勤怠管理の目的は?必要性・重要性や起こりうる問題を解説 |HR NOTE

勤怠管理の目的は?必要性・重要性や起こりうる問題を解説 |HR NOTE

勤怠管理の目的は?必要性・重要性や起こりうる問題を解説

  • 労務
  • 勤怠管理

勤怠管理の目的とは

勤怠管理は企業が従業員を雇用するうえで、大切な業務の一つです。
しかし、その目的やなぜ必要なのか正確に説明できる方は意外と少ないでしょう。 
また、勤怠管理をするうえで会社の状況や規模によって起こりうる問題点があります。
今回は、勤怠管理の目的や起こりうる問題点について解説します。

自社の勤怠管理は法改正に対応できているか不安な方へ

働き方改革が始まり、法改正によって労働時間の客観的な管理や年次有給休暇の管理など、勤怠管理により正確さが求められることとなりました。

しかし、働き方改革とひとことで言っても「何から進めていけばいいのかわからない…」「そもそも、法改正にきちんと対応できているか心配…」とお悩みの人事担当者様も多いのではないでしょうか。

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2024年では新たな制度の適用や既存のルールの変更・拡大がおこなわれます。
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1. 勤怠管理の目的は?なぜ必要?

勤怠管理をする目的を把握するために、ここでは3つのポイントで解説します。

1-1. 正確な労働時間を把握して賃金を支払うため

従業員に給料を支払うために実施する給与計算は、勤怠管理が適切におこなわれないとできません。正確な給与や残業代を支払うためには、休日労働や時間外労働の把握も必要となります。給与額は社会保険料や税金の額にも関わってくるため、正しい勤怠情報を得ることは非常に重要です。

1-2. 従業員の健康を守るため

現在日本では、労働人口不足を背景に、多様な働き方や生産性向上を目指した「働き方改革」が推進されています。そのなかで、長時間労働の是正は重要な問題です。

長時間労働は従業員が食事や睡眠に当てる時間の減少につながり、十分な休息を妨げます。また、身体的な疲労だけではなく精神状態にも悪影響を及ぼし、通常どおりに働くのが難しくなる可能性もあります。
そのため、勤怠管理で労働時間を適切に把握して、従業員の長時間労働を防ぐことは非常に重要です。

1-3. コンプライアンスを守るため

勤怠管理を適切におこなうことは、コンプライアンスの遵守につながります。
仮に、長時間労働が原因で過労死が起こった場合には、重大なコンプライアンス違反となります。その結果、訴訟される可能性が高く、社会的な信用を失いかねません。
適切な勤怠管理を実施することで、トラブルを防止し、健全な経営管理を推進することが重要です。

とはいえ、「自社の勤怠管理がきちんと法律に対応できているのかわからない…」という勤怠管理のご担当者様も多くいらっしゃると思います。当サイトでは、法改正に伴って企業がするべき正しい勤怠管理方法を確認できる資料を無料配布しています。法律に則った勤怠管理をしたいご担当者様は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

2. そもそも勤怠管理とは?必要性や重要性を詳しく解説

勤怠管理しているイラストそもそも勤怠管理とは、従業員ごとの就業状況を管理することです。従業員がいつ出勤・退勤したのか、また労働時間だけでなく休憩時間などを記録して総労働時間も把握する必要があります。勤怠管理で把握すべき項目には、実際の労働時間だけではなく、有給休暇の取得状況なども含まれます。

2-1. 勤怠管理と人事管理・労務管理・就業管理の違い

勤怠管理と似たような言葉に「人事管理」「労務管理」「就業管理」があります。
人事管理は、従業員の能力が最大限発揮されるように人材配置したり、研修などで効率的な人材能力の向上を図ったりする、従業員に関する全般的な管理のことです。労務管理は、労働条件を調整することや労使関係等を良好に保つことなど、労務にかかわる内容を管理することです。
そして、勤怠管理は労働時間や休日などの勤怠状況を管理しているため、人事管理や労務管理に内包されています。

就業管理は勤怠管理と混同してしまいがちですが、意味が異なる単語です。就業管理は従業員の勤怠や出欠勤、休暇取得などを把握したうえで、就業規則と法令が遵守されているか管理することを指します。具体的には、従業員の労働時間が労働基準法で定められている上限内に収まっているのか、健康に配慮した働き方ができているのかなどを管理します。

2-2. 勤怠管理で必要な項目

勤怠管理で必ず管理しなくてはならない項目は、以下の6つです。

  • 労働日数
  • 労働時間数
  • 始業・終業時刻
  • 深夜労働時間数
  • 有給休暇日数
  • 時間外労働時間 

そのほかにも実務上管理したほうがよいものとして、欠勤日数や、休憩時間等があります。

2-3. 勤怠管理が必要な事業所と労働者

勤怠管理が義務づけられている事業所は、労働基準法において労働時間にかかる規定(労働基準法第4章)が適用されるすべての事業所です。つまり、従業員を雇う大半の事業所が該当します。なお、農業や水産などの天候によって仕事する日が左右される一定の業種は除外されます。

