政府が主導する働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大などにより、テレワーク(リモートワーク)・在宅勤務を実施する企業が急増しています。
そして、このような企業の動きが強まる中でニーズが高まっているのが「オンラインコミュニケーションツール」です。
今回は、クラウド型ビデオ会議サービス『Zoom』、Web会議システム『ジンジャーミーティング』、無料通話とチャット用のコミュニケーション ツール『Skype』の3サービスを比較しました。
HR NOTE編集部が実際に使ってみることでわかった、各ツールの使いやすさや課題点もご紹介します。
1、オンラインコミュニケーションツールとは
オンラインコミュニケーションツールとは、インターネットを利用して社員や顧客、求職者との会話を実現させるツールです。
オンラインコミュニケーションツールを利用するシーンは主に「会議」「採用」「営業」の3つ。
社内外での打ち合わせや、学生のと採用面接、顧客との商談といった場面でオンラインコミュニケーションツールを活用できます。
2、『Skype』『Zoom』『ジンジャーミーティング』を比較
オンラインコミュニケーションツールといっても、ツールによって特徴は異なります。
今回は、以下の観点に絞って、各ツールを比較・紹介していきます。
- 特徴
- 利用条件
- 機能
- 使い方の手順
- 編集部が実際に使ってみた感想
2-1. 【Skype】無料通話とチャット用のコミュニケーション ツール
Skypeは、米マイクロソフト社が提供するコミュニケーションツールです。
無料で開始でき、「音声通話」「ビデオ通話」「1対1の通話」「グループ通話」「インスタントメッセージ(IM)の送信」「ファイルの共有」といった機能を利用することができます。
【特徴】
- 1対1でもグループ通話でも、音声とHDビデオがクリア。さらに、通話のリアクションも表示できる
- リアクションでメッセージにすばやく応答することや、@メンションを使って他の人の注意を引きつけることができる
- 業界標準のエンド ツー エンド暗号化を使用した機密性の高いプライベート会話が可能
【利用条件】
- web会議は最大50人のユーザーまで
- 誰でも利用可能
【機能】
アプリ対応 | ◯ | メモ | ◯ |
チャット | ◯ | 通信状況インジケーター | × |
画面共有 | ◯ | 録画 | × |
資料ダウンロード | × | アンケート | × |
【使い方の手順】
①アプリをインストールする
Skypeのホームページでダウンロードを開始します。20代の従業員は、就活時にWeb面接で活用した経験があり、すでにアカウントを持っているケースもあります。
実際に社内で調査したところ、22歳~26歳の従業員の中で約7割アカウントを所持していました。アカウントを所持している従業員に関しては、サインインをするだけ済みます。
しかし、ここでアカウントを所持している従業員に問題が起こりました。すぐにサインインができないのです。
理由として、「登録していたメールアドレスがわからない」「パスワードを忘れてしまった」などです。
パスワードの再発行や、新しくアカウントをつくるなどをして、ようやくサインインできました。アカウントを昔持っていたからこそ、時間がかかってしまいました。
②メンバーに会議室を共有する
Skypeで会議を始めるには、会議に参加するメンバーを検索、連絡先に追加し、チャットルームを作成する必要があります。
実際にやってみて感じたのは、「検索⇒連絡先に追加」のところで、わかりやすい氏名でない限り、「SkypeID名」で検索しなければ、メンバーを連絡先に追加できないということです。
たとえば、「山田」という氏名の方は日本に多数いるため、検索をかけても多くの「山田さん」が出てきてしまいます。
そのため、SkypeID名を共有し、連絡先に追加するようにしたほうが良いでしょう。
また、ミーティングのメンバーが変われば、その度にチャットルームを作成する必要があり、そのあたりが手間に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
連絡先に追加されていないメンバーとのミーティングであれば、まずは連絡先をそのメンバー追加しなければならないので、多くのメンバーとコミュニケーションを取る人には少し使いにくいツールかもしれません。
③Web会議を始める
チャットルームを作成できれば、あとは電話のボタンを押して、mtg開始です。
【編集部が実際に使ってみた感想】
- チャットルームを作成すれば、Web会議がいつでもすぐにできる
- 通信環境は問題なくサクサク会話ができた
- アカウントを持っているけど忘れているケースが多く、サインインに苦労した
- 検索⇒連絡先に追加⇒チャットルームの作成と、手間が多いように感じた
- SkypeID名でないと、メンバーのアカウントを見つけられない
※あくまでも編集部の主観が入っております
2-2. 【Zoom】リアルタイムメッセージングとコンテンツ共有が可能な企業向けWeb会議ツール
Zoomは、米Zoom Video Communicationsが提供するビデオコミュニケーションツールです。
2012年にサービスの提供が開始され、現在は世界中で75万社がZoomを導入しています。
【特徴】
