話題の「週休3日制」は導入すべき?|日本マイクロソフトやみずほ、ファーストリテイリングも取り入れる制度の中身 |HR NOTE

話題の「週休3日制」は導入すべき?|日本マイクロソフトやみずほ、ファーストリテイリングも取り入れる制度の中身| HRNOTE

話題の「週休3日制」は導入すべき?|日本マイクロソフトやみずほ、ファーストリテイリングも取り入れる制度の中身

2021年618日、今年度の「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」が閣議決定されました。政府が引き続き働き方改革を推進する中で、新たに盛り込まれた取り組みが「選択的週休3日制」です。

「ジョブ型正社員の更なる普及・促進に向け、雇用ルールの明確化や支援に取り組む。(中略)選択的週休3日制度について、育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促し、普及を図る。(中略)これらの取組により、多様で柔軟な働き方を選択でき、安心して働ける環境を整備する」

(出典)内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2021」

実は、現在の制度下でも週休3日制は実現可能であり、実際に一部の企業では週休3日制を導入しています。

そのため、今回取り上げられた「選択的週休3日制」は政府が企業側に導入を促すものであり、最終的に導入するかどうかの判断は企業に委ねられています。

今回は、週休3日制の概要や先行事例などを紹介しながら、将来的に週休3日制を導入する際に検討すべきことについてまとめます。

1. 「週休3日制」とは?

そもそも「選択的週休3日制」とは、従業員の希望に応じて一週間の休みを3日に、つまり週休3日を選択することができる制度です

厚生労働省の2020年の調査では、調査対象企業の8.3%が完全週休2日制より休みの多い制度を既に導入しており、中には選択制ではなく、一律の週休3日制を実施している企業もあります。

(出典)厚生労働省「就労条件総合調査」

週休3日制を政府が推進する背景には、ヒューマン・ニューディール(人材への投資)政策の実現があります。

経済構造が変化し人材投資の重要性が増す中で、働きながら学べる環境を整備する施策の一環として「週休3日制」の導入が挙げられています。

2. 「週休3日制」には3パターンある!導入企業の事例をご紹介

現在実施されている週休3日制には主に3つのパターンがあり、「法定労働時間である週40時間を維持するのか減らすのか」「給与を維持するのか減らすのか」の2点で区別することができます。

それぞれのパターンごとの企業事例と合わせて見ていきましょう。

<1>
労働時間を減らすが、給与は維持する
(日本マイクロソフト株式会社)

日本マイクロソフトでは、「18時間労働で週4日勤務をしながら給与は従来通り」というパターンの週休3日制を試験的に採用しています。

また、週休3日制と合わせて会議の短時間化といった従業員の生産性を上げる方策を組み合わせることで、労働時間を減らしつつパフォーマンスを維持する取り組みをおこなっています。

これらの取り組みに対して、社内の従業員アンケートでは92.1%が満足したという結果が出ているようです。

<2>
労働時間を減らし、給与も減らす
(株式会社みずほフィナンシャルグループ)

みずほフィナンシャルグループでは、「18時間労働で週4日勤務をしながら給与も減る」というパターンの週休3日制を導入しています。

このパターンでは、労働時間が80%に減ったのに応じて、給与も80%に減ることとなるため、従業員の希望によって週休3日、あるいは週休4日を選択することができる制度として導入しています。

給与は週休3日の場合、従来の8割、週休4日の際は従来の6割となります。

<3>
労働時間を維持し、給与も維持する
(株式会社ファーストリテイリング)

ファーストリテイリングでは、「110時間労働で週4日勤務をしながら給与は従来通り」というパターンの週休3日制を導入しています。

4日、110時間勤務であるため、フルタイム勤務と同じ給与を支給することができる変形労働制であり、1日当たりの労働時間は増えますが、1週間の労働時間は変わらずに確保できます。

