こんにちは!HR NOTE編集部 根本です。
成功者や偉人の過去の習慣や発言は、人々に強い興味を持たせ、長年にわたって心に留まり続けているように感じます。
なぜ惹きつけられるのか。
それは、彼らが夢や理想を掲げ、それを実現したきたからだと思います。
さらにそこには他の人なら逃げ出すような壁や理不尽さが登場し、多くの失敗も経験しています。
それでもあきらめることなく、乗り越え達成してきた姿に、尊敬や共感、説得力を感じ、偉大な諸先輩方に興味を持ち続けるのではないでしょうか。
今回は、偉大な経営者の方々の名言で人事領域にフォーカスしたものをいくつかご紹介させていただきます。何かしらの参考となっていただけると幸いです。
目次
人事にオススメしたい偉大な経営者の名言
ジャック・ウェルチ 元ゼネラルエレクトリック(GE)CEO
人事採用の判断においては、自制心を奮い起こして自分の直感を疑い、その直感を再度確認するように部下に言うべきだ。そして、あなた自身もそうすべきだ。候補者の追加データをかき集めること。履歴書だけでは駄目だ。照会の電話をして、ちゃんと聞く耳を持つようにすることだ。プラスとマイナスが入り混じったメッセージだったり、不快な話のときには、とくにしっかりと聞かなくてはならない。
人事採用において、どう見極めていくかは人事がずっと追い続けている課題だと思います。
ジャック・ウェルチ氏は自分の直感のみで採用を行うことは危険で、候補者のデータを出来る限り集めて、あらゆる角度から判断することを説いています。
ジャック・ウェルチ
アメリカ合衆国の実業家。1999年米国経済誌フォーチュンで20世紀最高の経営者に選ばれる。1981年から2001年にかけて、ゼネラル・エレクトリック社の最高経営責任者を務め、業績低迷で苦しんでいたGEを蘇らせる。そこでの経営手腕から「伝説の経営者」と呼ばれた。
本田宗一郎 本田技研工業創業者
人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。そのかわり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない。拝む心がなければ人は動かない。つねに素直に。
モチベーション高く主体的に動いてもらうためには、その人の置かれている状況や背景を理解した上で、それに合った対応をすることが重要ではないでしょうか。
そのために、素直な心を持ち、その人に対して尊敬の念を持って接することが求められるように思います。他人の痛みを知ることができる人間に、人はついてくるのではないでしょうか。
本田宗一郎
高等小学校卒業後、自動車修理工場のアート商会に丁稚奉公として入社。6年の勤務の後、のれん分けを受け、故郷の浜松で独立。その後、本田技研工業株式会社を設立し、オートバイ「ドリーム」「スーパーカブ」などを次々に開発。世界の「HONDA」へと育て上げた。
松下幸之助 パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者
自分の仕事においては責任ある経営者という意識で取り組もう。そうすれば創意工夫が生まれ、個人にとっても会社にとっても好ましい成果に結びつく。
当事者意識をどこまで強く持つことができるか、自分の仕事を“自分ゴト化”して取り組むことの重要性を説いています。
そうすれば、ただ言われたことを行うだけでなく、「どうすれば生産性があがるか」「どうすればもっとお客様に喜んでもらえるか」など、新しいチャレンジを行う風土が生まれます。
松下幸之助
16歳で大阪電燈(現:関西電力)に入社し7年間勤務。その後同社を退社し独立。独特な経営哲学で松下電器産業を日本屈指のグループ企業へと育て上げる。松下政経塾、PHP研究所の設立者でもある。異名は経営の神様。
永守重信 日本電産創業者
中途採用の人も含めて、人材はやはり手ずからつくらないとダメだ。
「手ずから」とは、「直接自分の手で」という意味です。
新卒採用、中途採用に関わらず、自社で働く人材は会社の財産で、永守氏自らが採用・教育に積極的に関わっていくという姿勢が伺えます。
永守重信
