インドネシア人が仕事してくれない?改めて確認すべきポイントとは|HR NOTE

インドネシア人が仕事してくれない?改めて確認すべきポイントとは|HR NOTE

インドネシア人が仕事してくれない?改めて確認すべきポイントとは

  • 編集部より

インドネシア人と一緒に仕事をしてみると、つい日本での環境と比べてしまい、当たり前のことが当たり前に進まず、自社の従業員だけができていないのか、と不安に感じられる方、思わず苛立ちが募ってしまう方もいらっしゃるかと思います。

実際、インターネットで検索してみると、「インドネシア人は仕事ができない」「だからインドネシアは発展できない」というような記事も多く見受けられます。

今回は、多くの駐在員の方が、できていないと感じるポイント、またどういった解決策があるのかをまとめました。

私たちが「できない」と感じてしまう3つのポイント

主に、下記の3点が、日本人の考え方とのギャップがあることもあり、私たちが、できないと感じている点ではないでしょうか。

1.時間が守れない

Jam karet(ジャム カレット)「ゴムの時間=時間は伸びるもの」という概念・言葉があり、例えば日本の会社で普通に行われている「5分前行動」も、インドネシアでは期待できません。

背景として、渋滞も理由の1つかと思います。とはいえ、渋滞を見越して、はやめに行動する、なんてことができている人はあまり多くないと思います。そのためスケジューリングには余裕を持つことが大切です。

またアポイント等での訪問の際は、前日、当日と担当者にリマインドをしてから訪れることをお勧めします。

2.自発的に行動できない

インドネシアの方々はとても素直です。そのため、指示された事などは愚直に実行します。(仕事の質は人それぞれですが。)しかし、「指示された範囲だけで実行する人」も多く、与えられた業務が終わってしまうと、次の指示がくるまでは動きません。

そのため、自分の担当業務さえ終わってしまえば、まだ就業時間内であったとしても、他にすべき事を探さずに過ごす社員も少なくありません。

ただ、この点は、インドネシア人に限ることではないと思います。そのため、日本人のスタッフに対しての対応と同じように、相手に意見を求め、発言させる、そして行動させ、物事がうまくいったら褒めてあげる、そういった繰り返しで自発的に、考えて行動するという流れを一緒に作り出すことが可能になるかと思います。

3.報連相ができない

そもそも報連相は日本文化が言葉になったものです。どうして随時報告をしないといけないのか、どの段階でなにを相談しないといけないのか、どうして自分の次の行動を連絡する必要があるのか、細かく例を交えた説明がないと、彼らにとっては、新しい言葉・考え方のため、よくわからない理解のできないことではないでしょうか。

2つ目のポイントとやや重なりますが、自分自身が細かく的確な指示を出すことで、自分自身のいらいら、もやもや、を少しずつ減らしてみてはいかがでしょうか。最初は自身のタスクが増えてしまいますが、繰り返しすることで、自発的な行動が期待できるかと思います。

関連記事:日本人がマネジメントをする際に直面する課題とは?

https://id.hrnote.asia/jp/talman/management-problems200624/

インドネシア人とスムーズに業務を進める5つのポイント

仕事がうまく進まない、といっても、インドネシアで日系企業が順調に営業活動をする上で一緒に働く人の大半はインドネシア人です。業務を円滑に進める上で、ポイント5点をご紹介します。

(1)性格・文化を理解する

インドネシアでは親が子供を叱る習慣があまりなく、インドネシア人は人前で叱られることに慣れていません。そのため、人前で叱られると大きな侮辱を受けたと感じてしまいます。

何か問題があるときは、個室に移動するなど、2人で話し合うようにしましょう。仮に、人前で怒ってしまうと、怒られている本人だけでなく、周りで見ているインドネシア人からも反感を買うことになります。

そのためなにか注意しないといけないことがある際は、必ず何が原因で何が起きているのか、その対策は何なのかを整理した上で別室に呼び、2人で話し合いをすることが良いでしょう。

(2)時間の感覚を理解し、管理する

時間の概念に関するインドネシアならではの言葉があるように、5分前行動はおろか、約束の時間・締切期限通りに行動できない人もいます。

そのため、目標・スケジュールを設定する際には、追っているものの背景、なにをいつまでに完了する必要があるのかを、両者で壁うちした上で、設定し、管理するのが良いでしょう。

スプレッドシート等を活用し、締め切り(期限)にあわせ、日々の業務の進捗を確認されている会社もあるようです。

(3)明瞭化できるものは明瞭化する(目標・指示を含める)

従業員が自発的に動き、そして自身のストレスともなる報連相にて詰まりが起きないよう、なにをいつまでにどのくらいどうやって、というのが伝わるよう、明確な指示をだせるよう意識するようにしましょう。

ここで1つ質問です。もしも皆さんがこんな指示を上司から受けたらどのように対応しますか?

