ライオン、人事部が副業紹介|本業での貢献を期待 |HR NOTE

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ライオン、人事部が副業紹介|本業での貢献を期待

ライオン株式会社が、2020年春をめどに「人事部が社員に副業を紹介する制度」を始めます。

本記事ではライオンの新たな副業制度の詳細についてご紹介します。

ライオンの「人事部が社員に副業を紹介する制度」とは

同社は人材紹介会社と提携し、幅広い仕事を取りそろえるようです。副業は社員が自ら探すのが一般的ですが、関心があっても自分で見つけるのが難しいケースが多くあります。

企業が従業員に対して副業として仕事を紹介する事例は珍しいでしょう。そして、ライオンの取り組みは、所属する企業の枠を超えて事業を創造するオープンイノベーションを促すきっかけになります。

ライオンは、デザイナーが社外のロゴ作成をしたり、人事部の経験者が他社の人事システムの導入を支援したりするケースをあげています。

また、副業のために月に数回働くことを想定し、出向中など一部を除く対象社員の2%に当たる50人ほどの利用を見込んでいます。

しかし、日用品メーカーといった競合他社での副業や公序良俗に反する仕事などは禁止します。

【ライオンで副業するための条件】

  1. 本業の残業時間と副業の労働時間で合計で月80時間を超えない
  2. 翌日の勤務まで10時間のインターバルを設ける(3)週に1日は休日を取得する、などの条件も設ける。

「人事部が社員に副業を紹介する制度」のメリットや人事管理は…

ライオンは、社員が副業で得た知識や経験を本業に生かすことを期待しています。掬川正純社長は「社内のことしか知らなければ、アイデアは浮かびにくい」と狙いを話しています。

パーソル総合研究所は、「グループ会社内で副業を紹介し合う例はあるが、社外の副業を紹介する制度は珍しい」と主張しています。

また、副業は人手不足のなかで個人の能力を社外で生かす効果も期待されます。

たとえば、国内の就業者に占める副業率は4%にとどまりますが、政府が18年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公開するなど、機運は高まっています。

総務省の「就業構造基本調査」によると、17年時点の副業希望者は就業者全体の6.4%の424万人。5年前の調査から57万人増えました。

ライオンは副業紹介制度に先立って、20年1月から副業を申告制に変更しています。それまでも副業は可能でしたが、上司の許可が必要であり、研究職が大学の非常勤講師を務めるといったケースが大半を占めていました。

同制度では、残業時間の管理などは個人がおこないます。また、副業中の労務管理は副業先が担うため、ライオンは関与しません。そして、本業の生産性低下など悪影響が出た場合は、上司が面談をするなどの対応をとるそうです。

まとめ

ライオンの新たな制度は、これまで従業員に任せていた副業制度から踏み出し、企業側が積極的に動く事例だと言えるでしょう。こうした取り組みが広がれば、副業の普及が早まる可能性があります。

政府のガイドラインもあり、副業を認める企業は徐々に増えています。一方で、労働時間の管理や法定労働時間を超えた場合の割増賃金をどちらが支払うかなど解決すべき課題があることも事実です。

新しい制度を取り入れたライオンが今後どういった結果を出すのか注目です。