試用期間中における雇用保険の扱いについて!原則必須となる理由も紹介 |HR NOTE

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試用期間中における雇用保険の扱いについて!原則必須となる理由も紹介

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従業員を新たに雇う際に試用期間を設けるケースがあります。試用期間中には、その従業員を本採用するか否かを判断するために業務の能力や適正を幅広くチェックします。
ただし試用期間中であっても、待遇や社会保険の扱いは一般の従業員と大きく変わりません。企業が雇用保険に加入しているときには、試用期間の従業員についても雇用保険に加入させる必要があります。
雇用保険非加入の状態で働かせると大きなリスクを負う可能性もあるので、十分気をつけましょう。
この記事では、試用期間中における雇用保険の扱いについて解説していきます。

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1. 試用期間中でも雇用保険や社会保険は加入すべき!その理由とは?

企業は試用期間を設け、新たに雇用した従業員の適性をチェックすることがあります。その際気になるのが、雇用保険に加入させるか否かという点です。
雇用保険というと一般社員のみのものであり、試用期間中の従業員は適用外なのではないかと考える人もいます。しかし、試用期間中でも特別な場合を除き、雇用保険へ加入させなければならないので気をつけましょう。

1-1. 雇用保険とは?

そもそも雇用保険とは、「雇用する従業員の生活の安定や支援を目的とした強制保険」のことです。
健康なときには問題なく働けていても、なんらかの事情で失業したときには収入が途絶えてしまうものです。また、育児や介護などを目的とした休業で収入が減ってしまうケースもあるでしょう。
雇用保険には、こういったリスクから従業員を守るという意味合いがあります。雇用保険に加入しておけば万一の際に給付金の支給をはじめとした支援を受けることができ、リスクを最小限に抑えられるのです。

1-2. 雇用保険の適用条件

雇用保険法では、企業の事業主は基準を満たす労働者を必ず雇用保険に加入させるよう定められています。特別な事情がないときには、試用期間中であっても従業員を雇用保険に加入させるようにしましょう。

一般的な企業には雇用保険への加入義務があります。株式会社など法人の事務所であれば、事業主が個人で働いている場合でも雇用保険に入らなければなりません。また、個人事務所であっても従業員が常時5人以上在籍するときには雇用保険加入の義務が発生します。

上記のような企業において、従業員が以下の(1)と(2)のいずれにも該当するときは、雇用保険に加入させましょう。

(1)31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。具体的には、次のいずれかに該当する場合をいいます。
・期間の定めがなく雇用される場合
・雇用期間が31日以上である場合
・雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合 ( 注 )
[(注)当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。]
(2)1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。

引用:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!|厚生労働省

1-3. 雇用保険の適用が除外となるケース

従業員の働き方によっては雇用保険の適用が除外されるケースもあります。
たとえば、1週間の所定労働時間が20時間以内となる場合には、雇用保険への加入義務はありません。また、昼間学校に通っている学生は雇用保険では労働者とみなされないため、雇用保険に加入させる必要はありません。

また、臨時に雇用して6カ月を超えない範囲で働く場合など、期間限定で雇用するときにも雇用保険への加入が必要ない場合があります。

とはいえ、試用期間を設ける場合のほとんどが長期的な雇用を見込んでいるため、この除外の例に該当することはほとんどないでしょう。こういった特別な条件がある場合を除けば、試用期間であっても雇用保険への加入が必要です。

1-4. 雇用保険への加入日

雇用保険への加入日は原則的に、試用期間初日からということになります。試用期間を終えてから加入させるといった方法は選べないので気をつけましょう。
試用期間初日の段階で業務時間が1週間20時間以内に収まるなどの理由で、雇用保険加入が必要ない場合もあります。この場合には、労働時間を増やすタイミングなど雇用保険加入の必要性が生じた段階で即座に加入させる必要があります。

このように、試用期間中であっても雇用契約を締結している状態に変わりないため、不当な待遇にならないよう気を付けましょう。雇用契約の原則や禁止事項について確認しておきたい方は、当サイトで無料配布している「雇用契約手続きマニュアル」もご覧ください。資料では雇用契約の結び方から解雇まで雇用契約の原則についてわかりやすく解説しているため、気になる方はこちらのフォームから資料をダウンロードしてご活用ください。

2. 試用期間中に雇用保険を加入しないリスク5つ

たとえ試用期間であっても、従業員を雇用したときには働かせる初日から雇用保険に加入させましょう。試用期間において雇用保険未加入のまま働かせると、従業員と企業双方が大きなダメージを負う可能性もあります。以下、具体的なリスクを1つずつ見ていきましょう。