- どのデバイスでもミーティングの開始、参加、コラボレーションを簡単にできる
- Zoomミーティングがお使いのカレンダーシステムと同期される
- グループとのチャット、履歴の検索、統合されたファイル共有、10年分のアーカイブが可能
【利用条件】
- 2020年4月30日まで無料(教育関係者が対象)
- 1会議当たり最大300人が、時間制限・回数制限なしで利用できる
- Zoomの公式サイトから申し込み可能
【機能】
アプリ対応 | ◯ | メモ | × |
チャット | ◯ | 通信状況インジケーター | ◯ |
画面共有 | ◯ | 録画 | ◯ |
資料ダウンロード | × | アンケート | ◯ |
【使い方の手順】
①アプリをインストールする
Zoomのホームページでダウンロードを開始します。ダウンロードボタンは少しわかりにくいのですが、サイトの一番下にあるボタンを押すとインストールが始まります。
②メンバーに会議室を共有する
まずは、ミーティング運営者がミーティングルームを作成する必要があります。Zoomのホームページの右上にある「ミーティングを開催する」を押します。
すると、Webミーティング開始されます。下に「招待」というアイコンがあるので、それを押して、URLをコピーし、ミーティング参加メンバーに共有します。
③Web会議を始める
共有したURLをクリックすれば、ミーティングが始まります。
【編集部が実際に使ってみた感想】
- アプリをインストールするだけで会議室を作成できる
- ミーティング参加者は、URLをクリックするだけでWeb会議に参加できる
- ミーティングルームの作成が直感的にできなくて苦労した
※あくまでも編集部の主観が入っております
2-3. 【ジンジャーミーティング】Web会議システム、オンライン商談、チャット接客、チャットボットと多様化するコミュニケーションツール
ジンジャーミーティングは、jinjer株式会社が提供するWeb会議ツールです。
採用にも活用でき、オンライン面接や内定者フォローのために利用している企業も多く存在します。
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【特徴】
- URLをワンクリックするだけで、簡単にWeb会議に参加できる。また、ジンジャーミーティングのアカウントを持っていない人も、アカウント登録やインストールが不要
- 画面共有や資料共有、ホワイトボードなどの機能を活用して、遠隔でも自分の伝えたいことを伝えることができる
- 月で決められた回数を使われていなければ、サポートがお電話で運用状況を確認。Web会議が運用に乗るまで徹底的にサポート
【利用条件】
- 2020年4月30日まで無償提供
【機能】
アプリ対応 | ◯ | メモ | ◯ |
チャット | ◯ | 通信状況インジケーター | ◯ |
画面共有 | ◯ | 録画 | ◯ |
資料ダウンロード | ◯ | アンケート | ◯ |
【使い方の手順】
①アプリをインストールする
ジンジャーミーティングはミーティング運営者も参加者も、アプリをインストールする必要がありません。すぐに使うことができます。
②メンバーに会議室を共有する
まず、運営者はミーティングルームを作成する必要があります。
ジンジャーミーティングの管理画面の「新しくMeetingルームを作成する」ボタンを押し、ルーム作成ページに移動します。
「ルーム名」と「パスワード」を設定し、「作成」ボタンを押すと、ミーティングルームの作成が完了です。
メンバーへの共有は、「共有する」ボタンを押し、URLをコピーして、共有するだけです。
③Web会議を始める
共有されたURLをクリックし、あらかじめ設定されていたパスワードを入力すれば、Web会議が開始されます。
【編集部が実際に使ってみた感想】
- URLクリックして、パスワードを入力するだけでミーティングに参加できる
- 直感的にわかりやすい操作画面になっているので、操作に迷わない
- ミーティングルームを作成するのに最初は手間がかかる
※あくまでも編集部の主観が入っております
3、『Skype』『Zoom』『ジンジャーミーティング』を実際に使ってみて…
最後に、『Skype』『Zoom』『ジンジャーミーティング』を実際に導入して使ってみた感想をまとめました。
「無料で使える」というメリットの他にも、それぞれのサービスごとにURLで共有できたり、操作画面がわかりやすかったりと特徴が異なります。
また、「実際に業務で利用する際の使用感が気になる方も多いのではないか?」と考え、HR NOTE編集部で『Skype』『Zoom』『ジンジャーミーティング』を使ってweb会議をおこない、その感想を上図のようにまとめてみました。
「直感的に操作できるか」「会話にタイムラグが生じないか」の2点がやはり大事であり、これによって使用感の満足度は大きく変わると感じます。
4、まとめ
現在無料で使える3つのオンラインコミュニケーションツールを比較しましたが、実際に3つのサービスを実際に使ってみて、準備のしやすさや使い勝手もそれぞれで差がありました。
リモートワークをするとなった際は、「必要な機能」「通信インフラの状況」「同時につなぐ最大の人数」といった条件を事前に洗い出し、自社に最適なオンラインコミュニケーションツールを選定するようにしてください。
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