職業訓練大学校を卒業後、日本の音響機器メーカーのティアック、機械メーカーの山科精器を経て、日本電産を創業。社員3人とともに会社をスタートし、そこから同社をモーター事業において世界シェアトップ製品を持つ会社に発展させる。優秀な技術を持つが経営不振に陥った企業を次々買収し、子会社化して再建させたことでも知られる
ハワード・シュルツ スターバックスCEO
福利厚生を充実させれば、良い人材が集まり、しかも永くとどまってくれる。スターバックスの社員は、仕事に誇りを持っているから簡単に転職しないのだ。わが社の離職率は企業平均の半分以下なので費用を節約できるばかりか、顧客との人間関係を深めるのにも役立っている。
退職に関するコストは、採用時のコストの数倍かかるとも言われており、最近では従業員エンゲージメントという言葉も良く耳にします。
ハワード・シュルツ氏は、社員の福利厚生を充実させれば競争上優位に立てるという持論をもっており、スターバックスを誰もが働きたがる人気企業にしたいという思いから福利厚生の充実を図っています。
ハワード・シュルツ
ノーザン・ミシガン大学を卒業後、ゼロックスに入社。その後、スウェーデンの日用品メーカーのハマープラスト・アメリカ支社の副社長兼総支配人を経験。その後、1982年にスターバックスに入社。1985年に独立し、エスプレッソ小売店を創業。1987年に400万ドルでスターバックス社を買収。その後一度CEOを退くが、2008年に経営不振に陥っていた同社に復帰。以後、世界的チェーンへと育て上げた。
渋沢栄一 第一国立銀行などの創設者
人を選ぶとき、家族を大切にしている人は間違いない。仁者に敵なし。私は人を使うときには、知恵の多い人より人情に厚い人を選んで採用している。
仁者は深い愛情をもって人に交わるため、敵をつくりません。
人の上に立つ人間は周囲から「あの人についていきたい」と思ってもらえるかが重要だと思いますが、私欲がなく周りの人を思いやれる人がそのポジションにあてはまるのではないでしょうか。
渋沢栄一
幕末から昭和初期までの実業家、銀行家、官僚。第一国立銀行や東京証券取引所などといった多種多様な企業の設立・経営に関わり、「日本資本主義の父」ともいわれる。農民から侍、そして大蔵省官僚を経て実業家になった人物。生涯に約500もの企業に関わったといわれている。
樋口武男 大和ハウス工業代表取締役会長兼CEO
人を育てるには厳しさと同時に、なぜ厳しくしているのか、自分の考え方もしっかり伝えて浸透させなければならない。
愛情を持って厳しくマネジメントを行っていくことが間違っているとは個人的には思いません。
ただ、相手がその愛に気づかなければそれも無意味なものとなってしまうように感じます。
そこで、しっかりと「その人になってもらいたいのか」「そのためにどういう風に育てていこうと思っているか」背景を伝えることが重要でしょう。
樋口武男
関西学院大学法学部卒業後の1961年に太源株式会社に入社。その後大和ハウス工業に入社し東京支社特建事業部部長、取締役、常務、専務、子会社の大和団地社長などを務めたのち、大和ハウスによる大和団地の吸収合併で大和ハウス工業社長に就任。2004年より同職。大和ハウス工業を業界トップに引き上げた経営者。
宮内義彦 オリックス元会長・社長・グループCEO
人材の多様化を積極的に進めてきたために、人材を多様化するうえで注意すべきことがわかってきました。ひとつは、せっかくの多様な人材を既存の仕事の枠にはめ込んでしまってはなんの意味もないということです。豊富な経験を積んだ熟年社員に対して、新入社員と同じような業務研修を行い、自社の色に染めようとするのは時間の無駄です。それよりも彼ら自身の色をオリックスでどのように生かすかを考えてもらう一方で、会社側はそれぞれの色を実現しやすい役割分担や職場環境作りをした方が有意義だということです。
企業のカルチャーを浸透させるということはもちろん重要なことです。ただ、一番大事なことは、いかに優秀な人材が働きやすい環境をつくれるかどうかだと宮内氏は説いています。
優秀な人材の能力を100%引き出せれば、企業の成長にも大きく貢献できるでしょうし、彼らも満足度が高く、末永く自社で活躍してくれることでしょう。