「これなるべくはやめに終わらせて」「その資料多めに印刷しておいて」

日本人同士であれば、空気を読んでなんとなく「本日中に」「状況に応じた適当な数」を用意できるかもしれません。とはいえ、それでも上司に求められているスピード・量とはあっていない可能性もあります。

しかし、外国人からしてみれば、なおさら、“いつまでに、どのくらいが必要かもわからない”非常に曖昧な指示に感じることでしょう。

このように、日本人同士のコミュニケーション(指示)は、曖昧な表現が多いのです。そのため、そのままを翻訳して指示をだすだけではなく、意識して説明をしていて、少しでも怪訝そうな顔をしていたら、理解できているかどうか随時確認した方が良いでしょう。

(4)それぞれの宗教への理解

インドネシアは、ムスリム国家と呼ばれることもあり、ムスリム教の方が大半です。ムスリムの方は、1日に5回の礼拝があるため、就業時間中でも、お祈りをされています。また毎週金曜日は、男性のみ11:30からお祈りが始まります。

このように業務時間内にも影響があり、また、オフィスの場所によってはお祈りの場所を用意する必要もあるかもしれません。そしてインドネシアは、“多様性の中の統一”という言葉を掲げていることもあり、多くの宗教が共存しています。宗教によっては、土日の勤務・残業ができない方もいます。

インドネシアで相手の宗教を聞くことは、失礼にはあたらないため、面接時に確認するようにしましょう。

(5)インドネシア語を使ってみる。

インドネシアで働く際、英語でのコミュニケーションが一般的かと思います。ここで「インドネシア語を使ってみる」というポイントをあげたのは、インドネシア語で会話をするということではなく、「心の見えない壁を取り除く」ことを狙っているからです。

想像してみてください。外国人の同僚が日本語に興味を持ってくれたら嬉しくなると思いませんか?インドネシア人も同じように感じるはずです。日本人側からインドネシアに興味があると示すことでインドネシア人も心を開いてくれるでしょう。

“自社にあう、できる人“を採用するための3つの方法

人材を採用した後に、仕事ができないと発覚すると、それまでにかけた時間・費用が無駄になりかねません。そのため、そういったケースを防げるよう、事前に採用条件を明確にしてから採用活動をスタートするようにしましょう。

また、自社とあっている人を採用する際、一番ポイントになるのは、自社の人事もしくは人材紹介会社の営業担当との間で、下記の3点を含む採用条件が明確で、双方で共通の認識が共通できていることではないでしょうか。

① 必要スキル(言語を含む)・知識・経験

採用活動を行う際、必ずなにかしらの理由や目的があるかと思います。その目的に対し、一番必要となるスキルや経験をあらためて明確にしておきましょう。特に欠員に伴う採用の場合は、即戦力で活躍できる人材が必要になるでしょう。

そのため、どんなスキルが必要なのか、自社での業務は、どんな仕事内容があるのか、今の課題感的にはどんなスキル・知識があると人が入社すると尚良いのか、書き出して明確にしておくとさらにスムーズに選考を進めることができるでしょう。

② 会社の文化・雰囲気

会社として掲げているミッションやビジョンに対して、理解でき、体現できる可能性がある人を採用すると、長期就労の可能性、そして活躍が期待できるかと思います。

また、そういった方であれば、マネジメントサイドからの多少の無理難題も、応えられる方も多いのではないでしょうか。

日本人で見抜くことが難しいようであれば、現在活躍しているローカルリーダーもしくはマネージャーに面接担当をお願いし、近い考え方を持つ人材を判断してもらうのも良いかもしれません。

③ 自宅からの距離・通勤手段

インドネシア人は仕事よりも家庭を大事にする方が多いため、家族と過ごす時間をとても大切にされます。

そのため業務後、渋滞で帰る時間があまりに遅くなる、ということがあると早期退職に繋がるケースもあるようです。オフィスの場所、出勤時・帰宅時の渋滞も踏まえ、事前に確認しておくようにしましょう。

