今、採用活動において中途採用に注力する企業が増加しています。企業にとって、中途人材はすでに何らかのスキルを持ち、即戦力として活躍が見込めるため、人材としての価値が高いためです。
一方で、求人サイトやエージェントを利用しても、なかなか求める人物像にマッチする人材にめぐり合えないことに頭を抱える採用担当者も多いのではないでしょうか。実際、多くの転職希望者の中から本当に欲しい人材を見つけ出すのは非常に困難です。
こういった採用の課題を解決してくれるのが「転職フェア」と呼ばれる転職イベントです。本記事では、効果的に企業と求職者をマッチングさせる転職イベント「転職フェア」について詳しく解説します。
1|転職フェアとは
転職フェアとは、「転職を考えている人」と「中途採用をおこなっている企業」を結ぶイベントです。
1つの会場に数多くの企業の採用担当者や社員が集まり、企業ごとに割り当てられたブース内で、転職希望者に向けて会社説明や面談をおこなうのがイベントの主な内容です。
会社説明や面談のほかにも、転職に役立つ講座やキャリア相談のコーナーが設けられている場合もあります。転職者は、会場に足を運ぶことでさまざまなサービスを受けることができます。
インターネット上の求人サイトとの違いは、企業と求職者が直接コミュニケーションをとることができる点にあります。対面することで、転職希望者は企業の雰囲気を、企業は求職者の人柄を理解しやすくなるのです。
“転職フェア“はこんな企業におすすめ!
■とにかくたくさんの転職希望者と会って話したい!
■意欲的な転職希望者に会いたい!
■短期間ですぐに採用したい!
■媒体や人材紹介などでは伝わりきらない会社の雰囲気や魅力を伝えたい!
■転職サイトを活用していない潜在層にもアプローチしたい!
■期間内に大人数の採用をおこないたい!
Q1|転職フェアで企業は何ができるの?
転職フェアに出展する企業は、イベント当日だけでなく、イベント開催前から当日にかけてもさまざまな手段を使って求職者に企業の魅力をアピールすることができます。転職希望者に対して積極アピールすることで応募が増え、採用につながることもあります。
イベント開催前|求職者をスカウト
転職フェアによっては求職者に「スカウトメール」を送ることができるサービスがあります。企業はイベントに参加する求職者の情報を検索することができ、気になる求職者にスカウトメールを送ることができます。イベント当日、確実に求職者にブースへ来てもらうために効果的な手法です。
イベント当日①|ブースで合同説明
企業ごとに設けられたブースに採用担当者と現場社員が常駐し、ブースに集まった求職者に事業内容や採用情報などの会社説明をおこないます。同時に、個別で求職者からの質問や相談にも対応し、企業の魅力をアピールしていきます。
イベント当日②|エントリー受付
企業によっては、その場で求人応募を受け付ける場合もあります。求職者の中には、エントリーシートを作成し会場に持参している人が多いため、応募受付をスムーズにおこなうことができます。
Q2|転職フェアが開催される時期は?
