組織開発フレームワークの選び方と効果的な使い方をわかりやすく紹介! |HR NOTE

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組織開発フレームワークの選び方と効果的な使い方をわかりやすく紹介!

  • 組織
  • タレントマネジメント

組織開発フレームワークの基本から実践手順、成功事例など、人事担当者が組織の効率と生産性を高めるための最新アプローチを解説します。

1.組織開発とは

組織開発とは、組織における課題を解消して、組織のパフォーマンスを最大化させるための取り組みのことです。ここでは、組織開発の目的・重要性や、組織開発と人材開発の違いについて詳しく紹介します。H3:組織開発の目的と重要性
組織開発は1950年代アメリカにおいて提唱された考え方で、日本には1960年代頃に伝達され、人と人の関係性やコミュニケーションなどの改善に活用されていました。

働き方改革や少子高齢化、人材流動化、グローバル化などの時代変化へ柔軟に対応し、組織の持続的成長を促進するため、現代において改めて組織開発の重要性が高まっています。H3:組織開発と人材開発の違い
人材開発とは、従業員の知識・スキル・態度に着目し、パフォーマンスを高めるための改善・向上させる取り組みを指します。
組織開発と人材開発では「対象」「目標」「アプローチ」において違いがあります。組織開発では「人と人との関係性」、人材開発では「一人ひとりの従業員」を対象にしています。また、組織開発の目標は「組織のパフォーマンス最適化」であるのに対して、人材開発の目標は「社員の成長」としています。
組織開発では従業員同士の関係性や相互作用を改善させるために、コミュニケーションの見直しやワークフローの変更、企業理念・ビジョンの共有といった手法を取ります。一方、人材開発では対象を個人としているので、社内研修やキャリア開発、セミナー、OJTといった手法で従業員の能力やスキルを伸ばします。このように、組織開発と人材開発では「アプローチ」の方法にも違いがみられます。
組織開発と人材開発の違いを正しく把握して、企業の課題に対して適切な施策を実施することが大切です。

2.効果的な組織開発フレームワークの選定

組織開発を成功させるためには、適切なフレームワークの選定が重要です。ここでは、組織開発に利用できるフレームワークの一例を紹介します。

2-1. ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは、組織の基本的な価値観や目指すべき方向性を明確にするフレームワークです。

  • ミッション(Mission):組織の存在理由
  • ビジョン(Vision):将来達成したい理想の状態
  • バリュー(Value):組織の行動指針や信念

組織の根幹をなす上記の3要素を明確にすることで、従業員のモチベーション向上や組織の目標達成につなげることが可能です。ミッション・ビジョン・バリューのフレームワークを利用することで、組織全体の一体感を醸成し、共通の目標に向かって努力する文化を育てることができます。

2-2.OKR(目標と成果の管理)

OKR(Objectives and Key Results)とは、目標設定と成果追跡を行うフレームワークです。組織全体、部署、個人のレベルで目標(Objectives)を設定し、それを達成するための具体的な成果(Key Results)を定めます。OKRにより、従業員と組織の目標を共有し、結び付けることができます。すべての従業員が同じ方向に向かって取り組める環境を構築できるため、組織開発のフレームワークとして役立ちます。

2-3.マッキンゼーの7S

マッキンゼーの7Sモデルとは、マッキンゼー・アンド・カンパニー社が提唱したフレームワークです。ハードとソフトの経営資源に区分し、下記の7つのリソースをもとに最適な事業戦略を考えることができます。
【ハード】

  • 組織の構造(Structure)
  • 戦略(Strategy)
  • システム(Systems)

【ソフト】

  • 共有価値観(Shared Values)
  • スキル(Skills)
  • スタイル(Style)
  • スタッフ(Staff)

これらの要素は相互に関連しており、バランス良く整えることで、組織のパフォーマンスを高めることができます。特に共有価値観は他の6Sを結びつける中核となり、組織文化の強化に寄与します。

2-4.タックマンモデル

タックマンモデルとは、チームの発展段階を「形成期(Forming)」「対立期(Storming)」「規範化期(Norming)」「遂行期(Performing)」「解散期(Adjourning)」の5段階で示すモデルです。
タックマンモデルのフレームワークを用いることで、チームがどの段階にあるかを把握し、その段階に応じた適切な管理とサポートを提供することができます。タックマンモデルでは「対立期」に衝突や混乱を生じる可能性があるとしています。

