「人事のお悩み相談室2022」各社が抱える組織課題を3人のHR有識者と考える #HR NOTE CONFERENCE 2022 |HR NOTE

「人事のお悩み相談室2022」各社が抱える組織課題を3人のHR有識者と考える #HR NOTE CONFERENCE 2022 |HR NOTE

「人事のお悩み相談室2022」各社が抱える組織課題を3人のHR有識者と考える #HR NOTE CONFERENCE 2022

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

各企業における働き方が多様化する中、組織ルールを作る人事担当者や管理職の方々が抱える悩みは増え続けているのではないでしょうか。

本記事では、2022年8月23日・24日に開催したHR NOTE CONFERENCE2022より、株式会社YeeYの島田氏、株式会社スープストックトーキョーの江澤氏、ジャフコグループ株式会社の坪井氏、モデレーターとして株式会社Mentallyの西村氏が登壇したSession1-Eの内容をご紹介いたします。

本セッションでは組織に関する具体的なお悩みを事前にアンケートで募集し、その悩みについて、多くのHRに関するイベントやセミナーで登壇されている登壇者が、それぞれの立場から解決するための手法について、時間の許す限り回答していきました。

これから人事業務の中で生まれやすい組織課題について取り上げながら、それらを解決するための人事施策とは何か、そのヒントとなる実践事例についてご紹介いたします。

島田 由香|株式会社YeeY 共同創業者 / 代表取締役、アステリア株式会社CWO

慶應義塾大学卒業後、パソナを経て、コロンビア大学大学院にて組織心理学修士号取得。日本GEにて人事マネジャーを経験し、2008年ユニリーバ・ジャパン入社。2014年より取締役人事総務本部長に就任。人のモチベーションに着目し「WAA」など独自の人事施策を多数実行、同社はForbes WOMEN AWARDを3年連続受賞した。2017年に株式会社YeeYを共同創業し代表取締役に就任。マーティン・セリグマン博士やエド・ディーナー博士、タル・ベン・シャハー博士などウェルビーイング研究の世界的権威を招聘したカンファレスを行うなど、日本企業や社会のウェルビーイングリテラシー向上に貢献。企業の経営支援や人事コンサルティング、組織文化の構築支援などを通じて、日本企業のウェルビーイング経営実現に取り組んでいる。また、自身も1年の半分近くをワーケーション先で過ごすなど地域活性に情熱を燃やし、地方自治体の組織コンサルティングやワーケーションなどのコンテンツ開発支援、地域住民のウェルビーイングを高める仕組みづくりを行う。日本の人事部「HRアワード2016」企業人事部門 個人の部 最優秀賞。「国際女性デー|HAPPY WOMAN AWARD 2019 for SDGs」受賞。Team WAA! 主宰、Japan Positive Psychology Institute 代表。

江澤 身和|株式会社スープストックトーキョー 取締役副社長/人事本部長

短大卒業後、フリーターを経て2005年にスープストックトーキョーのパートナー(アルバイト)として株式会社スマイルズに入社。1年後に社員登用されて複数店舗の店長を歴任。その後、法人営業グループへ異動し、冷凍スープの専門店「家で食べるスープストックトーキョー」のブランド立上げと17店舗の新店立上げ・人材開発の責任者を務める。2016年、株式会社スープストックトーキョーの分社に際して取締役兼人材開発部長に着任。これまで育成してきたパートナーは300人以上、そのうち14人が正社員となるなど、人を通じた組織づくりを牽引する。現在は取締役副社長兼人事部本部長として“人を大切にする“を基軸とした12の人事制度を展開し、新たな採用・育成の仕組みづくりに取り組んでいる。

坪井 一樹|ジャフコグループ株式会社 ビジネスディベロップメント部 プリンシパル / HRBP

組織人事コンサルティングファームやIT系スタートアップ企業での勤務を経て、HRBPとして、組織開発・人材開発を中心とした戦略人事を実践。事業が社員数100名・売上100億から3倍に成長するまでの組織づくりを支援。2018年にDeNAへ入社後は、エンタメ領域のゲーム事業を軸にHRBPを担い、HRBPに関する社外発信もフルスイング。HR Japan Summit 2020/2021にて2年連続登壇。8月から日本で最も歴史のあるベンチャーキャピタルJAFCOにて、投資先のHRBPを複数社担当。

【モデレーター】西村 創一朗|株式会社Mentally 代表取締役社長

複業研究科/HRマーケター。1988年神奈川県生まれ。新卒でリクルートキャリアを経て、本業の傍ら2015年に株式会社HARESを創業。2017年1月に独立し、複業研究家として企業向けコンサルティングや、経産省「人材力研究会」の委員を務めるほか、『複業の教科書』を出版。独立後、3年間で3度メンタルダウンを経験し乗り越えた原体験を元に2021年10月にメンタルヘルステック領域のスタートアップとして株式会社Mentallyを創業。

Q1. 自律的なキャリア開発を促すために、人事ができることは何か?

