加苗

外国人労働者を採用する際に必要な就労ビザについて、現役行政書士の方にお伺いした質問集第3弾をご紹介します!

現役行政書士の方にご協力いただきながら新たに8つの質問への回答をまとめました。

これから外国人採用をされる企業の人事担当者の方や、ビザを申請してみたけれどもあまりうまくいかない、という方にぜひご覧いただきたい内容です!

※外国人が日本で働くための査証のことを「在留資格」と呼びますが、在留資格「技術・人文・国際業務」は一般的に「就労ビザ」とも呼ばれているため、こちらの記事では、「技術・人文・国際業務」に関するビザのことを「就労ビザ」と定義しています

・今回ご回答いただいた行政書士・

【監修】細田 加苗 東京都行政書士会新宿支部所属 行政書士法人jinjer社員

埼玉県出身。2018年慶應義塾大学法学部政治学科卒。
2019年行政書士試験合格。外国人の方のビザ取得支援業務について、日々勉強中。
夢は多文化共生社会の実現。

【就労ビザ|期間】に関する質問

【期間|Q1】就労ビザを申請してからどれくらいで結果が出ますか?

在留資格を申請してから結果が出るまでの平均日数は、法務省のHPに記載されています。

四半期ごとに更新がかけられているため、必要なときに以下からチェックしてみてください。
▶在留資格の処理を確認する

 

審査にかかる時間は、在留資格ごとに異なります。以下では、申請する際の目安として平均的な処理期間をご紹介します。

  • 在留資格認定証明書交付申請:1カ月~3か月
  • 在留資格変更申請書:2週間~1か月
  • 在留資格更新申請:2週間~1か月

 

特に在留資格「技術・人文知識・国際業務」(就労ビザ)の場合、平均的な処理期間は以下の通りです(平成31年4月~令和元年6月許可分)。

  • 在留資格認定証明書交付申請:42.9日
  • 在留資格変更申請書:38.1日
  • 在留資格更新申請:32.9日

 

なお、審査期間は、企業規模(カテゴリー)によっても大きく左右されます。
▶参考「ビザの審査期間に大きく影響?企業の「カテゴリー」とは」

【期間|Q2】同企業・同業務内容・同国籍で申請しても、人によって審査期間がバラバラなのはなぜでしょうか?

考えられる要因はいくつかありますが、下記の2つの要素が影響する場合が多いです。

 

①申請時期
毎年12月~3月は、留学生や国外の大学の卒業予定者(4月の新卒入社)の申請が増加します。

その結果出入国在留管理庁(以下:入管)が混雑するため、この時期(12月~3月)の申請は、ほかの時期に比べると少し審査に時間がかかる傾向があります。

 

②申請人のスペック
「上陸許可基準省令」で、申請人(外国人)の学歴や語学力など、就労ビザを取得するために必要とされている条件が定められています。

基準を明らかに満たしている場合と、そうでない場合とでは、審査にかかる時間が異なります。

上陸許可基準省令とは?
就労ビザの取得後に、外国人労働者の方が日本へ渡航した際、空港で「上陸許可」を受ける必要があります。
入国審査官が審査をおこないますが、その時の審査基準が定められたものを、「上陸許可基準省令」といいます。
この基準は法務省によって定められており、在留資格の取得や更新をする際の審査基準ともなっています。

【期間|Q3】外国人留学生を採用する場合、いつ頃から就労ビザの申請ができますか?

3月卒業4月入社予定の留学生を採用する場合、一般的には前年の12月から就労ビザの申請ができます(※地域によっては1月や2月から申請の受付が始まる場合もあります。必ず申請前に受付開始時期を入管に確認してください)。

 

卒業証明書が発行されてから就労ビザ取得の許可がおりるため、申請をする際は最低限の書類として「卒業見込み証明書」を提出する必要があります。

 

ただし、日本の就職先での業務内容に関連する専攻ですでに母国の大学を卒業している場合、日本の専門学校の卒業は就労ビザの申請の要件ではありません。

 

母国の大学の卒業証明書を提出すれば「技術・人文知識・国際業務」で求められる学歴要件が満たされるため、12月より前であっても、企業から内定が出た段階で就労ビザの申請をすることができます。

 

【就労ビザ|手続き】に関する質問

【手続き|Q4】転職の外国人を採用するときは、どのような手続きが必要でしょうか?

以下の3つの手続きがあります。

 

①「外国人雇用状況届出書」をハローワークに届け出る【企業側義務】
平成19年10月1日から、すべての事業主は外国人労働者(在留資格「特別永住者」「外交」「公用」を持つ人を除く)が入社または離職する際に、その外国人労働者の「氏名」「在留資格」「在留期間」などを確認して、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが義務づけられています。

 

※届出をしなかった場合や、虚偽の届出をした場合は、30万円以下の罰金を課されることがあります

 

②「活動機関に関する届出」または「契約機関に関する届出」を入管に提出する【外国人側義務】

外国人労働者が転職をした場合や、外国人労働者の勤務先の所在地や名称に変更などがあった場合、発生した日から14日以内に「契約機関に関する届出」を入管に提出する必要があります。

 

※対象者は、以下の在留資格を持っている外国人労働者です
「高度専門職1号(イまたはロ)」、「高度専門職2号(イまたはロ)」、研究、「技術・人文知識・国際業務」、介護、興行(所属機関と契約を結んで活動をする人に限る。)、技能または特定技能

 

※直接持参して提出する方法の他、オンラインや郵送でも提出可能です

 

▶詳しい情報はこちら(法務省)

 