しかし、「対立期」を乗り越え「規範化期」「遂行期」に移行していくことで、一体感・結束力のある組織を作り上げることが可能です。
このように、組織の成熟度に応じた適切な介入により、組織のパフォーマンスを最大化し、組織全体の成果向上につなげることができます。

2-5.ワールド・カフェ

ワールド・カフェとは、参加者がリラックスした環境で自由に意見交換を行うことを目的としたフレームワークです。小グループでのディスカッションを通じて、参加者は多様な視点からアイデアを出し合い、創造的な解決策を生み出します。ワールド・カフェのフレームワークを利用することで、組織内のコミュニケーションを活発化させ、人と人の関係性を向上させることができます。

3.組織開発の実践手順

組織開発を効果的に進めるためには、適切な手順を踏むことが大切です。ここでは、組織開発を行う際の流れについて詳しく紹介します。

3-1.目的の明確化

組織開発の目的を曖昧にしたまま施策を進めてしまうと、想定しているような効果を得られない可能性があります。そのため、組織開発を始める前に、何を達成したいのか、どのような結果を期待しているのかを明確にすることが大切です。

3-2.現状把握

組織の現状を正確に把握することが、効果的な組織開発のための第一歩です。ただし、「コミュニケーションが少ない」「活気がない」といった漠然とした印象で現状を定義してしまうと、正しく現状を把握できておらず効果のある施策を実施できない可能性があります。

そのため、従業員の意見を聞くヒアリングやアンケート調査などを活用して情報収集し、事実と意見を区分したうえで客観的に課題の洗い出しを行うことが大切です。

3-3.課題の設定

課題の洗い出しができたら、組織開発により解決するための具体的な課題を設定します。従業員のスキル・能力に問題があるならば、人材開発により課題解決にあたる必要があります。組織の課題を見つけるためには、上司と部下や同僚同士などの従業員の関係性に着目することが大切です。

3-4. スモールスタートによるアプローチ

課題を設定したら、それを解消するためのアクションプランを設定します。組織開発は、小さな成功を積み上げるスモールスタートで始めるのがおすすめです。
組織開発は長期的な取り組みになるケースが多いです。

しかし、スモールスタートの場合では、短期的な目標を設定し、小規模なプロジェクトやチームで施策を行います。PDCAサイクルを早く回すことで、スピード感を持って施策を実施・改善させることが可能です。十分な先行事例が得られたら、全社展開を試みましょう。

3-5.効果検証・フィードバック

施策を実施したら取り組みの効果を検証し、必要に応じて改善を行うことが大切です。定期的なフィードバックと効果測定により、組織開発の取り組みを継続的に改善することができます。

4.組織開発フレームワークの実践事例

組織開発フレームワークを効果的に活用するためには、実際の事例を参考にすることが有効です。ここでは、他社の組織開発における成功事例の分析方法や、活用方法について詳しく紹介します。

4-1.成功事例の分析

成功した組織開発の事例を分析することで、何がうまくいったのか、どのようなアプローチが効果的だったのかを理解することができます。自社と同じ課題を抱えている企業の組織開発の成功事例を参考にすれば、どのようなフレームワークを利用すべきか、どのような手順で組織開発に取り組むべきかが具体的になります。

4-2.全社展開へのアプローチ

組織開発をスモールスタートで進める場合、自社のなかで成功事例が生まれるケースもあります。その場合、正しい方法で全社展開することで、より大きな効果を生み出すことが可能です。
成功事例を全社展開する際は、活用したフレームワークや具体的なプロセス、得られた成果などを詳細に分析し、現場の従業員にわかりやすく伝えることが大切です。適切に周知できれば、組織のパフォーマンスを向上させるために、従業員が当事者意識を持って取り組めるようになります。

5.フレームワークを活用した組織開発で生産性を高めよう

組織開発フレームワークを活用することで、効率よく組織全体のパフォーマンス向上を目指すことができます。フレームワークは、組織の目標達成に向けた道筋を示し、従業員が共通の目標に向かって努力するための基盤を提供します。しかし、どのようなフレームワークが自社の組織開発にあっているかは、組織の目的や課題などによって異なります。そのため、目的を明確化し、それにあったフレームワークを導入するようにしましょう。

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