「キャリアを考える」「キャリアを選ぶ」といった言葉が良く使われていますが、私は自分が進んできたものを後から振り返った際に現れた結果(世の中へのインパクト)こそキャリアだと考えています。

なので、「キャリアを考えよう」といった伝え方をするのではなく、「本当に何がしたいと思うの?」「どんなことにワクワクするの?」といった声かけを一人ひとりにおこなうことが大切だと思います。

私の場合は、キャリアの選択を迫られた方がいる際、いつも「ワクワクする方を選ぶように」と伝えていますね。

また、「自律」という言葉については、「自分の旋律を奏でる(自分らしくやる)」と解釈しています。人事としては、その人なりの個性を出すことができるように接してあげられると良いのではないでしょうか。

その人の強みや特性に気付き、それを直接本人に伝えてあげることで、本人がそのことを改めて気付くことができるようになると考えています。

「律する」の「律」が、「旋律」の「律」であるという部分は、非常に島田さんらしい考え方ですね。江澤さんは、いかがですか?

キャリアは「考えなければならないもの」と、少し重く考えすぎてしまいがちなケースが多いですよね。社員の中には「そもそもキャリアについて、どこから考えれば良いかわからない」といった方も多いのではないでしょうか。

このような場合、人は普段の仕事をしている中で、知らず知らずのうちに好きなこと、楽しいこと、興味あることに行動が伴ってしまっていると考えています。

なので、たとえば「今仕事をしてる中で夢中になる仕事は何ですか?」「やっていて楽しい仕事や好きなことは何ですか?」「多くのタスクがある中で一番最初に手をつけてしまうものは何ですか?」「反対に、後回しにしてしまうことは何ですか?」といったような質問をよくします。

このような考えるきっかけをどれだけ作り出せるかが重要で、自分の行動を振り返ってもらいキャリアに活かすことができるような声かけを意識しています。

「社員への声かけが大事」という点は、先ほどの島田さんの回答にも通ずるところありますね。そのように考えると、人事だけでなくマネージャーや管理職の方々の協力も必要になってくると思います。坪井さんは、いかがですか?

そもそも、「キャリア」や「自律」という言葉はビックワードです。会社の中でも人によって、これらの言葉の定義がズレていることがあると思います。キャリアに向き合えているとどんな状態になっているのか、から目線を合わせられると良いのではないでしょうか。

たとえば、社員の中には、“ジリツ”という言葉を聞いたときに「1つの業務を自分だけでやれるようになる状態」と考える人もいれば、それよりも少しハードルの高い「周りも動かしながら、チームを主導できる状態」をイメージする人もいることでしょう。これらの言葉の定義に齟齬が出ないように、自社が目指す“ジリツ”がどのような状態であるのかすり合わせをおこなっておくことが大事です。

そのためには、社内で過去のキャリアについて話したり、キャリアに対して周りの人たちがどう考えているのか聞いたりできる機会を作り、実際に社員と対話していくことから始めても良いのかもしれません。

Q2. 変化を好まない管理職の意識や行動をどのように変えていけばよいのか?

このような方が多い会社は、今まではその状態で評価されていたり、それが認められるような社風があったのではないでしょうか。もし、常にチャレンジや変革を求められる会社であれば、そのような状態は生まれにくいと思います。

なので、まずは会社の現在の状態を定期的にアナウンスすること、そして、個人で動くのではなく「会社全体として大きな変革をおこなう」といったメッセージを出してもらうことが、最初のステップだと思いました。

そして、会社全体の方向性を変えなければならない場合、今の会社が求める人物像やビジョンが社内でしっかり浸透していることがとても重要です。

スープストックトーキョーでも組織体制変更があった際に、これまで重きを置いてたことや認められていたことが変わる場面がありました。これによって今までプラスの評価を受けていた人たちが「自分たちの過去を否定されているのではないか」と誤解してしまうこともありました。

新しいステップに進んだり、環境を変化させなければならない場合は、必ずその変化に抵抗が生まれる場面があります。そこは、彼ら一人ひとりの声を聞き、紐解きながら理解し、その方がしっかり腹落ちできるメッセージを伝えていかなければなりません。

ありがとうございます。まさに今も直面されているリアルな話をお聞きできて、非常に参考になりました。

坪井さんは、様々な企業を経験されてきたかと思いますが、このような意識改革について取り組まれたことはありますか?