また、労働安全衛生法により、労働者が50人以上いる場合には、産業医を選任して従業員の健康管理をおこなわなければなりません。これは職場において労働者の健康管理などを効果的にするために重要となります。[注1]
労働者数が50人に満たない企業も医師または保険師に対して、勤怠情報を提供するように努める必要があるので注意しておきましょう。

なお、勤怠管理は原則すべての従業員に対しておこなう必要があります。管理監督者に関してはこれまで勤怠管理が義務付けられていませんでしたが、2019年の働き方改革関連法により労働安全衛生法が改正され、勤怠管理が義務付けられるようになりました。
ただし、雇用形態が従業員とは異なる役員に関しては、勤怠管理が義務付けられていません。

[注1] 産業医について ~その役割を知ってもらうために~|厚生労働省

3. 勤怠管理の方法

会議しているビジネスマンここからは、勤怠管理の方法を3つ紹介します。

3-1. エクセル

エクセルに始業時間、就業時間、残業時間を打ち込むことで、従業員ごとの勤怠情報を一括管理できます。低コストで利用することができ、関数設定や書式設定をすれば自動で労働時間の集計をおこなうことが可能です。ただし、入力ミスによってエラーが出てしまったり、法改正時に数式を更新したりする必要があるため、集計ミスや法律違反が発生しないよう注意する必要があります。

3-2. タイムカード

タイムカードをかつようすrは、従業員が出勤時と退勤時にタイムレコーダーへの打刻することで勤怠情報を記録します。低コストで導入でき、従業員も手軽に操作することができます。ただし、基本的にはタイムレコーダーが設置されている場所でしか打刻できないため、テレワークやリモートワークを推進している場合には対応できません。

3-3. クラウド勤怠管理システム

クラウド勤怠管理システムとは、パソコンやスマートフォンで簡単に打刻できるシステムです。リアルタイムでの打刻がしやすいので、適切に労働時間を管理でき、残業代の支払いも正確におこなうことができます。自宅や外出先からでも打刻できるため、リモートワークにも適しているでしょう。また、法改正にも自動で対応できることも魅力です。システムを導入すると管理費用が発生しますが、利便性・実用性が非常に優れています。

4. 勤怠管理の具体的な業務内容

勤怠管理の具体的な業務内容は、以下の通りです。

4-1. 労働時間や残業時間の記録

労働時間や残業時間の記録は、勤怠管理における重要な業務です。労働安全衛生法の改正により、2019年4月から、企業は従業員の労働時間を客観的な方法によって把握することが義務付けられました。客観的な方法としては、タイムカードや勤怠管理システムなどが挙げられます。従来の出勤簿などは、客観的な方法として認められない可能性が高いため注意が必要です。

4-2. 給与計算への対応

勤怠管理において記録した労働時間や残業時間は、給与計算にも用いられます。記録した勤怠情報を給与計算の担当者へ提供することで、正確な給与額を計算できるため、間違いのないように注意しましょう。

システムを用いる場合は、給与計算システムと勤怠管理システムを連携させるのがおすすめです。勤怠情報を自動的に共有して正しい給与額を計算してくれるため、手作業でデータを入力する手間を省けます。

4-3. 法律違反がないかのチェック

労働基準法などに違反していないかチェックすることも、勤怠管理における重要な業務のひとつです。たとえば、時間外労働の上限は月45時間・年360時間までと定められています。違反すると、従業員の健康状態が悪化したり、労働基準監督署から指導を受けたりする可能性もあるため注意しましょう。

勤怠管理システムを活用すれば、現状の残業時間をリアルタイムで把握できるため、法律に違反する前に業務を再配分したり、働き方を改善したりすることが可能です。

5. 勤怠管理ではトラブルも?起こりうる問題点とは

勤怠管理システムのログイン画面企業は給与計算や賃金台帳の作成のためにも勤怠管理をおこなう必要がありますが、時にはトラブルも生じます。
ここでは、3つの起こりうる問題点について解説します。

5-1. テレワークの勤怠管理

テレワークでの勤怠管理をシステム上でおこなわない場合、基本的に自己申告による勤怠管理となります。
そのため、業務に取り組んでいない時間帯があっても、上司や人事担当者が管理しきれない可能性が高いでしょう。
また、テレワークだと仕事のプロセスが確認できないため、評価する際は業務の成果のみに頼らざるを得なくなります。

