
1.エントリー企業を選ぶことや履歴書をつくることにも親御さんが影響する
「先輩、今はエントリーする企業を選ぶのにも親御さんの影響が大きいみたいですよ!」 「え、例えばどんな感じ?」 「これは極端な例ですけど、親御さんが勝手に就活サイトにログインできるみたいです。ログインして空いているスケジュールを見つけて説明会の申し込みを代わりにしてあげるみたいな。」 「すごいな!」 「『あんた、この企業の説明会予約してあげたからいってきな!』ってなるんでしょうね。さらに『あんたにこの企業は合わないからこっちの企業の説明会にいきなさい』とかいう親御さんもいるみたいです。」 「それで素直にみんな従うのかな。そこまでされるとちょっと嫌だよね。」 エントリーで親の意見が影響するなんて、自分の就活のときを振り返ると、一人暮らしだったこともあり、親の意見を聞くということが皆無でした。実際に勝手にログインされていたり、口出しされていたら、年甲斐なく間違いなくケンカになっていたことでしょう。 「あと先輩、履歴書やエントリーシートを親御さんが書くっていうケースもあるみたいです。」 「それは思いつかなかった!でも親に強みとか弱みとか書いてもらうことを想像すると、なんか恥ずかしくない?志望動機もつくってもらえたりして。」 「でもそれだと面接で深掘りされたときに一発でバレそうですよね。ちなみにRe;Light(リライト)の調査によると、子どもの就活を手伝ったことある親は約37%いて、そのうちの3人に1人はエントリーシートの作成を手伝ったことがあるみたいです。インフォグラフィックにして紹介しています。」
「ありがとう。こんなデータも出てるんだね。」
2.合説で子どもより熱心な親御さん
「合同企業説明会ってあるじゃないですか。」 「あるね合説。俺もいったよ。最近はものすごく混雑しているらしいね。」 「その合説に親同伴で来ている就活生もチラホラいるみたいですよ。」 「何のために!?」 「どんな企業があるか親も知りたいんじゃないですか。いろいろなブースを見てまわってパンフレット集めて、『あの企業良さそうだから、話聞いてらっしゃい』みたいな。そういえば僕も見たことありますよ。」 「たくさんの就活生がいる中で結構目立っちゃうもんね。」 「他の就活生よりも熱心に話を聞いてまわっている親御さんもいるみたいですよ。中には企業の説明を録音して『後で息子に聞かせます』っていう方もいるみたいで。」 「もうその親御さんに内定あげようよ。」 私の頃は合説に親御さんの姿は皆無だったように思います。 さすがに録音は、すごい発想だと思いますが、そこまでやる必要があるのでしょうか。 ただ、親御さんも少しでも子どもに良い人生を歩んで欲しいという、その熱意は伝わってきます。 「親御さんに言われて説明会に手土産を持っていった就活生もいるみたいですよ。」 「手土産!何のために?」 「やっぱり少しでも良い印象を与えようという狙いじゃないですか。」 「それって完全に逆効果だよね。どんなにその子の印象が良くてもなんかマイナスのイメージが残ってしまう・・・。」 「他の就活生もいる手前、安易に受け取れないですよね。」 さすがに手土産は採用担当者・面接官にマイナスイメージしか与えないと思います。
3.就活生の代わりに親御さんが選考にきた
「これもレアケースですけど、『なんでうちの子が不合格なのよ!』とクレームの電話が採用担当者にいくこともあるみたいです」 「それは恐ろしいケースだね・・・。そんなことを言っても合否は覆らないものなのにね。まあ、個人的にはなんで落ちたのか明確な理由は知りたいけど・・・。子どもが直接聞くべきだよね。」 「でも今はネットで悪評が広まりやすいので、採用担当者は丁寧に丁寧を重ねて親御さんへの対処をしないといけないんですよ。」 「採用担当者の方は新卒採用の時期はものすごく忙しいのに・・・。」 ここで思うことは、例えこれで不合格が覆って内定に至ったとしても、企業と就活生のお互いが幸せなマッチングにつながるのかということです。不合格の理由がどうしても知りたいのであれば就活生が直接聞くべきであるし、当たり前ですが、不満をいうのではなく、次に活かせるように反省材料とするべきです。 「息子が風邪引いたから、代わりに親が筆記試験にきたっていうケースもあるみたいです。」 「それって参加させてもらえるの?」 「僕が調べた限りだと、企業側が丁重にお断りしているにもかかわらず、強引に参加しようとしていたみたいですが、結果NGで当然不合格だったとのことです。」 「そりゃそうだよね。でもその親御さんの勇気には感服するわ。」 「しかも後日会社に押しかけたみたいです。『うちの息子はここがすごいからもう一回受けさせろ』って。」 「その行動力は本当にすごいね。でも息子さんはどう思ってたのかな?」 「うーん。どうなんでしょうね。でもマイナビの調査によると、『保護者にどのような協力を望むか』に関しては、トップが『交通費などの金銭的補助(38.2%)』で、その次に『特に何も望まない(18.5%)』ですからね。『余計な口出しをしないで欲しい(10.6%)』という意見もあって、親御さんの干渉を望まない就活生もやはり多くいるみたいです。」 「ちょくちょくデータを差し込んできて、博識だねえ。」
4.内定後もまだ安心はできない
「内定後も修羅場があるみたいです。」 「オヤカクって言葉があるくらいだから、なんとなくわかるような。」 「例えば、内定辞退の際に『自分は御社に行きたいが、親が反対したので辞退します』って。いやいや、自分の意志は?自分の将来を左右することなのに、親御さんに何を言われたんだろうって思いますよね。」 「親御さんの意見には逆らえないのかな?」 オヤカクが必須となりつつある昨今、「うちの親は大丈夫です」といっている就活生に対してでさえ、念の為に確認をお願いしたり、家庭訪問をしている企業も増えている模様です。 「あと、大学に電話がかかってきて、『うちの子が内定がもらえないのはなぜだ』『大企業から内定がもらえないのは大学の就職指導のせいだ』って言ってくる親御さんもいるみたいです。」 「企業だけでなく、大学にも!本来は学生が就職課に言って相談するべきなのに。」 「内定を出すときに、本人が第一志望と言ってくれていても、いつ覆るか分からないので、採用担当者は内定後もしばらく気が抜けないですよね。」 「俺の時は振り返ると、入社1ヶ月前の3月に実家に返ったときに、どんな企業で働くかって伝えたような。来月からここで働くからって。親も『おう、頑張れ!』程度にしか言ってなかったような気がする。」 「それもレアケースですね(笑)。親御さんをうまく味方につけつつも、過干渉にならずにそっと見守ってくれるような距離感が一番良いと思んですけど、採用担当者の方の苦悩は計り知れないです。」 就活はあくまでも子どもが主役です。 そのため親御さんはあくまでも「社会の先輩として」の視点から就活のサポートをするべきではないでしょうか。 過干渉は逆に子どもの成長を妨げ、就活の足を引っ張ることにつながりかねません。
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