「HRアワード2021」の最優秀賞に輝いたのは?受賞企業の取り組み事例をご紹介|日本の人事部 |HR NOTE

「HRアワード2021」の最優秀賞に輝いたのは?受賞企業の取り組み事例をご紹介|日本の人事部| HRNOTE

「HRアワード2021」の最優秀賞に輝いたのは?受賞企業の取り組み事例をご紹介|日本の人事部

人事総合メディア『日本の人事部』が、今年で第10回目の開催となる「HRアワード2021」の受賞企業を発表しました。

HRアワードは、人・組織に関わる領域において、企業や個人の成長を促す取り組みに着目し、HRパーソンに広く伝えることで、HRを通じた全国の企業の発展を目指す表彰制度です。

今回は、HRアワードの受賞企業と、その取組事例についてご紹介します。

企業人事部門の最優秀賞は「ヤフー株式会社」に!

企業人事部門では、ヤフー株式会社の取り組みが最優秀賞を受賞しました。

ヤフー株式会社は、2020年10月1日より副業人材を受け入れ、オープンイノベーションの創出を目指す「ギグパートナー」制度を開始。

これによって、社会の新常態(ニューノーマル)を見据え、従来では交わる機会が得られなかった人材とともに、新たな事業やサービスにつながるイノベーションの創出を目指しています。

副業人材(ギグパートナー)の応募数は4,500人を超え、これまでで100名以上が勤務をし、現在も複数名のギグパートナーが社内で活躍しています。

ギグパートナーがサービス改善や企画にも携わる例もあり、共同した社員からは「フラットな第三者からの意見をもらえた」「自分にない発想があった」など、ポジティブな意見が多く出る結果となりました。また、ギグパートナーとして参加している人材を対象としてアンケートでは、満足度が85%以上となっています。

受賞コメント

ヤフーは2020年10月から、リモートワーク回数上限撤廃・フレックス勤務のコアタイム廃止という新しい働き方に移行しました。

情報技術を駆使して場所や時間の制約を取り払ったことで、「ヤフーを副業先とする人材が活躍する可能性も高まるだろう」。そう考えて始めたのが「ギグパートナー」です。

すでに130名超のギグパートナーを受け入れ、サービス改善や企画に携わる事例も生まれています。協働した社員からは「フラットに客観的な意見をもらえた」「自分にない発想があった」など、ポジティブな意見があります。ギグパートナーの方々へのアンケートでは、満足度が85%以上となっています。

「UPDATE JAPAN~情報技術の力で、日本をもっと便利に。」

新しい働き方はまだ始まったばかりです。

ユーザーの皆様により便利で革新的なサービスをお届けするために、ヤフーは個人として組織として、これまで以上に高いパフォーマンスを発揮できる働き方を追求し続けてまいります。

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企業人事部門の優秀賞は「コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社」

そして、優秀賞には『「変革を推進し、部下を成長させるリーダー」を育成。経営改革を実現するための人財育成戦略』の取り組みをおこなったコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社が選ばれました。

「これまでのやり方は選択肢にない」という強いメッセージとともに経営改革に取り組む中で、「これまでの方法を率先垂範するマネジャー」ではなく「変革を推進するリーダー」が必要だと考え、「変革リーダーの育成」と「育て上手なマネジャーの育成」を推進しています。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社では、毎年実施する360度サーベイで管理職の育成力を数値化すると共に、2020年に選抜型の変革リーダー育成プログラム「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」設立。

この2つは、経験学習サイクルを回すことで気付きを得た社員の行動変容と成長を支援し、部下育成と組織変革に結びついているという共通点を持っています。

360度サーベイでは、低スコア者の人数が開始当初から半減。CCUJでは「変革志向型リーダー」の割合が19.8%から31.9%に、「支援・育成志向型リーダー」は15.3%から26.1%に増加し、権限依存型とプレイングマネジャー志向型リーダーの割合が低下するという成果を得ています。

受賞コメント

当社は、企業理念を「Paint it RED! 未来を塗りかえろ。」に刷新し、「これまでのやり方は選択肢にない」という強いメッセージとともに大規模な経営改革を推進しています。そのためには、過去の経験をもとに背中を見せて育てる率先垂範型のプレイング・マネージャから脱却し、変革の先にあるビジョンを示して、新たなやり方を取り入れ、部下の成長を促す変革・育成志向型のリーダに早急に変えていく必要があります。

選抜型の変革リーダー育成施策「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン」と全管理職を育て上手なマネージャに育成するための360度サーベイでは、組織の課題と現状を定量的に特定し、経験学習サイクルを回すことで行動変容と成長を支援しています。

今回受賞した施策により、当社事業を通じて「すべての人にハッピーなひと時をお届けし、価値を創造する」企業であり続けること、また、経営改革を実現する人材育成に取り組む皆様のご参考になれば大変うれしく存じます。

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最優秀個人賞は、グーグル合同会社執行役員人事本部長の「谷本 美穂」氏

谷本 美穂氏は、ビジネスのパートナーとして人と組織を成長させる人事を志し、GEとグーグルで組織開発やリーダーシップ開発などに携わってきた谷本氏は、「HRカンファレンス」や「HRアカデミー」にもたびたび登壇している人事のオピニオンリーダーです。

数々の先進的な取り組みや、社員の声を聴き、その思いを尊重し支えていくことを大切にしている姿勢が人事の方々から支持を受け、受賞に至りました。

受賞コメント

最優秀個人賞、感謝しています!コロナ禍により日本中の人事が新しい働き方について考えたこの時期に、リモートワークは生産性を下げない、社員を管理せずに信頼する、心理的安全性は意図的につくるなど、組織活性化について皆さんと議論を続けてきたことが評価されたのであればうれしいです。

前職のGEでは、人事がリーダーシップを発揮して変革を起こすことを学びました。Googleでは、多様な声をよく聴き、本音で意見を交換することが新しいアイデアにつながることを実感しています。ビジネスに寄り添い、人の心を動かし、人を信頼するカルチャーを育むことが私の目指したい人事です。

今年は『work@google20%』プログラムを立ち上げました。既に数社の人材が自分の時間の20%を使ってGoogleの働き方を実体験しています。「Googleだからできるんでしょ」という声を打破することがキーです。これからも日本の人事の進化に貢献できるよう、明るく前向きに、働きかけていきたいと思います。

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書籍部門の受賞本を一挙にご紹介!