基本的に中途採用は1年を通しておこなわれていますが、その中でも特に3月と9月に採用活動が盛んになります。理由は、新年度が始まる4月と下半期が始まる10月に中途社員を迎える企業が多いためです。
採用活動が盛んになることから、3月と9月の時期におこなわれる転職フェアの開催数が最も多く、開催規模も大きくなります。また、開催地も大都市に加えて地方都市での開催も盛んにおこなわれます。
転職希望者は求人数が増える3月と9月の時期を狙って転職活動をおこなうため、転職サイトの利用や転職フェアへの参加者数が多くなります。3月と9月は、転職希望者にとってライバルが増える時期になります。
企業にとっても、3月と9月は中途社員を募集する企業が増えることから、採用活動においてライバルとなる企業が出てくる可能性があります。欲しい人材を採り逃さないために、中途採用の求人サイトの利用や転職フェアへの出展を積極的におこなうことが大切だといえるでしょう。
2|転職フェアに出展するメリット
では、具体的に転職フェアに出展するとどのようなメリットがあるのでしょうか?以下では、求人サイトやエージェントにはない「転職フェアだけが持つ5つのメリット」をご紹介します。
|メリット1|
媒体では伝わりづらい魅力もダイレクトに伝えられる
転職フェアに出展することの1番のメリットは、求職者と直接話すことができる点にあります。求職者と直接話すことにより、媒体などでは伝わらなかった自社の魅力をダイレクトに伝えることができるようになり、これまで応募に至らなかった求職者の応募意向形成も可能となります。
各ブースには6人~18人の求職者を呼び込むことができ、求職者との距離が近い状態で会社説明をおこなうことができます。また、求職者と個別で面談をおこなううこともできるため、サイトに登録された情報だけでは分からない「表情」や「話し方」から求職者の「人柄」を理解することもできます。
|メリット2|
ターゲットを絞ってアピールできる
転職を希望する求職者は、年齢層や学歴、経験職歴などがばらばらです。さまざまなバックグラウンドを持った求職者の中から求める層にアプローチするため、企業は開催地域や開催規模を絞って採用活動をおこなう必要があります。
転職フェアでは、集客を得意とする求職者の層が異なるという特徴を活かし、出展するイベント・会場をうまく選択することで、効率よく採用活動をおこなうことができます。
例えば、「doda転職フェア」は東海エリアや九州エリアなどの地方での開催があります。加えてdoda転職フェアの参加者は大卒以上の若手・中堅転職希望者が中心であるため、地方でこのような人材を求めている企業におすすめです。
|メリット3|
応募にまでは至っていない転職潜在層に会える
転職フェアは、ただ多くの求職者に会うことができるだけではありません。転職サイト未登録層や人材サービスなどを活用していない層の来場も多く、転職顕在層のみならず転職潜在層へのアプローチができるのも、転職フェアに出展する大きなメリットです。
転職フェアに出展することで、「アプローチできる転職希望者の幅」が大きく広がります。
|メリット4|
採用までのスピードがとにかく速い!
採用にもスピードが求められる時代。一番早く内定が出た企業に転職を決める求職者が多いというのも現状です。また、求職者の転職意志が高まっているうちに選考し、内定出しをおこなうには、効率の良い採用フローが非常に重要となります。
転職フェアは、集中して多くの転職希望者に会えるだけでなく、気になる転職希望者にはその場で次回の面接を設定することもできます。書類選考とは違い、すでに直接会って求職者の人となりを知っている段階から選考をスタートできるので、採用フローを短縮することも可能になります。
|メリット5|
イベント運営側のサポートがある
転職フェアへの出展を申し込んだ企業は、イベント前とイベント当日に運営側からサポートを受けることができます。
例えば、企業ブースの着席数を増やすためのコンシェルジュや、運営サイトの登録者にスカウトメールを送ることができることが挙げられます。他にも、自社のブース以外で求職者とコミュニケーションを取ることができる「スカウトカフェコーナー」というサービスも利用することが可能です。
3|全国各地で開催している日本最大級の転職フェア
転職フェアは人材サービスを提供する企業が運営しており、イベントによって特徴が異なります。以下では、開催地域と参加人数が多い転職フェアを3つご紹介します。
01
doda転職フェア
日本最大級の規模で高い知名度を誇る「doda転職フェア」。3日間の開催で12,000人を超える転職者が来場します。来場者は20代後半~30代前半の大卒以上、若手中堅層が来場者が多く、即戦力採用も期待できます。大学・大学院卒業の転職希望者が約8割を占める他、技術系などの専門スキルを持つ方が多く来場します。
- 平均面談人数98人という日本最大級の規模
- 来場者は大卒以上の若手・中堅転職希望の経験豊富な即戦力が中心
- 面談前の3ステップで面談数が125%UP!
