労働人口の減少、採用手法の多様化、学生の情報リテラシーの向上など新卒採用のハードルを高める要因はさまざまあります。採用担当者にできることとしては、いかに自社で活躍し得る人材を集め、セミナーや選考を通して学生を惹きつけるかということになるでしょう。
この採用戦線を勝ち抜くためには、「どれだけの情報を持ち、目標採用人数確保のためにPDCAを回せるか」が鍵になります。この時、他社を含む採用成功事例や成功施策の情報を多く持つ「採用のプロ」の力を借りることができれば、採用成功への道のりが明るくなるかもしれません。
本記事では、採用のプロが戦略支援してくれる「採用コンサルティング」について詳しくご説明します。参考にしていただけると幸いです。
1|採用コンサルティングとは?
コンサルティングとは、うまくいかない原因を分析し、問題解決に向けてさまざまな打ち手を提案することです。採用成功に向けソリューションを考え、運用支援をしてくれるサービスがあります。
また、採用担当者の育成をしたい場合にも有効です。採用コンサルタントにソリューション提供をお願いし、自社の採用担当と共に戦略実施を進めていくことができれば、会社にとって必要な採用ノウハウを自社内に蓄積していくことができます。
人材採用は、企業発展のためには欠かせないファクターです。長期的な目線で採用・育成をとらえれば、自社にあった採用戦術を確立するためにも、幅広い知見が必要になるでしょう。
こうした時に、市場動向を見ながら、あらゆる角度で採用を考える「採用コンサルタント」のような第3者の目線を取り入れることは、メリットの大きい選択といえます。
2|採用コンサルティングの支援内容
「採用コンサルティング」と一言で言っても、その支援内容は幅広くあります。ここでは、採用コンサルタントがおこなってくれる基本的な支援内容を5つご紹介します。
【Step1】採用計画のヒアリング
採用コンサルタントはまず、企業の新卒採用計画とどんな選考手法を検討しているかをヒアリングします。例えば、「いつまでに何人採用したいのか」「選考フローをどうするか」などです。
この点が自社内で固まっていない、決めきれないといった場合でも経営・人事・現場のそれぞれの意見を聞きながら俯瞰してアドバイスをしてくれます。
【Step2】求める人物像を明確にする
次に求める人材像を明確化していきます。この定義が詳細かつ現実的なものでないと、選考をしているうちに基準がぶれて、多くのロスが発生してしまいます。
また、現場が主張する人材要件が後々の人材の活躍に大きく影響してくるため、現場ヒアリングを徹底することも重要なポイントです。
求める人物像は、「ソフトデータ」と「ハードデータ」に分けて整理をしていきます。この時、あらゆる企業の採用支援を経験している採用コンサルタントが、明文化においてもアドバイスをくれます。
【Step3】母集団形成の場所を決める
求める人物像が決まると、次はそのような人材がいる「狩場」を検討します。狩場の種類は、ここ最近どんどん増えてきています。例えば、就活サイトや人材紹介サービスもその1つです。大規模なものから小規模なものまで様々ありますが、合同説明会やビジコンといったイベント型もあります。
また、ファンをつくるという要素を強く取り入れたい場合は、自社で魅力的なコンテンツを企画し、セミナーやインターンシップを開催するといった企業も増えています。
どこでどんなターゲット層に会えるかも年々変化することからも、市場に精通するプロの見解が助けになります。この狩場を見誤ってしまうと、その後の計画に支障をきたしてしまう場合も多くありますので、ここもコンサルタントの知見をフル活用する場面です。
若手のコンサルタントであっても、自身の体験を元にした学生トレンドや最近の就職活動についての情報を持っていることもあります。
【Step4】入社後のイメージを固める
定着率の向上を期待する場合は、コンサルタントが選考フローの見極めにアドバイスをしてくれることもあります。入社時の新卒研修と受け入れ側のOJT研修までを含めた採用計画を立案してくれる場合もあるでしょう。なかには、中途採用の突発的な欠員補充も含めた年間採用計画を提案してくれる優秀なコンサルタントも存在します。