宮内義彦
関西学院大学商学部、ワシントン大学経営大学院でMBAを取得。帰国後日綿實業(現ニチメン)に入社。1964年4月にオリエント・リース(現オリックス)入社し、代表取締役社長を経てオリックスグループ会長に就任。2004年のプロ野球再編問題では、ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズの合併を主導。
稲盛和夫 京セラ・第二電電(のちのKDDI)創業者
事業経営においては、不誠実な人や不祥事を起こすような人はリーダーにはなりえません。リーダーはよほどしっかりした人間でなければならないのです。
これは、非常に当たり前のことですが、稲盛氏が言うとものすごく重みがあるように感じます。
リーダーにとって必要な要素はさまざまありますが、ただ優秀というだけでリーダーを任せるのではなく、人間としての大きな器のようなものが必要なのではないでしょうか。
稲盛和夫
1955年鹿児島大学工学部を卒業後、京都の碍子メーカーである松風工業に就職。1959年4月に京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立し、社長、 会長を経て、1997年から名誉会長に就任。また1984年第二電電企画株式会社を設立し、会長に就任。2000年10月にDDI(第二電電)、KDD、IDOの合併によりKDDI株式会社を設立し、名誉会長を経て最高顧問に。2010年2月にはJALの会長に就任し、代表取締役会長、名誉会長を経て、2015年4月名誉顧問となる。
柳井正 ファーストリテイリング会長兼社長
異業種からの多数の人材を迎えたのも、異質な人材が、安定し保守化した組織を壊すことを期待したから。外から来た人が多すぎると思ったこともありましたが、要するにチームのバランスですね。現場でたたき上げた僕らのような人間も必要ですし、客観的に現場を見て判断を下す人材も必要です。外から来た人に、大きな仕事を任せるのは大胆だと思われるかもしれませんが、うちの活力の源はここにあると考えています。
中途人材を大量に採用することで企業のカルチャーが薄まるという話を聞いたことがありますが、柳井氏は、現状を打破するカンフル剤として期待をしていたようです。
自社だけしか経験していない人材が多いと視野が狭まる恐れがあり、客観的な視点をもった人材を受け入れ、変化に対応していくことがファーストリテイリングの強みのように感じます。
柳井正
カジュアル衣料のユニクロを展開。早稲田大学政経学部経済学科卒業後、父が経営する小郡商事(のちのファーストリテイリング)に入社。その後、経営を引き継ぎ、世界有数の企業へと成長。ソフトバンクの社外取締役でもある。
鈴木敏文 元セブン&アイホールディングス会長兼CEO
規模が変われば組織のあり方も変わってくる。変わるのだから過去と同じ考え方、同じ手法で通すことはできない。
企業の従業員数によって組織構造やマネジメントのあり方は変わっていくものです。
「ずっと昔からある制度だから」「昔からこれで成功してきた」ということに固執せずに、企業の成長フェーズによって柔軟に対応することが求められるのではないでしょうか。
鈴木敏文
中央大学経済学部卒業後、書籍取次大手のトーハンに入社。その後、イトーヨーカ堂で取締役を経て、セブン-イレブン・ジャパンを設立。日本初のコンビニ「セブン-イレブン」を立ち上げた。コンビニエンスストアという形態を全国に広め、小売業界を革命を起こした「コンビニの父」。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は一部をピックアップしましたが、まだまだ紹介したい名言がたくさんありました。成功者や偉人の経験や習慣は参考になるものが数多くあり、書籍も出ています。
良く耳にする内容もあるかもしれませんが、あらためて文字にして見るとあらたな気づきや発見があります。
業務に迷いが生じたときは、一度立ち止まって成功者や偉人の方々の考え方に触れると何かしらの突破口が見つかるかもしれません。