③「就労資格証明書交付申請」【任意】

こちらの申請は義務ではありませんが、企業や外国人が安心できるように任意で申請し発行できる証明書という位置づけです。

主に転職をする際に、新しい勤務先での業務内容が現在の在留資格に該当する活動内容かどうかを確認する目的で発行するものです。在留期限が迫っている場合は、あえてこの手続きをおこなう必要はなく、更新申請のみで問題ありません。

「雇用保険に加入する/しない」で「外国人雇用状況届出書」届け出の際の手続きが変わります
①採用した外国人労働者が雇用保険に加入する場合
以下②をおこなう前に、雇用保険の加入届けも必要になるため「雇用保険被保険者資格取得届」を電子申請システムe-Govまたは勤務予定の事業所がある地域を管轄するハローワークへ提出します。
 
②採用した外国人労働者が雇用保険に加入しない場合
(雇用保険に加入する場合は①をおこなった後に、)「外国人雇用状況届出書」を厚生労働省が運営する外国人雇用状況届出システムまたは勤務予定の事業所がある地域を管轄するハローワークへ提出します。

補足1|「高度専門職1号(イ)」、「高度専門職1号(ロ)」とは?

高度専門職1号(イ)
日本の公的機関や民間機関と契約をしておこなう研究や、研究の指導/教育などの活動を意味します。

高度専門職1号(ロ)
日本の公的機関や民間機関と契約をしておこなう、自然科学または人文科学分野の、特別な知識や技術を必要とする業務をおこなう活動を意味します。

補足2|「就労資格証明書」を発行するメリット

  • 更新申請の前に業務内容が在留資格に適合しているかどうかを確認することができる
  • 証明書を発行するために必要な書類を提出するため、更新申請の際に提出書類が少なくて済む(すでに提出した書類に関しては入管で控えが取られています)
  • 更新申請をするときに審査期間が短くなる

【手続き|Q5】就労ビザを取得して日本に来た外国人が母国の妻と両親を日本に呼び寄せるには、どのような手続きが必要でしょうか?

以下のいずれかの在留資格を持って日本に在留している方の扶養を受ける配偶者や子供は在留資格「家族滞在」を取得することができます。 

 

「教授」「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術」「人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「文化活動」「留学」

 

配偶者と子供のみが対象のため、両親は呼び寄せることができません。

 

ただし、「高度専門職」の場合は優遇措置が認められているため、以下の条件のもと「高度外国人材」である本人またはその配偶者の親(養親含む)の入国と在留が認められています。

 

①「高度外国人材」またはその配偶者の7歳未満の子供(養子を含む)を養育する場合

 

②「高度外国人材」の妊娠中の配偶者または妊娠中の「高度外国人材」本人の介助などをおこなう場合

【就労ビザ|切り替え】に関する質問

【切り替え|Q6】在留資格認定証明書の発行後、外国人本人が旅行で日本に来る際に「在留資格変更申請」をして、「短期滞在」から「就労ビザ」に切り替えることはできますか?

切り替えができる場合もあります。

「短期滞在」から「就労ビザ」への変更が認められる条件は、「やむを得ない特別の事情に基づくものであること」です。

しかし、「やむをえない事情」の具体的な基準は示されていないため、事案によって個別具体的な判断がなされることになります。

【切り替え|Q7】「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザで滞在期間1年の許可はおりました。どのようにすれば次回の更新時に、3年や5年の就労ビザを取得できますか?

付与される在留資格の在留期間は、いくつかの要素によって左右されます。
前提として、入管は3つの判断基準をもとに審査をおこなっています。

 

①適切な在留資格が存在する活動をおこなう予定であること
外国人が日本で予定している活動内容に該当する資格が入管法で定められているかどうか。

 

②上陸許可基準に適合していること
在留資格ごとに定められた基準省令に該当するスキルや学歴などがあるかどうか。

 

③相当性が認められること
在留することが適当であると認められるために十分な理由があるかどうか。

 

審査は上記①②③の順におこなわれます。①②については許可がおりてさえいれば、基準を満たしていることになります。

 

その上で、どれくらいの長さの在留期間の就労ビザを付与されるかは、③がポイントになります。③の相当性は以下の4つの要素から判断されます。

  • 安定性(技術・知識、在留実績、出席・成績、法令遵守)
  • 継続性(事業の業績、納税の実績)
  • 必要性( 役割などから、日本企業にとって必要な人材か否か)
  • 信ぴょう性(提出資料が事実の記載か、過去に虚偽申請歴がないか)
 

また、企業規模や雇用形態から、「その人材が日本で安定的に就労できる環境であるか」という点も考慮されます。

【就労ビザ|書類作成】に関する質問

【書類作成|Q8】外国人を初めて採用するのですが、「労働条件通知書」を作成する際の注意点はありますか?

まずは外国人本人が理解できる言語で記載してあることが必須要件です。

ただし、入管では基本的に日本語か英語の書類しか受け付けてもらえないため、外国人本人が理解できる言語がその他の言語の場合、必ず英日どちらかの訳を添付しましょう。 

また、給与額においては、同じ地位の日本人と同等以上であることが求められています。

入管職員が企業の求人サイトなどを見て日本人のおおよその給与額を把握しているケースもあり、外国人であるからという理由で低い金額を設定している場合、指摘が入る可能性があります。

 

さらに、日本人と同様に年次有給休暇や有期雇用契約期間にも注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

外国人労働者を採用する際には、対象の外国人労働者が日本にいるのか、海外から呼び寄せるのか、新卒採用、中途採用、などによって細かく対応が異なります。

 

就労ビザの申請は、申請者の資格や学歴、業務内容などによっても提出が必要な情報が異なってくるため、はじめて外国人採用をされる企業様は以下でご紹介している就労ビザの申請代行サービスを活用されてみてもいいかもしれません。

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