【Step5】採用ブランディングを決める
広報にもきちんと力を入れたい場合には、採用ブランディングの設定もお願いすることができます。学生を口説く際に必要な、自社の強みや特色をヒアリングの中から見つけてくれます。また、一般的に採用ページに掲載されているような先輩社員へのインタビューなど、一貫した広告戦略を実現するべく、どの社員をフロントに登場させるかも提案してくれます。
求める人物像とフロントに出てくる社員が一致していないと大きな違和感を与えてしまうため、企業のイメージ・代表社員・求めている人物像はなるべく一致させることが望ましいです。ここもコンサルタントの客観的な視点で組み合わせてもらうのがよいでしょう。
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3|採用コンサルティングを活用するメリット
採用コンサルティングを活用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。
●最新情報を常にキャッチアップ
採用の動向は毎年のように変化しています。例えば、母集団形成1つとっても新しい方法がどんどん生まれてはアレンジされていきます。まさに採用は、毎年イノベーションが必要だといえるでしょう。また、就活のピーク時期も毎年微妙に変化しています。
さらに、形式的な採用開始時期だけでなく、学生が就職活動を始める時期というのもどんどん早期化しています。学生のネット検索ですぐに出てこないような情報が、勝ち負けを左右してしまうといっても過言ではありません。
このような最新情報を常にキャッチアップしていくことは、特に新卒採用以外にも兼務している採用担当者の方には、なかなか難しいことではないでしょうか。こんな時に助けとなるのが、次々と変化する採用のトレンド情報を多種多様に把握している「採用コンサルタント」です。
●採用の負担を軽減
採用コンサルティング会社に頼ってみることで心身ともに採用の負担を軽減することができます。採用活動は長期戦になりやすく、マンパワーとコストがかかる壮大なプロジェクトです。採用担当者は社内外で全く違うスキルを使い分け、フル稼働することになります。
まず、社内では何か1つおこなうにしても、予算確保のために経営陣に対しての明確な数値的根拠の提示や候補者に対する論理的な分析を実施しなければなりません。同時に社外では自社のアピールという名の営業活動と、相手がどうしても採用したい学生だった場合に、候補者1人ひとりに対するメンターもしくはカウンセラーによるフォローが必要となってきます。
そんなハードワークを課せられた採用担当者に寄り添う存在がいるだけで、安心要素になるのではないでしょうか。また、採用担当者と採用コンサルタントとの間にシナジーが生まれ、今まで思いもつかなかったような新たな施策を検討・実施できるなど、想像以上の効果も期待できるかもしれません。
4|さいごに
自社で活躍する人材を採用するためには、求人票を充実させるための人事制度など、まずは自社の魅力や新入社員が活躍する場を準備しなければならないと思いがちです。しかし、それを実現しようとすると、かなりの時間とコストがかかってしまいます。
順序は逆だと思われるかもしれませんが、優秀な人材を惹きつけるためには「採用コンサルタント」というプロの力を借りながら、かつ、企業の経営陣が積極的に採用に関わることがとても重要です。
人事部に任せっぱなしではなく、全社採用を掲げ、経営陣をはじめ現場も一体となって取り組むことで、絵に描いた餅ではなく、自社にぴったり合った優秀な人材を獲得できるのです。
このようにして採用成功を積み重ねることで、自然と独自の採用マニュアルもできあがっていきます。これが翌年度以降にブラッシュアップされていけば、ノウハウの継承にもなります。
優秀な人材は情報リテラシーが高いので、大手就活サイトに求人票を掲載しておくだけの待ちの姿勢では、会える機会がほぼなくなってきている時代です。こんな時代だからこそ、壁にぶつかった時は一度プロに任せ、自社にぴったりのユニークな採用手法を確立してみてはいかがでしょうか。