週に3日プライべートの時間を確保しながら、育児や介護、勉強に時間を使えるので、従業員からは好評のようです。

3. 週休3日制のメリット・デメリット

このように、多くの企業で検討され始めている週休3日制ですが、そのメリットやデメリットを総合的に考えた場合、果たして有効な施策なのでしょうか。

ここで、週休3日制を導入するメリットとデメリットについてまとめてみます。

メリット

デメリット

  • 生産性の向上とアイディアの活性化
  • 育児や介護と仕事の両立
  • コストの削減
  • 人材不足の解消
  • 感染症のリスクを減らす
  • 業務に支障が出る
  • ビジネス機会の損失
  • 給与の減少
  • コミュニケーション量の減少
  • 制度の見直しや新しい体制を築くのにコストがかかる

週休3日制のメリットは、休日が増えることによる「生産性の向上とアイディアの活性化」や、従業員の出勤日数が減ることによる「コストの削減」などが挙げられます。

週休3日制を導入することで、従業員が勉強や自己研鑽、あるいは社外の人間とのコミュニケーションに使う時間が増えることで、従業員が柔軟に思考し業務に関するアイディアが浮かんできたり、光熱費や毎日一定の残業時間が発生する職場では、出勤日数が減ることで残業代の削減にも繋がることでしょう。

反対に、週休3日制のデメリットは、「ビジネス機会の損失」や「コミュニケーション量の減少」などが挙げられます。

週休3日制により労働時間・労働日数が減ることになれば、アポイントメントの都合が合わなかったり、取引先や顧客とのコミュニケーションにタイムラグが生じ損失が生まれる場合がありますので、取引先への事前の説明や他の従業員が対応できる体制を整えるなどの準備が必要です。

また、従業員同士、あるいは上司と部下のコミュニケーションが不足するという懸念があるので、チャットツールやクラウド型システムの導入を検討するなど、代替手段を用意する必要があります。

以上のメリット・デメリットを踏まえて、週休3日制を導入する際は、自社にとって本当に有効な施策かどうかを検討しましょう。

4. 週休3日制を導入するにあたって考えるべきことは?

最後になりますが、週休3日制を導入するに当たって、事前に考えておくべきことは以下の通りです。

①導入する目的の確認

ワークライフバランスの充実、育児や介護と仕事の両立、残業の削減など、何のために週休3日制を導入するのか確認しましょう。

②対象者の選定

週休3日制の対象者は全員か、あるいは希望する従業員だけにするか決めましょう。事前に従業員の意見を聞きミスマッチを減らすことも重要です。

③目的に合わせた制度の決定

目的に合わせて、前述した三つのパターンのうちどの形の制度を導入するか決めましょう。また、導入を一定期間のみにするのか、年間を通して実施するのかも決定しましょう

④副業や兼業の解禁

休日が増えることで、副業や兼業を考える従業員が増えることが見込まれます。従業員自身のスキルアップ・キャリアアップが企業の業績向上にも繋がるため、企業として認めるかどうかの検討も必要です。

⑤有給休暇と平均賃金の算定

年次有給休暇が比例付与となる場合があります。また、賃金を日給制や時間給制で計算している場合は、最低保証額の変動についても留意しなくてはなりません。

5.まとめ

先行して導入した企業の事例から分かるように、週休3日制は生産性の向上や職場環境の改善といったメリットがあります。

ただ、制度の形によっては週休3日制を導入しても労働時間が変わらなかったり、実質的に給与が減少していたりする場合もあったりするので、意図せず従業員のモチベーションを下げてしまうかもしれません。

こういった事態を避けるために、週休3日制の導入を判断する際には従業員からのヒアリングや自社の抱えている課題を明確化させ、目的や従業員のニーズに合わせた週休3日制を採用することが重要です。

また、必要に合わせて有給休暇や既存の休暇制度を活用することも有効でしょう。

週休3日制はあくまで手段であって目的ではありません。今後の政府の動きに注目しながら、状況に応じて導入を検討しましょう。