今やっていることが「正しい」と思っている方に「業務を変えて欲しい」「意識を変えて欲しい」「行動を変えて欲しい」といきなり伝えても、変わってもらうことは非常に難しいと思います。

このような場合は、「現在の私達がどのような状態で、どのような状態が理想だから、このようなことをしていきたい」といったように、「今までやっていたことの価値を高めるために業務を変えていきたい」という伝え方ができると良いと思います。

社内の方の意見を聞いた上での提案は、会社にとっても嬉しいことではないかと思います。

ありがとうございます。島田さんは、いかがでしょうか。

もちろんピラミッド型の組織では管理職やリーダーの変化が組織の変化に直結すると思いますが、まずは彼らの業務過多から改善すべきではないかと思っています。

私としては、どのようにすれば彼らが「Space(スペース)」を持っている状態になれるかを常に意識しており、私自身も「Space(スペース)」を持つことを大事にしています。

ここでの「Space(スペース)」とは、スケジュールや頭・心などの「空きスペース」といった意味だけではありません。「大きなものの中に自分たちがいる」「いつも外側と繋がっている」といった全体から自分を捉えることができる力としての意味で、自分の中に「宇宙(スペース)」を持つことができているかということも意識しています。

この質問に限らないのですが、自分から見えているその人の状況が本人の現実でないこともあり得ます。チャレンジや変革を好んでいなさそうだと思っていた社員が、実はそうでもない可能性もありますよね。

人はパッと見で判断してしまいがちですが、現実をしっかり捉えるスキルを持つことは、特に人事担当者や組織のリーダーに必要な観点だと思っています。

Q3.D&Iに比例して増え続ける制度…やめる基準や棚卸しをどのようにするべきか?

自分達で考えて実施していた施策や制度を止めることは、とても難しいことだと思います。特に人事施策は、その施策に対するポジティブな意見も一定は存在しているはずなので、止める結論を出しにくいケースが多いです。

このような場合、私は「目的で振り返る」ということが大事だと考えています。どのような施策であっても何かしらプラスの効果はあるので、「そもそもの目的が何だったのか」「その目的に対してどの程度ミートしたのか」とい情報から意思決定するしかないと思います。

私も、以前いた会社では、メンバーのジョブコンディションを知る目的でおこなっていた全事業メンバーとの年1回の面談を止めたことがあります。背景には、1年目は100名、2年目は150名、3年目は200名といった形で年々メンバーが増える中で、やはり時間がかなり多くかかってしまい、本来の目的であったメンバーのことを知ったうえで人事施策に取り組む動きが遅れてしまう結果となったことが挙げられます。

結果として、そこからパルスサーベイを取り入れることにしましたが、全員との面談を踏まえて人事施策を推進することには手応えも感じていたので、止める決断をしないといけなかったことが辛かったのを思い出します。

メンバーが増える中で、労働集約的におこなわずに仕組み化する意思決定をされたということですね。江澤さんは、いかがですか?

も、この数年はチーム始めた施策を止めたり違うものにするといった判断をしてきました。その判断基準は、実際働いている社員の状態と、会社が今後どうなっていきたいという理想がリンクした施策になっているかです。

また、難しい判断になるとは思いますが、一定反応がある施策でも全体として使う少ないものについては、止めていく勇気も必要だと思いますね。

この問いについて、島田さんからぜひ伺いできれ思います。島田さんの中で人事制度棚卸仕組みや廃止基準はありますか?

私の中では、そういったルールは全くありません。結局は、一番現場を知っている担当者の方が、自分で良いと思うものを残して、違うと感じたものを廃止する判断をしていくしかないと思っています。

もし、私がこの方の上司だとしたら、「どうしたらいいと思う?」「何したい?」「どれを残したい?」「どれをやめたい?」といったように聞いていくと思います。そして、その理由に納得できたら、公平に判断できる数名の社員に制度の廃止等についてヒアリングをおこない、最終的な判断を一緒におこなうでしょう。

一人ひとりの希望が異なる中で、会社全員の希望を満たすことはなかなか難しい。だからこそ、「会社として最も大事にしていることは何か」という点にフォーカスして、働きやすさへの追求(=各個人からの希望をどれだけ形にするか)の基準を決めるべきではないでしょうか。

Q4. 経営層への理解を求めるための工夫はなにか?