5-2. 従業員が増えた際の勤怠管理

勤怠管理の形式が従来の出勤簿やタイムカードなどの場合は給与計算をする際にデータを手入力する必要があり大幅に時間がかかってしまいます。作業効率が悪いだけではなく、入力ミスなどにより給与計算を間違える恐れがあります。

5-3. 代理打刻や改ざんなどの不正

タイムカードや紙媒体などのアナログな勤怠管理をおこなう場合、代理打刻や改ざんといったの不正が起きる可能性があります。タイムカードは押す時間を変更することができ、紙媒体は他者が勝手に書き換えることも可能です。その結果、本来は支払う必要のない残業代のコストがかかるなど、会社が不利益を被る恐れがあります。

6. 勤怠管理をおこなう際の注意点

デスクに向かって記入している様子勤怠管理をおこなう際には、トラブルを起こさないためにも注意すべき点がいくつかあります。
ここでは4つの注意点について解説しますので、チェックしておきましょう。

6-1. 勤怠管理は原則1分単位でおこなう

原則、労働時間は1分単位で計算する必要があります。
労働時間の切り捨ては、労働基準法第24条の「賃金全額払いの原則」に違反します。そのため、15分単位や30分単位で切り捨てることは違法です。[注2] 就業規則に切り捨ての記載がされている場合、就業規則の当該記載部分は労働契約として効力がなくなり、切り捨ては無効となります。

[注2] 労働基準法第24条(賃金の支払)について|厚生労働省

6-2. 年5日の有給取得が義務化

通常、従業員が休暇を取得した場合、賃金を支払う必要はありませんが、有給休暇の場合は賃金を支払わなければなりません。労働基準法の改正に伴い、年に10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、年間5日以上の有給休暇取得が義務付けられました。なお、この労働者には、管理監督者や有期雇用労働者も含まれるので注意しましょう。

6-3. 管理監督者の勤怠管理義務化

管理監督者は、業績結果や業務遂行の監督をおこなう労働者のことを指します。
これまで、管理監督者の時間外労働には上限規制がなく、勤怠管理も義務付けられていなかったため、月の労働時間がどのくらいか把握できていませんでした。

しかし、2019年4月に施行された働き方改革関連法により、管理監督者を含め、従業員の長時間労働の是正が必要となっています。これは各従業員の業務負担減を目指すことによる、管理監督者の過重労働を防ぐためです。管理監督者は重要な職務を有していたり、経営者と一体的な責任を有していたりするため、どうしても業務量が多くなってしまいます。その分、健康状態を考慮する必要があります。

6-4. 厚生労働省のガイドラインを確認する

厚生労働省から勤怠管理に関して、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」というガイドラインが公開されています。ガイドラインによると、始業・終業時刻の確認や記録の原則的な方法は、以下のようになっています。[注3]

  • 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること
  • タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること

タイムカードや勤怠管理システムを導入するなど、ガイドラインに従って勤怠管理を実施することが大切です。

[注3] 労働時間の適正の把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準|厚生労働省

7. 正確な勤怠管理には勤怠管理システムがおすすめ

正確な勤怠管理を実施するためには、便利なシステムを導入するのがおすすめです。勤怠管理システムを導入する目的としては、勤怠管理や給与計算の業務を効率化すること、多様な働き方に対応することなどが挙げられます。

クラウド型の勤怠管理システムであれば、パソコンやスマートフォンから簡単に打刻でき、正確な出退勤時刻を記録できます。自宅や外出先からでも打刻できるため、リモートワークを推進している企業や、外回りの営業スタッフが多い企業にも最適です。多様な働き方への対応が求められているなか、勤怠管理システムの必要性は高まってきています。

8. 勤怠管理の目的を理解して、労働基準法に則った正しい管理を

チェックシートに記入している様子今回は、勤怠管理の目的や、勤怠管理を怠ることで起こりうる問題について解説しました。
勤怠管理の目的は、正確な給与計算や賃金台帳の作成に加えて、従業員の健康を守ることにあります。「働き方改革」が推奨される昨今では、長時間労働を防ぐことは法令遵守にもつながり、会社の信頼にも関わります。

実際に勤怠管理をおこなう方法はエクセルや勤怠管理システムなどがありますが、自社に適した方法で管理することが大切です。実際に管理する際には厚生労働省のガイドラインを参考にして、有給休暇を年5回以上取得したり、1分単位での勤怠管理したりする必要があります。2019年の法改正を考慮して、労働基準法に則った勤怠管理を実施しましょう。

自社の勤怠管理は法改正に対応できているか不安な方へ

働き方改革が始まり、法改正によって労働時間の客観的な管理や年次有給休暇の管理など、勤怠管理により正確さが求められることとなりました。

しかし、働き方改革とひとことで言っても「何から進めていけばいいのかわからない…」「そもそも、法改正にきちんと対応できているか心配…」とお悩みの人事担当者様も多いのではないでしょうか。

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