会計・人事労務クラウドサービスサービス事業を展開しているfreeeが、12月17日に東証マザーズ市場に上場しました。
主幹事証券会社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券、メリルリンチ日本証券の3社。
公募543万5,200株、売り出し1204万1,100株、オーバーアロットメント108万9,700株となりました。
※オーバーアロットメントとは、当初の募集・売出予定株数を超える需要があった場合に実施される株式の販売方法です。
本記事では、詳細を解説します。
freee(フリー)について
freee株式会社は、中小企業や個人事業主向けにクラウド基盤を活用した会計ソフト「freee(フリー)」を開発、提供している企業です。
「freee(フリー)」は、銀行口座やクレジットカードとの連携により自動で帳簿を作成したり、スマートフォンのカメラで領収書を撮影すると自動で経費精算できます。
また、確定申告が簡単に済ますことができ、現在16万社以上が利用しているサービスとなっています。
同社の既存株主には、米国シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルであるDCMのほか、日本や中国での投資を行っているインフィニティ・ベンチャーズ、シンガポール拠点のベンチャーキャピタルであるPalace Investmentsが名を連ねており、グローバルIPOを意識した構成になっていました。
上場後の動き
上場時の公開価格2,000円に対し、買い注文が殺到。初値は大きく上回る2500円をつけました。
株価は12時30分現在、2,600円台で推移しており、時価総額は当初の予想を大きく上回り、1259億2,800万円と1,200億円超となっています。
時価総額1,000億円以上のいわゆる「ユニコーン企業」となったのは、6月に東証マザースに上場したクラウド名刺管理のSansan(サンサン)以来です。
今回の同社の株式公開は、国内の投資家はもちろん海外の投資家に対しても募集・売出しなどを同時におこなう「グローバルIPO(グローバルオファリング)」。
「グローバルIPO(グローバルオファリング)」は、過去にLINEやメルカリなどが採った方法でもあります。freeeによると、売り出し株の70%は海外投資家に向けての株だそうです。
直近の業績は、2019年6月を決算期とする2018年度(2018年7月〜2019年6月)は売上高45億1,600万円、営業損失28億3,000万円、経常損失28億5,000万円、当期純損失は27億7800万円となっています。
また、2020年度(2019年7月〜2020年6月)の予想は、売上高69億4,100万円、営業損失28億7,600万円、経常損失31億2,700万円、当期純損失31億3,500万円です。
このように、大幅な赤字上場となりますが、SaaSビジネスに長けた海外ファンドが既存株主に入っていることから、今後の成長が期待されます。