”できる”人材の急な退職を防ぐ2つの方法

自分で採用し、やっと自社の文化に馴染み、優秀に育ったな、なんて考えていた先、従業員がすぐに退職することになってしまう、また、引きとめようにもすでに手遅れの状況で、優秀な人材を手放すことになってしまった、なんてケースをよく耳にします。そのため、このような急な退職がなくなるよう、2つの予防法をご紹介します。

1:従業員満足度を上げ、福利厚生等の充実面から従業員が退職を望まない環境を作る。

従業員満足度(ES=Employee Satisfaction)とは、給与や賞与、福利厚生、休暇制度、職場環境など、会社から与えられるものに対する充足感の度合いを指します。また、それらを要因とする数値で表します。

従業員満足度が上がれば、顧客満足度も上がり、業績アップにつながるといわれています。そのため、この満足度が高いのは好ましいことですが、それに比例して生産性・会社への貢献度が必ずしも上がるというわけではありません。

また、従業員満足度調査は社員意識調査のひとつでもあるため、従業員の会社に対する意識や問題点を把握し、人事制度、評価、福利厚生、労務管理などのさまざまな環境改善の資料とするために活用することができます。

つまり、こういった調査を定期的に継続して行うと、結果を元に人員配置等も可能になるため、従業員定着率の向上に繋がりますし、離職率を抑えることが可能になることでしょう。

従業員満足度をあげるための方法を一部紹介
  • 給与以外の福利厚生の充実(健康保険・手当て)
  • 昇給やキャリアアップが可能な明確な評価制度
  • 入社後や昇格、異動後のトレーニング・研修制度の充実
  • 社員旅行や家族サービスの機会提供

2.従業員エンゲージメントを高め、優秀な人材が長期に渡り活躍できる環境を保つ。

従業員エンゲージメントとは、“会社に対して自主的に貢献しようとする従業員の意欲”のことです。そもそも「エンゲージメント」には、約束、契約、雇用の意味があるため、その意欲には従業員と会社のつながりの強さが反映されます。

そして、従業員エンゲージメントは従業員と会社のビジョンの一致によって生まれます。つまり「相手の成功が自分の成功」「相手の幸せが自分の幸せ」というような関係性が、企業運営上で成立しているということです。このように従業員エンゲージメントは、従業員と会社のビジョンの一致によって生まれます。

従業員満足度と従業員エンゲージメントとの違い

従業員満足度と従業員エンゲージメントとの違いは、「貢献度」です。従業員満足度とは、給与や賞与、福利厚生、休暇制度、職場環境など、会社から与えられるものに対する従業員の充足感の度合いを指します。

満足度が高いのは好ましいことですが、それに比例して会社への貢献度が上がるわけではありません。一方で、従業員エンゲージメントには、必ず貢献度が内包されています。

会社が与えたことに見合うだけの「献身」があるという点が、従業員満足度との大きな違いです。

また、インドネシアにも従業員満足度、そしてエンゲージメント向上を目指すための福利厚生サービスを提供している会社もあります。

日本人担当者もいらっしゃるようなので、お困りの点等ある際は、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。

(1)PT. Reeracoen Indonesia / Ultra tech

PT.Reeracoen Indonesiaは、人材紹介サービスだけではなく、従業員が給与日の前に、自身が働いた分の給与を好きなタイミングで、引き出すことのできる前払給与サービスを提供しています。

住所:Wisma KEIAI Building 17th Floor Jl. Jendral Sudirman Kav. 03 Jakarta Pusat 10220 Indonesia

連絡先:21-572-3322

(2)PT. BENEFIT ONE INDONESIA

2014年からインドネシア・ジャカルタに拠点を置き企業の従業員に対する福利厚生や報償制度のコンサルティングを行っています。具体的には、企業の「評価制度」や「報償制度」にポイントを活用する画期的なシステムです。

住所:MidPlaza 2, 16th Floor Jl. Jend. Sudirman Kav. 10-11 Jakarta Pusat 10220

連絡先:21-574-9112

まとめ

“インドネシア人は、仕事ができない“と決め付けるのではなく、マネジメントをする私たち側から彼らが活躍できる環境を作ってあげることを意識してみてはいかがでしょうか。 また、彼らも自身でモチベーションを保てるよう、人事評価制度を取り入れ、エンゲージメントを高めていく必要があるかもしれません。

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