2-1. 従業員が必要とする支援を受けられなくなる

雇用保険に加入していれば、失業手当や育児休業給付、介護休業給付といった制度を利用できます。しかし未加入の状態が続いている場合、こういった制度についても対象外となるため、万一の際に従業員が必要とする支援を受けられなくなるリスクが発生します。
育児や介護を理由として休業する際に十分な支援を受けられないことは、従業員にとって大きな負担です。また、試用期間中や試用期間満了のタイミングで解雇した場合、雇用保険未加入が原因で失業手当を受けられず、従業員が窮地に陥る例もあります。
試用期間中の雇用保険加入は、従業員を万一のリスクから守るという意味合いがあるため、加入手続きを忘れずにおこないましょう。

2-2. 従業員の次の転職が不利になることがある

雇用保険未加入だった場合、その従業員は退職後に再就職手当など就職促進にかかわる給付を受けられなくなってしまいます。
再就職にあたって受けられる給付には再就職手当のほか、就業促進定着手当や就業手当、常用就職支度手当などがあります。これらの給付条件は、前職で雇用保険に加入していることです。
また再就職の際には、応募先の企業に社会保険加入に関する情報が開示されることになります。この情報で雇用保険未加入が発覚しトラブルに発展するケースもあります。
最悪の場合、その従業員が再就職できなくなる可能性もあるので、十分気をつけましょう。

2-3. 罰則の対象となることがある

雇用保険への加入が必要であることを把握していながら未加入の状態にしておくと、是正勧告を受ける可能性もあるので注意しましょう。
違反している事実が認められた場合、まず労働局は企業に対して是正のための指導や勧告を複数回おこないます。それでも違反が是正されなかったときには、懲役6カ月以下または罰金30万円以下の罰則が科せられることになります。

2-4. 追徴金が発生する

雇用保険に加入していなかった場合、雇用保険料の追徴金や延滞金の納付を求められることもあるでしょう。基本的に雇用保険料は、企業と従業員が一定の割合ずつ支払うのですが、未加入だった場合は企業側の責任となり、全額を負担しなければならないケースもあります。

複数の従業員を雇用し、試用期間中に雇用保険に加入させなかったという場合、その追徴金や延滞金の金額が高額になるため注意が必要です。追徴金や延滞金は基本的にまとめて支払う必要があるため、企業経営に影響するほどの資金的ダメージを負う可能性も考えられます。

2-5. 企業の信頼が失墜するおそれがある

雇用保険未加入で試用期間中の従業員を働かせた結果、企業の社会的な信用が大きく低下するおそれもあります。企業のイメージダウンは、取引先との関係や採用活動に大きな影響を与えるため注意しなければなりません。

試用期間中の雇用保険加入について詳しく把握し、適正な運用を心がけることが大切です。社内で適切な運用ができないときには、弁護士に相談し雇用保険手続きを委託するなどの方法を検討しましょう。

3. 試用期間中に雇用保険への加入を忘れていた場合の対応

もしも、雇用保険への加入義務があるにもかかわらず会社が加入させていなかった場合には、問題に気付いた段階ですぐに対処しましょう。具体的な対応方法は以下の通りです。

3-1. 労働基準監督署へ連絡する

未加入の事実が発覚したときは、すぐに労働基準監督署へ連絡しましょう。早めに対処すれば、企業や従業員が抱えるリスクを最小限に留めることができます。必要な書類を準備して、事情をわかりやすく説明することが大切です。

3-2. 雇用保険料をさかのぼって納付する

雇用保険料はあとからでも申請すれば、さかのぼって納付することができます。ほとんどの場合、事情を話して申請すれば、2年以上という長期間さかのぼって雇用保険料を支払うことも可能です。
必要に応じて弁護士に相談するなどの工夫をして、正しい方法で雇用保険料を支払いましょう。

3-3. 従業員へ事情を説明する

雇用保険未加入だった事実について、従業員へ説明しておくことも重要です。すぐに加入手続きをおこなうことなどを伝え、安心して働いてもらえるよう配慮しましょう。必要に応じて再発防止策を講じることも大切です。

4. 試用期間中であっても従業員を雇用する際には必ず雇用保険に加入させよう

今回は、試用期間中における雇用保険への加入義務について解説しました。雇用保険をはじめとした各種社会保険は、試用期間中であっても加入が必須とされています。
雇用保険に加入させずに従業員を働かせたときには、追徴金や延滞金を求められたり罰則を課せられたりする可能性もあります。また、企業の信頼度も下がってしまうことになるので十分気をつけましょう。
例外的な条件がある場合を除き、従業員の試用期間をスタートさせるときには必ず初日から雇用保険を適用させたいものです。

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