2019年10月3日、株式会社パーソル総合研究所が「中間管理職の就業負担に関する定量調査」の結果を発表しました。
※本記事における「中間管理職」とは、現場に一番近いファーストラインの管理職のことです。
調査結果は以下の通りです。
- 働き方改革が進んでいる企業群と進んでいない企業郡を比較すると、働き方改革が進んでいる企業郡の方が中間管理職の負担感が増している。
- 中間管理職が抱える業務上の課題について、中間管理職本人と人事の認識に食い違いがある。
- 中間管理職の負担が高い企業郡では、多種多様な問題を抱えている。
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本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
調査結果詳細
詳しい調査結果について、記載します。
中間管理職への負担感が増している
中間管理職2000人に対しての「就業負担」の調査結果は、以下の図のようになっています。
この図からは、「働き方改革が進んでいない企業郡」の中間管理職よりも「働き方改革が進んでいる企業郡」の中間管理職の方が、働き方改革により負担が増えたことを感じているとわかります。
働き方改革により非管理職の労働時間が削減されてしまったため、「管理職の業務量の増加」や「組織の業務量の増加」を感じる中間管理職の割合が高くなっていると推測できます。
また、「人手不足」「時間不足から付加価値を生む業務に着手できない」「後任者の不在」など、根本的な課題や改善するための方策に目を向けている中間管理職が多くいることも伺えます。
中間管理職と人事の認識に食い違いがある
「中間管理職が抱える業務上の課題」について、中間管理職と人事(企業)の認識を調査した結果は、以下の図のようになっています。
中間管理職側は「人材や時間の不足」に課題感を感じているのに対し、人事(企業)側は「法やリスクへの対応」に意識が向いていることがわかります。
調査では、この認識のズレがあるために人事側から中間管理職に対して支援やサポートをおこなうことができていないことも示されています。
上図のように、人事担当者の24.0%が中間管理職に対しての支援やサポートを「特におこなっていない」と回答しています。
まず中間管理職の抱える負担をしっかりと把握し、働き方改革により負担が増してしまっている中間管理職のケアをする必要があるかもしれません。
負担が高い企業郡は多くの問題を抱える
また、以下の図からは、負担が高い企業郡の中間管理職の方が高い確率で多種多様な問題を抱えていることがわかります。
中間管理職が抱える負担は、人事担当者の方が思っているよりも多くあります。
中間管理職が課題と感じていることをしっかりと把握し、過剰な負担をかけてしまうような「中間管理職頼み」の経営をしないことが大切です。
まとめ
各企業で働き方改革が実施される中、「中間管理職の負担が増加していること」「中間管理職に対しては人事上の取り組みがあまり実施されていないこと」がデータから明らかになりました。
働き方改革により非管理職の労働時間が削減され、中間管理職にその負担がしわ寄せされています。
労働時間を削減することだけを考えるのではなく、業務の効率化や生産性をしっかりと考慮しながら、中間管理職の業務量や役割、権限などもしっかり管理するようにしましょう。
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