- 来場者スカウト・資料コーナーでの声掛けが可能
02
マイナビ転職EXPO
マイナビ転職セミナーは、全国各地でおこなわれており、2017年度実績では、開催回数50回以上、開催エリア25ヵ所以上と業界最大級を誇ります。若手転職者が多い、貴社の魅力をダイレクトに伝えられる、選考スピードを短縮できるなどの理由から、参加企業の約80%が「出展してよかった」と回答する非常に満足度が高い転職イベントです。
- 「開催エリア・開催回数・開催規模」で業界最大級の合同企業説明会
- 来場者の多くは転職意欲の高い20~30代
- イベントコンシェルジュがマッチング
- イベント期間限定の特別スカウトサービス!当日リアルタイムに配信可能
- スカウトカフェコーナーで来場者に声掛け可能
- 企業ブースの用意不要!荷物の郵送対応で、手ぶら来場可能
03
Re就活 転職博
20代に特化した転職サイト「Re就活」を運営する学情が開催する転職博。日本で唯一の20代の若手層に特化をした転職イベントです。意欲のあるフレッシュな社会人経験者に出会うことができます。転職博に訪れる来場者の多くは、知名度だけではなく、仕事内容、やりがい、社風などさまざまな観点から職場選びをしています。転職博は、特に活力のある若手人材を求めている中堅・中小・ベンチャー企業におすすめです。
- 来場者の90%以上が20~30代の若手社会人
- 来場者の多くが営業や事務、販売などのいわゆる文系職経験者
- 来場者の73%以上が1ヶ月以内に転職したい意欲のある求職者
- 即効性のある面談形式のため、選考につながる
- 運営スタッフが求職者のニーズをヒヤリングし、企業のニーズとも照らし合わせてブースに誘導
4|キャリアに特化した転職フェア
以下では、株式会社キャリアデザインセンターが運営するtype主催の転職フェアを2つご紹介します。「エンジニア限定」や「女性限定」など、一部のキャリアに特化した求職者が来場する首都圏最大級の転職イベントとなります。
04
@typeエンジニア転職フェア
@typeのエンジニア転職フェアでは、あらゆるダイレクトリクルーティング手法を使い、1日約30名のエンジニア経験者と面談することができます。また、転職フェアと同時にセミナーや座談会などもおこなわれているため、それらを目的として参加している求職者にもアプローチすることができます。
- 国内最大級のエンジニア特化型転職フェア
- 充実したマッチング機能とスカウト機能
- 豊富なプロモーションにより安定的な来場者人数を確保
- 電車内広告やWeb広告によって、転職サイトを活用していない層の集客も可能
05
女の転職@type転職イベント
女性の採用を積極的におこなっている企業におすすめの転職フェアです。来場者もほぼ100%が女性で、「長く安心して働きたい」「女性がたくさん活躍している職場で働きたい」と考える求職者が多いのが特徴です。女性は社風や働く環境を重視するため、転職フェアで自社の社風や雰囲気をしっかりとアピールすることができれば、比較的採用につながりやすい転職イベントです。
- 国内最大級の女性のみが入場可能なイベント
- 来場者の約50%が20代の若手
- 電車内広告やWeb広告、メルマガなど豊富なプローもションにより集客
- 会場(渋谷ヒカリエ)までのアクセスが良いため気軽に参加しやすい
5|まとめ
応募前の転職希望者に媒体だけでは伝わらない自社の魅力をダイレクトに伝えることができる『転職フェア』。転職フェアは、「たくさんの転職希望者に会いたい」「短期間で採用したい」「転職サイトを活用していない潜在層にもアプローチしたい」など、今の採用手法に限界を感じている企業におすすめです。
転職フェアに出展すると、多くの転職希望者の中から求める人材に個別アプローチ採することができるので、採用確率だけでなく、採用効率もUPします!
ぜひ、採用を成功させる手法として、『転職フェア』を検討してみてはいかがでしょうか?