経営層への理解を求める前に、まずは「自分が経営層を理解しているか」と考えることが大事だと思います。加えて、経営層の理解をした上で実現したいことが何か、と自分に問いかけるところから始めたいですね。

そして、経営層の近くにいる方ならば、考えていることについて直接話す機会を作ることも大事だと思います。経営層から遠い方であれば、自分が実現したいことを周囲に話していく中で仲間を作り、機会が訪れたタイミングでしっかりと提案をして、経営層にイエスまたはノーの判断をもらう。フィードバックが来たら、そのフィードバックを受けてより良いものに変えていく。

このようなことの繰り返しでしかないと思っています。

経営層というような大きい単位で捉えるのではなく、経営層の中にキーパーソンをしっかりと見つけて関係性を築き、共通の問題意識を持って施策を進めていくことも大事だと思いました。

もちろん、誰がキーパーソンであるかは考えるべきだと思います。様々な情報を知っていて客観的にアドバイスをくれる人がキーパーソンの場合もあれば、賛同だけしてくれるような方の場合もあるでしょう。

そういった方を事前に見つけておいて、コミュニケーションを取りながら円滑に進めていくことは大事な工夫です。

Q5.グローバル企業の駐在員のモチベーションとリテンションの管理はどうしたらよい?

質問された方が駐在員の方々にフォーカスしている背景には、どこかに日本で働く社員と異なる状況を感じているからではないかと思います。それは言語や生活環境のことかもしれないし、はたまた、駐在先でのコミュニティ作りのこと、ご家族との関係性などについてかもしれない。

ただ、もし社員のモチベーションについて考えるのであれば、どのような地域で働く人でも同じことが課題であることが多いように感じます。結局は、「内発的動機」と呼ばれる内側から生まれてくるモチベーションが生まれにくいからだと考えています。

この「内発的動機」は、次の3つの要素があると高まります。1つ目は、その人が成長を感じるとき。2つ目は、自分で物事をコントロールできていると思えるとき。3つ目は、誰かと関われている(繋がっている)と感じるときです。

まずは、会社として「駐在員の方々にそのような場を提供できているか」といったことから考えてみてはいかがでしょうか。

また、リテンションについて大事となるキーワードは、エンゲージメントです。本人のやる気で自己完結できるモチベーションに対して、「この人のために」「このプロジェクトのために」「この会社のために」「この国のために」と第三者に前向きに関わる気持ちがあるものがエンゲージメントであり、これがリテンションに繋がります。これも、日本で働いているか、駐在員であるか、に関わらず言えることです。

Long Term Incentiveについても、「会社としてどのようなこと大事したいのか」「社員がいることによるポジティブインパクトが何か」を考えた上で、会社のパーパスと個人のパーパス結びついた時うまくいくその観点から、作ってみたら良いのではないかと思います。

Q6.店舗と本社の心理的な壁を取り払えるか?

店舗と本社では持ち場が異なるだけで、「どちらの仕事が大変か」「どちらの仕事が偉いか」といったことはありません。それぞれがチームとして働く上での役割分担ですので、店頭での仕事にはそこでの難しさや大変さがありますし、バックオフィスにはバックオフィスの難しさがあります。

しかし、このような心理的な壁が起きてしまう要因の1つとして、「それぞれの業務をあまり理解してない(そもそも業務内容を知らない)」ということが大きいと私は考えています。なんとなく想像で「自分たちの仕事は別の部署に比べて大変」などと思ってしまう方もいると思います。

これは私達の会社の場合もゼロではないと思っています。まずはそれぞれの部署の仕事がオープンな状態を作り、お互いに敬意を持てるように、そして全てのチームがそれぞれの持ち場で価値づくりをすることで同じビジョンに向かっていることを認識できるようにしたいと考えています。

そして、今の自分の仕事が切り抜けないものだと認識できたときに、はじめて「自分はここの部分を守ろう」「ここをもっと盛り立てよう」「ここともっと魅力的にしよう」という相乗効果が表れる流れが理想ではないかと思います。

また、働いてる個々人がしっかり互いのことを知り合うこともすごく大事かなと思ってます。私達の会社では、これからバックオフィスのメンバーも定期的にお店に行き、自分たちの仕事がどこに繋がって価値を生んでいるのか知る機会を作りたいと考えています。実際にお客様の反応がバックオフィスにとっても自分の仕事の成果ですので、そこまで自分たちでちゃんと見に行くことは、これから少しずつ取り入れていこうと思っています。

まさに、スープストックさんも目下取り組んでいる最中そうですね。相互理解が大事だということが非常に参考になりました

Q7. リファラル採用を全社で推進させるためには?

