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バレンタインデーを社内規則で禁止…こんなことってアリ?

※本記事は株式会社アシロの「シェアしたくなる法律相談所」より転載しております。

男性はそわそわ、女性はドキドキのバレンタインデー

と思いきや、昨今ではこの慣習を面倒だと思う人も増えているようです。「男女ともに負担になる」「トラブルの元になる」「仕事に関係ない」などの理由で、社内でバレンタインデーのチョコのやり取りを禁止している会社もあります。

しかし、チョコの贈答という個人的な行為を会社が禁止することは、法的に許されるのでしょうか? エジソン法律事務所の大達一賢弁護士に見解をお聞きしました。

会社でのバレンタイン禁止、法的には問題なし

社内でバレンタインデーのチョコのやりとりを禁止することは、それが業務時間における限り、法的には特段問題ないと考えられます

会社をどういった社風にし、どのようなルール作りをするかは、従業員の権利を不当に侵害しない限りにおいて、原則自由だからです。

もっとも、会社の休憩時間においての私的なやりとりまで禁止するということは、行き過ぎにも思われます。これが業務に支障を生じさせるとまでは言いにくいでしょう。

そして、社外においてまでバレンタインデーを禁止することは、それが従業員同士の場合であっても許されないと思われます。会社は、就業時間内において合理的な制約を課することができるにとどまります。

もちろん、会社の評価に影響を与えるなど、就業時間外の行動が労働そのものに影響を及ぼすような場合には一定の制約が許されると考えられます。しかしバレンタインデーを楽しむ行為が労働に影響を及ぼすとは考えにくいため、就業時間外の禁止行為は許されないことになるでしょう」(大達弁護士)

就業時間中のバレンタインチョコのやりとり禁止は法的には問題ないようです。ポイントは業務に支障を生じさせる可能性があるかという点です。

禁止のルールを破ったらどうなる?

では、会社によるバレンタイン禁止、これを破って懲戒処分を受ける可能性はあるのでしょうか?

バレンタインデーのチョコのやり取りが就業規則に規定されている懲戒事由に当たる場合には、懲戒処分がなされることもあり得ます。規定されていない限り、会社は懲戒処分をすることは許されません(労働基準法89条9号参照)」(大達弁護士)

バレンタイン禁止が就業規則に記載なく、口頭で通達された程度の場合は破ってもそれで懲戒されることはなさそうです。

「ただし、口頭での通達の場合には、懲戒事由に“通達に違反した場合”などの規定があれば、懲戒処分がなされる可能性は否定できません。

ただし、基本的には違反の程度が重いとまでは言いにくいでしょうから、戒告処分より重い処分がなされた場合には、その処分は違法になとされる可能性が高いでしょう」(大達弁護士)

ホワイトデーのお返しって義務なの?

ところで、一般的にはバレンタインデーにチョコをもらったらホワイトデーにお返しをしますが、お返しは必ずしなければならないのでしょうか? 法的にはチョコをもらった時点でお返しの契約が成立していることになるのでしょうか?

「ホワイトデーにお返しをするという条件のもとにバレンタインデーにチョコをもらった場合は、お返しをするという内容の契約が成立していたということができ、お返しの義務が生じます。

例えば、毎年、バレンタインのお返しをしており、今年も当事者間で黙示の合意があるといえる場合や、“お返し必ずちょうだいね”というような言葉に対し“わかった”というような返答をした場合には、ホワイトデーにお返しをするという合意が成立していたといえる場合もあり得るのかもしれません。

しかし、それも社交辞令と言えるレベルなのであれば、法的拘束力まで生じさせる合意と言うことは困難でしょう。

一方、ただチョコを受け取っただけというような場合には、それはチョコの贈与に過ぎず、それだけでお返しをするという合意があったとはいえないため、お返しをする義務はありません。お返しをする・しないでトラブルになり、人間関係がこじれてしまっては本末転倒。せっかくの甘いチョコも苦くなってしまいます。

あげる側はお返しを期待しない、もらう側はできるだけお返しをする、といったチョコっとした思いやりをもって、楽しくて甘いバレンタインデーにしたいもの。個人的にはいただいたチョコには大きな愛をもってお返しとしたいところですが、迷惑な場合もあると思うので、気の利いた小物などを返しています。素敵なバレンタインを過ごしてくださいね」(大達弁護士)

◆◇取材対応弁護士◇◆
大達 一賢 氏(第一東京弁護士会):エジソン法律事務所

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