【最優秀賞】
問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション
著者:安斎勇樹、塩瀬隆之/出版社:学芸出版社

(以下、受賞コメント)

優秀な人材を抱え、豊富な知識と経験を携えているにもかかわらず、十分に力を発揮できないチームがたくさんあります。なぜ人と組織は、変わりたくても変われないのでしょうか。

染み付いた固定観念。凝り固まった関係性。それらを突き詰めると、その根源は問題の捉え方、つまり「課題の設定」にあるのではないか。

本当に解くべき課題を定めて、集団の対話の力で、課題を解決する。そのダイナミックなプロセスを「問い」の観点から紐解いた書籍が、本書『問いのデザイン』です。 本書の知見が、多くの現場のファシリテーションやマネジメントのお役に立てることを願っております。

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【優秀賞】
恐れない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
著者:エイミー・C・エドモンドソン/翻訳:野津智子/解説:村瀬俊朗/出版社:英治出版

(以下、出版社によるコメント)

『恐れのない組織』は心理的安全性をテーマに、その研究の第一人者エイミー・エドモンドソン教授(ハーバード・ビジネススクール)が、理論・ケーススタディ・実践への示唆をまとめたものです。本書に収録した村瀬俊朗准教授(早稲田大学商学部)の解説にもあるとおり、1990年代末以降、心理的安全性に関する研究が数多く蓄積されてきました。その知見と実践を架け橋する1冊であると言えます。

ここ数年、Googleの社内研究プロジェクトをひとつのきっかけに、心理的安全性に注目が集まっていましたが、さまざまな誤解もありました。このコンセプトの本質を理解し、実践につなげたいという期待が高まっていたからこそ、多くの読者の方にご好評いただけたのだと感じています。

本書の中では、「失敗をリフレーミングする」「謙虚に耳を傾ける」など、さまざまな実践への示唆が提示されています。どれも簡単なものではありませんが、それらを参考に、組織・チームの心理的安全性を高めるための一歩を踏み出す方が増えることを願っています。

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優秀賞
心理的安全性のつくりかた
著者:石井遼介/出版社:日本能率協会マネジメントセンター

(以下、受賞者コメント)

本書が世に出て、心理的安全性が広まり、このような賞がいただけたのもひとえに、クライアントと仲間たち――現場で悩みながらも行動するマネジャー・リーダーの方々。先が見えない中で組織の舵取りを行う経営陣の皆さま。想いを持ってチームや組織を変えようと奮闘するご担当者さま。そのような、組織で働く方々――と共に実践知を模索できたおかげだと感じています。

この受賞が、より多くの職場が心理的安全なものとなる契機となれば、それに勝る喜びはありません。

活動を始めたコロナ以前には、日本ではまだ“ささやき声”だった「心理的安全性」。皆さまと共に模索し、歩む中で、やがて大切さが認識され始めました。

組織やプロジェクトのよりよい成果のために、働く人々がお互いに率直な意見を言うことができ、才能・情熱・ポテンシャルをフルに発揮できる心理的安全性の高い組織・チームをつくる。それは、取り組む価値のある仕事です。

「心理的安全で効果的な組織・チーム」があまりに当たり前の基礎となり、本書がもはや不要となる世の中を目指して、皆様とともに、今後も仲間と邁進して参ります。

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プロフェッショナル部門|受賞企業一覧

最後に、プロフェッショナル部門の受賞企業を一覧でご紹介します。

人材開発・育成部門 最優秀賞 株式会社フライヤー

自ら学べる人を育て、学び続けられる文化を醸成。ビジネス書が1冊10分で読める「flier法人版」

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人材開発・育成部門 優秀賞 EQIQ株式会社

モチベーションの可視化ツール「Attuned」現場マネージャーに部下毎に最適なマネジメントを提案

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組織変革・開発部門 最優秀賞 株式会社Aill(エール)

【ウェルビーイング】社員のワークライフシナジーを加速して、エンゲージメントを高めるアプリ「Aill goen」

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組織変革・開発部門 優秀賞 株式会社スタディスト

完全オンラインでも高品質な人材育成を実現するクラウドサービス「Teachme Biz」

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人材採用・雇用部門 最優秀賞 株式会社ZENKIGEN

候補者の「印象」を定量化し、バイアスを抑えた多面的評価をサポートする「エントリーファインダー」

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人材採用・雇用部門 優秀賞 VISITS Technologies 株式会社

課題発見・解決型人材発掘ツール「デザイン思考テスト」ーこれからのビジネスパーソンに必須の力を数値化

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人事労務管理部門 最優秀賞 株式会社iCARE(アイケア) 

従業員の健康管理を自動で行い、健康データを起点に人事課題を解決するクラウドサービス「Carely」

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人事労務管理部門 優秀賞 株式会社ラフール

『個人が変われば、組織が変わる。』組織改善サーベイ「ラフールサーベイ」

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最後に

いかがでしたでしょうか。

受賞企業の取り組み事例を参考に、今後の人事業務に活かしていただければと思います。