人事のお悩み➆(当日いただきました!)
全社でリファラル採用を推進することに苦労しています。現在は、月1件あるかないかです。働く社員のエンゲージは低くないと思っていますが、リファラル採用を増やすための効果的な政策がありますか?

まず始めは、何がボトルネックになっているのか、社員に聞いていくことが大事です。

「エンゲージメントは低くない」といただきましたが、恐らくまだ「見立て」がしっかり立っていないのではないかと思います。その中で様々なHowに走ってしまうと業務過多になり、そのPDCAを回して良いかわからなくなって、最終的に迷子になる可能性があります。

「なぜうちだとリファラルが進んでいないのか」「そもそもエンゲージメントが低くないと思っているが、本当にそうなのか」といったような形で、社員に聞くことから始めると良いかもしれないと感じました。

しっかりファクトを押さえて、何がボトルネックになるのかを見に行く部分から始めると良いのではないか、ということですね。ありがとうございます。

Q8. 組織のコンディションを把握する方法とは?

人事のお悩み⑧(当日いただきました!)
組織エンゲージメントなどのコンディションを見るために、何かツールを導入されていますでしょうか?コンディションを把握する方法が知りたいです。

HR Techのツールは様々なものがあるので、実際に試しながら自社に合うものを探したら良いと思います。

ただ、ここでのポイントは「どのツールが良いか」ではありません。そもそも何を測りたいと思っているのか、なぜそれを測るのか、といった目的がきちんとシェアされていること。

コンディション把握自体は、ツールを使わなくてもできます。現場にアンテナを立てる役割を持っている人事が、感覚だけで補えない部分についてツールを使う、と考えることが大事です。

また、簡単にエンゲージメントを測るためのものとしては「Q12(キュー・トゥエルブ)」というものがあります。

「日本におけるエンゲージメントが高い社員の割合は、2017年時点で5%しかなく、反対にエンゲージメントが低い社員の割合は70%だった」という調査結果があります。これらの割合も、この12個の質問から導き出されています。

この12の質問にはエンゲージメントを確認するためのヒントが多くあります。なので、まずはこの12の質問をそのまま聞いていく。簡単なフォームを作成し、それでエンゲージメントを見ていくことが一番お金もかけずに、定点的に信憑性のあるデータを取る方法ではないかなと思います。

島田さんに共有いただいた「Q12(キュー・トゥエルブ)」は、米国最大の調査会社であるギャラップ社が実施しているエンゲージメントの調査方法ですので、ぜひ調べてみていただけたらと思います。

Q9. 人材配置や育成を考える上で意識していることとは?

人事のお悩み⑨(当日いただきました!)
弊社では、一部の社員に業務が偏ってしまうことが多くあります。人材配置や育成を考える上で意識していることがあればお聞きしたいです。

この方の場合は、一部の社員の方に業務が偏ってることをわかっているので、偏っている内容や仕事量をどのように減らすことができるか、やり方を変えることはできないか、と考えてみてください。

また、チームに同じ強みを持った人材が固まり、持ってないスキルが共通してしまうと仕事が滞るケースもあります。メンバーの強みと業務内容等のバランスを見ながらチーム作りをする必要がありますね。

育成の観点では、私は社員が得意なことや好きなことをガンガンやるように伝えています。自分が苦手だったり不得意だったりすることも明確にシェアしあい、その部分を無理にやらせることはしないですね。

「いや、この苦手な部分に取り組みたいんだ」という本人のパッションがある場合は、「一緒にやってみよう」という形で得意な人と一緒にやってもらうなど、メンバーを組み合わせていくことを意識しています。

人材配置の視点だと、「定期的に大黒柱は引っこ抜く」という考え方もあるなと思いました。

少しハードかもしれないですが、そういう人が抜けることがある企業文化では、業務の偏りが起きた際の人材配置も受け入れやすくなる土壌ができます。

弊社では、2022年4月に社内で部長のシャッフルをしましたその入れ替わっいるので2年間でほぼ部署の部長がシャッフルされて属人なっていた業務が良い意味で整理されました。

弊社の社長が「絶対やる」と決めて、半年以上前から内示して着々と準備して実施したので新しい組織やチームで仕事を始めた際に動き始めることはできていると感じます。

この業務分担や配置換えについては、まさに直近でやってみたことで得られたものが多いと感じていたので、坪井さんの「大黒柱引っ抜く」という考えにはとても共感します。

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